台湾において発展した易簡太極拳と、その理論に基づいた推手の核心となるポイントを、呉老師が日本の皆さんにご紹介する予定です。
呉老師は、易簡太極拳創始者から学び、現在は易簡太極拳と推手の普及に努め、世界各地でセミナーを実施しています。
また、台湾における競技推手の第一人者として、台湾で開催されている競技推手大会の審判長、責任者でもあります。
易簡太極拳を主軸とした理論による推手の指導によって、優れた養生推手と易簡太極拳の指導者を多く輩出したのみならず、競技推手における国体・各大会の優勝入賞経験者も多く輩出しています。
易簡太極拳と養生推手を学ぶことで、易簡太極拳がより深く理解でき、自分の体を精彩に柔らかく操る感覚、さらには相手の身体反応を引き出して無理なく合理的に操る感覚がつかめるようになります。
今回のセミナーでは、初心者からベテランの方まで喜んでいただけるよう、より分かりやすく、より汎用性があるものをテーマにしました。
呉老師からのメッセージ
太極拳には、「無為」という老荘思想の逆思考と、「陰陽相済」という易経の哲学が含まれています。太極拳の修行を通じて、生活の知恵を得て、生活のリズムを調整することができます。
それで、健康を保ち、武術における技術を向上させます。また、人生の困難に冷静に対処することができます。
つまり、太極拳は身体だけでなく、心と精神の健康にも役立ちます。
太極拳稽古では、リラックスすることが最も大事です。生理面と心理面においては、リラックスすることにより、ストレスと筋肉疲労を解消することも全身のエネルギーを整えることができます。
太極拳経曰く:「一舉動周身俱要輕靈,尤須貫串」。軽やかさと連結が太極拳の核心技術ということです。まず軽やかさを追求すれば、連結が自然にできるようになります。
動きの軽やかさを追求することには、肩、肘、手首、腰、股関節などの関節や筋肉をリラックスすることが重要です。それに無駄な力を出すことを防ぐことができます。
ただし、リラックスしすぎると身体が緩くなり、生理面と心理面のエネルギー発揮に不利になります。したがって、套路と実際操作の訓練では、常に意識を保ち、腕を緩めて垂れることなく、緩めた状態を維持することが重要です。その故、「用意不用力」が太極拳十要の最も大事な基本原則です。
今回のセミナーでは、太極拳の基本原則であるリラックスする心法や、太極拳十要:用意不用力、虚領頂勁、沉肩墜肘、含胸拔背、鬆腰、虚實分明などの訓練法要領を教えます。
また、宋志堅宗師は太極拳十要や鄭曼青師から伝えられた美人手、太極不動手、吃虧即是佔便宜などの訓練法要領に基づいて、自然運動の八つの要素:原空位、原体位、引力、反作用力、慣性力などを独自に創作しました。
参加者をよりリラックスさせ、太極拳十要や鄭曼青師の訓練法要領をより簡単に理解できるようになるために、今回のセミナーでは、詳細に説明し、実演を行います。