観念が悩みと願望を生む
悩みや願望に対して、私たちは「どうしたらいいのか」と問題を解消する方法ばかりを考えてしまいます。

 例えば、「私は、◯◯さんが嫌いだ」という◯◯さんへの不快感や嫌悪感に支配されている場合、「◯◯さんがどこかに消えてくれればいいのに」という願望を持つでしょう。それと同時に、「◯◯さんがいなくなる以外に、私の願望は達成されない」と思いこんでしまいます。

 けれども、◯◯さんが突然消えることは普通ありえないことなので、いつまで経っても「◯◯さんに消えてほしい」という願望は叶わないままです。

 このように、不安や怒り、期待やわくわく感といった感情が張り付いている限り、私たちの意識や心に浮かぶ解消方法は偏りを含み、問題は永遠に解消されないままなのです。

 しかし、本来この世に「問題」は存在しません。あるのは事実だけです。

 例えば、「彼女がいない」ことについて考えてみましょう。

 「彼女がいない」ということは単なる事実です。しかし、 「彼女がいないのは恰好悪い」「彼女がいないことで周りの人間から馬鹿にされるのが怖い」「彼女がいないことで、人としての尊厳もないように感じる」など、「彼女がいない」という事実に感情が張り付くとき、それは「問題」に変わります。

 事実「彼女がいない」+感情「恰好悪い」「恥ずかしい」
     =悩み「彼女がいないことは問題だ」 or 願望「彼女が欲しい」

 自分の中の「正しさ」から外れているとき、人は感情が動きます。「彼女がいることが正しい」と思っている時、「彼女がいない」という単なる事実が悩みになり、「彼女が欲しい」という願望が生まれます。

 そして「彼女がいないのは人としての魅力がないことを意味する」「恋愛はすばらしいものだ」といった観念がある限り、「彼女がいない」という悩みに支配されるのです。

 現代日本では基本的に「恋愛はするべきもの」です。

 小さい頃から、私たちは恋愛をテーマにしたドラマや映画、本、漫画を見てきました。そして周囲の人間から恋愛の何たるかを学び、特定の観念が植え付けられてきました。「私は恋なんか絶対にしないわ! だいたい、最近の恋愛至上主義が間違っているのよ!」という人も、恋愛が必須であるという一般的な前提・観念に支配されているのです。

 このように、願望や悩みを生み続ける観念はあなたの中に存在しています。「常識」として、あるいは「絶対に疑いようのない正しさ」として、空気のように当たり前に、無自覚に私たちの中に観念はあるのです。

〈ワーク〉願望と悩みを生む観念を探す
・これまでのワークで見つけた願望や悩みを生んでいる観念について考えてみましょう! 願望や悩みの裏で、あなたはどんなことを「正しい」と考えているのでしょうか。
Your answer
願望や悩みを通して自分の本心を知る
職場の上司にいなくなってほしい。
先輩に認めて欲しい。
仕事をきちんとやり遂げたい。
夫に見放されたくない。

 私たちの願望や悩みの大半は他者に関わるものです。そして、「あいつがいるせいで私は困っている」「あの人が私の望み通りにしてくれれば私は幸せなのに」など、「私」の悩みや願望を何とかしてくれるのは「他人」だ、と考えがちです。

 けれども、他人の意志を阻害することはロゴスプログラミングの大原則に反しますし、そもそも私たち自身、誰かの思い通りに生きたいとは思いません。

 そこで、他人をどうこうしようと考えることは止めにして、願望や悩みを生んでいる自分についてもっと詳しく見てみましょう!

 あなたの悩みや願望の裏には、どんな感情がありますか?


A子さんの場合:

「職場の上司にはいなくなってほしい。だって、職場の上司は、内心私のことを馬鹿にしている。私の能力が低いと思っている。私は頑張っているし、認めてくれている人もいるのに、どうして上司は私を下に見るのだろう。だいたい自分だって大した能力もないくせに、よくも私を馬鹿にできるものだ」

「どんなに頑張っても先輩は私を認めてくれない。いちいち、こちらの腹が立つような言い回しで細かいミスを指摘してくる。先輩は確かに能力は高いけれど、だからといって人を傷つけていいわけがない。他の人もあの先輩を嫌っている。だから私は悪くない。」

「私は夫に見放されるかもしれない。きっと夫は私に失望しているに違いない。でも私も働いているのだから、家事が行き届かないのも大目に見てほしいのに。なんで私ばかりが家事について責められるのか。だいたい夫は私に感謝をしてないから腹が立つ。」
 
 A子さんの悩みは、別々の問題のように見えますが、共通の思考パターンがあります。
 
 人はいつも私を責める。
 私がこんなに頑張っているのに、人は私を認めてはくれない。
 どうしていつも私が悪いんだ。

これらの思考の奥にあるのは、

 私はもっと人に認められたい!
 私は人から責められたくない!
 私は決して悪くない!

という思いであり、それが職場や家庭での人間関係の不調和を様々な形で引き起こしているとも言えます。

 けれども、本当に素の自分を生きていれば人からの承認などどうでもよいことであり、善悪という二項対立からも自由になるのです。
  
 問題を生む原因は、やはりあなたの中、あなたのあり方にあるといえます。

〈ワーク〉願望と悩みから自分の本心を見る
・複数の願望や悩みについて、その裏にある思いを思いつく限り書き出してください。感情と悩みや願望を切り離すことがこのワークの目的です。頭の中で考えるより、実際に書き出したほうが多くの気付きが得られます。ぜひ時間をとって書いてみてください。
Your answer
・あなたの願望や悩みの裏にある、共通の思考パターンは何でしょうか。あなたは他人や自分について、いつもどのような思いを持っているのでしょうか。「人はいつもこうだ」「私は人からいつもこのような扱いを受ける」「私はいつもこうだ」「どうしていつも~なんだ」などのフレーズを参考に考えてみてください。
Your answer
・上記で書き出した内容を元に、あなたの本当の悩みや願望を書き出してみましょう。
Your answer
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