表.子どもが誤飲した時の応急処置(文献1)を引用改変)
少量であれば、あまり心配しなくてもいいもの(ただし何か症状があった場合には病院を受診しましょう)
飲み込んだ物 | 危険度 | おうちでの応急処置 | 飲ませる物 |
紙 | ★ | 喉に引っかかったりせず、飲み込んでしまったのであれば、自宅で様子をみましょう。 | 水 |
クレヨン | ★ | 主成分はろうそくのロウと顔料です。食べてしまっても心配ありませccん。 | 水 |
水彩絵の具 | ★ | 水彩絵の具は中毒の心配はありません。 | 水 |
粘土 | ★ | 少量であれば心配ありません。油粘土は大量に食べた場合には水が牛乳をのませて、様子をみましょう。小麦粘土はアレルギーがある場合にはすぐに受診しましょう。 | 水か牛乳 |
化粧水 | ★ | エタノールというアルコールの成分が含まれているので、たくさん飲むと、お酒を飲んで酔っ払ったようになります。なめたり、一口程度であれば、水を飲ませて様子をみましょう。 | 水 |
クリーム・口紅 | ★ | 油性成分があるので、大量に食べると吐いたり、下痢するかもしれませんが、通常お子様が食べる量であれば、ほとんど心配ありません。 | 水 |
石鹸 | ★ | 製品の毒性は高くありません。少量であれば、牛乳を飲ませて、自宅で様子をみましょう。 | 牛乳 |
シャンプー | ★ | 口の中や喉の粘膜の刺激はありますが、お子さまが飲む程度の量であれば、中毒の心配はほとんどありません。吐いたり、腹痛があれば受診しましょう。 | 牛乳 |
シャボン玉液 | ★ | 製品の毒性は高くありません。少量であれば、牛乳を飲ませて、自宅で様子をみましょう。ストローから吸い込んでしまうことが多いので、小さなお子さまは、シャボン玉遊びはしないようにしましょう | 牛乳 |
台所用洗剤 | ★★ | 弱酸性、弱アルカリ性、中性の洗剤であれば毒性は高くありません。少量であれば口をすすいで、牛乳を飲ませて、様子をみましょう。 | 牛乳 |
シリカゲル(乾燥剤) | ★ | 消化管から吸収されないので、ほとんど毒性はありません。家庭用の小さな包装されている量であれば、食べても中毒の心配はありません。 | 水 |
芳香剤 | ★ | ゲルや粒状の製品であれば心配ありません。液体やスプレーの製品はアルコール類が使用されているので、大量に飲んだ場合には受診しましょう。 | 水か牛乳 |
パラジクロロベンゼン (防虫剤) | ★★★ | 少量であればあまり問題になりません。牛乳をのませてはいけません。体への吸収が早くなります。大量に食べた場合には、すぐに受診しましょう。 | 水 |
体温計の水銀 | ★ | 体温計の水銀は金属水銀で、かつて水俣病を引き起こした有機水銀化合物とはちがうものです。体内にはほとんど吸収されずに、うんちとして排泄されます。 | 牛乳 |
蚊取り線香 | ★ | 含まれる殺虫成分の量は少なく、ほとんど心配ありません。ただし使用中であればやけどに注意しましょう。 | 水 |
すぐに受診しなければならないもの
飲み込んだ物 | 危険度 | 応急処置・注意すべき症状 | 飲ませる物 |
ボタン電池 | ★★★★ | 電圧の高いリチウム電池は危険です。すぐに受診しましょう。 | 飲ませない |
複数の磁石 | ★★★★ | 特に磁力の強い磁石は、お腹の中で磁石同士がくっついて、胃や腸に穴が開くことがあります。 | 飲ませない |
釘、画鋲など鋭利な物 | ★★★ | すぐに受診しましょう。 | 飲ませない |
たばこ | ★★ | 小さなお子さんでは、タバコ1本に含まれるニコチンが致死量になります。食べたタバコの量が2cm以内であれば自宅で様子をみましょう。 | 飲ませない |
ホウ酸団子 | ★★★ | 市販されているものであれば、1/4個以上食べていると中毒の危険があります。 | 水 |
しょうのう(防虫剤) | ★★★ | 毒性が高く、少量でも危険です。かけらでも食べている場合には、すぐに受診します。牛乳を飲ませてはいけません。痙攣を起こしてしまうので、吐かせてはいけません。 | 飲ませない |
油性絵の具 | ★★★ | 顔料に含まれている重金属による中毒を起こす可能性があります。すぐに受診しましょう。牛乳は飲ませてはいけません。 | 水 |
ナフタリン(防虫剤) | ★★★ | かけらでも食べている場合には、すぐに受診します。牛乳を飲ませてはいけません。 | 水 |
香水 | ★★ | エタノールというアルコールの成分が高濃度で含有されています。お酒に酔っぱらったような症状がみられます。なめた程度であれば、水を飲ませて自宅で様子をみていても大丈夫ですが、5ml以上の飲んだ時には、受診しましょう。 | 水 |
絶対に吐かせてはいけないもの | |||
灯油、ガソリン | ★★★★ | 誤って気管に入った場合、肺炎を起こします。吐かせずに、すぐに受診しましょう。 | 飲ませない |
マニキュア・除光液 | ★★★ | 身近な化粧品の中では最も毒性が高く、危険です。誤って気管に入ってしまうと化学性の肺炎を起こすので、吐かせてはいけません。すぐに受診しましょう。 | 飲ませない |
塩素系漂白剤 | ★★★ | 口にすると少量でも粘膜がただれてしまい危険です。吐かせずに、牛乳を飲ませて、すぐに受診しましょう。 | 牛乳 |
生石灰(乾燥剤) | ★★★ | 水に触れると熱を発して口の中や食道の粘膜を火傷します。牛乳を飲ませて、吐かせずに、受診しましょう。 | 牛乳 |
洗浄剤 (トイレ、排水パイプ用) | ★★★ | 酸性、アルカリ性洗剤を飲み込んだ場合、口、食道、胃などの粘膜がただれます。原液や濃厚なものを少しでも口に入れた場合には、吐かせずに、牛乳を飲ませて、すぐに受診しましょう。 | 牛乳 |
液体蚊取り | ★★★ | 石油系の溶剤が含まれていて、誤って気管にはいってしまうと、化学性の肺炎をおこします。吐かせずに、受診しましょう。 | 飲ませない |
1)公益財団法人 日本 .情報センター 中毒事故の問い合わせが多い家庭内の化学製品. https://www.j-poison-ic.jp/general-public/response-to-a-poisoning-accident/chemical-products/#i-41. (2021/9/10参照)