今期の年間テーマは、「文学の風俗」です。現代風俗研究会東京の会でこのテーマを掲げるのは、初めての試みとなります。いろいろなジャンルの作品の内容はもとより、出版社・読者・社会的背景といった、文学のさまざまな面に、「風俗」という観点から光をあてていきたいと思います。
第27期新風俗学教室の第1回は、日本近現代文学・ライトノベル研究がご専門の山中智省さんにご報告いただきます。
【テーマ】「ご当地ラノベ」の現在地―聖地巡礼、地域振興、そして「地域ゆかりの作品」へ―
【報告者】山中智省
【要旨】若年層向けのエンターテインメント小説であるライトノベル(ラノベ)のなかには、特定の地域を物語の舞台に据えた「ご当地ラノベ」ともいえる作品群が存在する。それらは時に、繊細な風景・風俗描写やユニークなご当地ネタの数々、そこに住まう人々のリアルを感じさせる特徴的なキャラクターなどによって、舞台(モデル)となった地域への興味・関心のほか、実際に現地を訪問してみたいという意欲を掻き立て、読者を「聖地巡礼」と呼ばれる行動へといざなっていく。また、メディアミックスの一環として小説の映像化が行われ、物語の舞台が鮮明なビジュアルを伴って提示された結果、さらなる「聖地巡礼」が誘発されることもある。このような現象自体は、ライトノベルとそれを取り巻く動向の一つとして以前より認知されてきたが、近年ではそこに、地方自治体や民間企業との各種コラボレーション企画、ファン・有志によるイベント開催、「地域ゆかりの作品(小説あるいは文学とも)」としての評価なども加わったことで、さらなる活況を呈し始めているように思われる。本発表では、裕夢『千歳くんはラムネ瓶のなか』シリーズ(ガガガ文庫、2019年~)と福井県福井市、雨森たきび『負けヒロインが多すぎる!』シリーズ(ガガガ文庫、2021年~)と愛知県豊橋市、といった近年の注目事例を取り上げながら、それぞれの具体的な様相に迫ることに加えて、「ご当地ラノベ」をめぐる諸現象の今後の展開可能性についても、検討してみたいと考えている。
【司会】塩谷昌之
【コーディネイター・オンラインサポート】溝尻真也、阪本博志
【日時】2026年2月21日(土)15時~18時
【会場】東京大学社会科学研究所 赤門総合研究棟5階 センター会議室(549教室)
地図※普段と異なる会場(東京大学本郷キャンパス センター会議室)ですので、必ず場所をご確認ください。
※今期の新風俗学教室は、原則対面で行いますが、Zoomでの参加もできます。
【参加費】参加費はありませんが、運営資金のためにカンパをつのります。ご協力をお願いします。
【懇親会】教室終了後に、19時ごろから懇親会を開く予定です。
【参加資格】
・現代風俗研究会の会員
・東京の会の名簿に登録がある方(新風俗学教室で過去に報告あるいは聴講をし、連絡先を用紙に記入した方)。
※上記参加資格者の方との同伴であれば上記以外の方でも参加可能です。資格外の方が一緒に参加される場合は、事前申し込みの際、必ずその旨お知らせください。
※会員とは、現代風俗研究会に会費を支払い、入会している方を指します。東京の会の名簿に登録がある方も資格者です。ただしフェイスブックやツイッターなどを登録(フォロー)しているだけの方は、会員ではありません。
※限られた人員と機材で運営しているため、オンライン参加では一部音声が聞き取りづらいといった状況が発生する場合があります。ご容赦ください。
【参加方法】参加申込フォームに必要事項を記入の上、送信してください。締め切りは2月18日(水)の23:59です。申込が完了された方には、申込時にご記入いただいたメールアドレスに、2月20日(金)までに当日の会場案内およびZoomアドレスをお送りいたします。