早春の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
本研究は中部大学生命健康科学部作業療法学科3年の浅井心香の卒業研究「ペットが障害児に与える影響について」に関する研究へのご協力をお願いするものです.
日本では人口の3割程度の世帯が犬や猫を飼育しており,その数は約1900万頭と報告されています.このような中で,医療現場においては動物を活用したアニマルセラピーが行われています.アニマルセラピーとは,「動物とふれあうことで精神的・身体的に機能を向上させることにより,生活の質を向上させる療法」のことです.これまでの先行研究では,動物やペットには緊張感が和らぐ鎮静作用や孤独感の低下,責任感の出現や心の安定の獲得といった影響が人にもたらされることが分かっています.神経発達症のある子どもは,社会性の難しさやコミュニケーションの難しさ,興味関心の偏り,学習上の困難など様々な特徴を持ち,子どもを育てる親も,子どもの集団行動の苦手な部分や言語発達の遅れなどに育て難さを感じていることが多いと言われています.発達障害児,精神遅滞児,脳性麻痺児に対してイルカの介在療法を行った本田らの研究によると,笑顔などの感情表出,発語回数,アイコンタクトの回数,注意持続時間それぞれが増加したことが報告されていますが,家で動物を飼い,家族として常に一緒に暮らすことが,障害児やその家族にどのように影響するのかは,報告がほとんど見当たりません.そのため,本研究では,貴会員の小学生以上のお子さまを対象に,ペットの飼育が神経発達症のある子どもに与える影響を明らかにする調査を実施することとしました.
お忙しい中恐れ入りますが,下記QRコードにアクセスしていただき,ご協力をお願い申し上げます.家庭での動物の飼育が,神経発達症のある子どもとその家族にどのような影響をもたらすのかを調査することで,子どもの心身の発達への影響や今後の医療の一助となり,子どもとその家族のQOLの向上に寄与すると考えています.