令和8年3月3日
東京高等裁判所 民事部 御中
別紙当事者目録記載のとおり
衆議院議員選挙無効請求事件
訴訟物の価額 金160万円
貼用印紙額 金1万7000円
1 令和8年2月8日に行われた第51回衆議院議員総選挙のうち、東京都第17区における選挙を無効とする。
2 令和8年2月8日に行われた衆議院(比例代表選出)議員選挙のうち、東京都選挙区(東京ブロック)における選挙を無効とする。
3 訴訟費用は被告らの負担とする。
との判決を求める。
(1) 原告は、東京都葛飾区に住所を有し、本件選挙において東京都第17区および比例代表東京ブロックの選挙権を有する選挙人である。 (2) 被告東京都選挙管理委員会(代表者:澤野正明)および被告中央選挙管理会(代表者:古屋正隆)は、本件選挙の管理執行を司る機関である。
⑴ 違法判断の対象 選挙無効の訴えにおいて判断されるべき対象は、特定の選挙区、開票区又は投票区における集合行為(選挙管理執行に関する一連の行為)としての選挙全体の効力である。本件訴訟で判断されるべき対象は、東京都第17区(葛飾区等)において被告らが実施した本件選挙の管理執行であるところ、選挙管理執行に関する一連の行為のうち、投票、不在者投票、開票およびこれらに付随する一切の管理事務に当たる。
⑵ 「選挙の規定に違反することがあるとき」
ア 要件の解釈 本要件は「主として選挙管理の任にある機関が選挙の管理執行の手続に関する明文の規定に違反することがあるとき又は直接そのような明文の規定は存在しないが選挙の基本理念である選挙の自由公正の原則が著しく阻害されるとき」をいうものと解されている(最高裁平成26年(行ツ)第96号等参照)。 ①にいう「明文の規定」には、公職選挙法だけでなく、同法施行規則、同法施行令が含まれる。 (肯定例)不在者投票・代理投票の管理の違法。 (否定例)選挙人の違法行為(なりすまし等。ただし当選争訟理由にはなる)。 投票人数と投票総数との不一致や二重投票であっても、選挙管理執行機関の手続規定違反がない限り、単に潜在的無効投票として当選争訟の理由たり得るに過ぎない(『逐条解説公職選挙法(下)』(ぎょうせい、平成21年)1632頁)。 ②にいう「選挙の基本理念である選挙の自由公正の原則が著しく阻害されるとき」 ①と異なり抽象的であるが、原告は選管の問題行為がなぜこの原則を著しく阻害するかを説明する。
イ 本件が本要件を満たすこと(具体的違反事実と公職選挙法抵触箇所の明示)
本件選挙において、管理執行機関による以下のような多層的な規定違反・不正が行われた。これらは被告らが、戦後最短の「16日間」という日程強行に起因する物理的破綻を認識しながら(甲3)、あえて不備を放置(甲6)し、かつ組織的に隠蔽(甲7)した結果である。 全国各地で発生した以下の具体的違法事象は、本件選挙の管理執行体制全体に内在する「構造的瑕疵」を証明する状況証拠であり、同一の被告らおよび同一の破綻したシステムの下で執行された「東京17区および東京ブロック」においても、同様の規定違反が必然的に発生していたことを立証するものである。
【管理体制の不備による投票機会の剥奪 ― 公選法第31条、第40条、第45条、第48条の2、第49条違反】 被告らの監督不届きにより、全国的に参政権が直接侵害された。これは東京17区においても潜在する選管の管理能力喪失を立証するものである。
★ 誤記による無効票の発生(公職選挙法第68条第1項第5号違反)
【公職選挙法第68条第1項(無効投票)】 「次の各号のいずれかに該当する投票は、無効とする。」 第5号:「候補者の氏名のほか、他事(たじ)を記載したもの。……」 ※選管の誤掲示を信じて記載した有権者の票が、結果として「他事記載」や「誰を指すか特定できない票」として無効化された。これは、法第175条の義務不履行が、法第68条による無効票を不当に創出したものであり、選管による参政権の直接的な破壊である。
【人為的な開票ミスおよび組織的な不法投票の放置 ― 公選法第46条第4項、第66条第2項、第237条、第252条違反】
【公職選挙法第237条第1項(詐偽投票罪)】 「氏名を詐称しその他詐偽の方法をもつて投票し又は投票しようとした者は、二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。」
【公職選挙法第252条(選挙犯罪による選挙権及び被選挙権の停止)】 ※本条により、237条違反者は選挙権・被選挙権が停止・剥奪されるという極めて重大な不利益を被る。
被告らは、このような重罰が規定されている重大な選挙犯罪(二重投票・なりすまし)を未然に防ぐべき照合義務を負いながら、墨田区、新宿区、大田区、愛知県、熊本県等において、これらを常態的に看過した。これは管理執行機関としての注意義務を著しく欠くものである。
これら「2年以下の禁錮」に相当する犯罪が、被告らの管理下で容易に行われ、かつ開票段階(公選法第66条第2項の混同点検)でも排除されなかった事実は、本件選挙全体の正当性を根本から否定するものである。
【公職選挙法第66条(開票)】 第1項:「開票管理者は、開票立会人立会の上、投票箱を開き、先ず第50条第3項及び第5項の規定による投票を調査し、開票立会人の意見を聴き、その投票を受理するかどうかを決定しなければならない。」 第2項:「開票管理者は、開票立会人とともに、当該選挙における各投票所及び期日前投票所の投票を開票区ごとに混同して、投票を点検しなければならない。」 第3項:「投票の点検が終わつたときは、開票管理者は、直ちにその結果を選挙長(……)に報告しなければならない。」 【公職選挙法第70条(開票録の作成)】 「開票管理者は、開票録を作り、開票に関する次第を記載し、開票立会人とともに、これに署名しなければならない。」 ※兵庫県西宮市の118票過多、京都府の500票ミス等は、法第66条第2項が定める「混同点検」の過程で致命的な計数ミスが生じているにもかかわらず、同条第1項の「受理決定」の不備や、同条第3項の「直ちに行うべき報告」の正確性を著しく欠いた結果である。これらは、法第70条が定める「開票に関する次第」を正しく開票録に反映・解消しなかった重層的な規定違反を立証するものである。
【異常な無効票数と組織的犯罪体質 ― 公選法第68条、第228条違反】
【日本国憲法第14条第1項】:「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」 【公選法第13条第1項(選挙区)】:「衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区は、別表第一に掲げる区域とする。」 ※最大2.1倍に達する格差を放置したまま本件選挙を執行したことは、憲法が保障する投票価値の平等に反し、法第13条が予定する適正な区割りの範囲を逸脱した「規定違反」である。
【その他の規定違反・不当誘導による自由公正の阻害 ― 公選法第1条、第68条、第86条の4違反】
【監視能力の喪失 ― 公選法第221条第1項違反】
⑶ 「選挙の結果に異動を及ぼす虞がある場合」 ア 要件解釈 「当落に現実に生じたところと異った結果の生ずる可能性のある場合」をいう(最高裁昭和29(オ)153号)。
イ 本件が本要件を満たすこと(構造的欠陥による影響の必然性) 本件選挙は、被告らという同一の管理主体による「構造的な管理崩壊」の下で執行された。隣接区の大田区等で発覚した組織的票操作(甲7)や、全国各地での集計ミス(甲3)という事実は、東京都第17区(葛飾区等)および比例代表東京ブロックにおいても同等の瑕疵が発生していたことを合理的に推認させる。 特に葛飾区においては、過去に判定精度の限界から「1票差」で当落が覆った実績があり(甲2)、これらの構造的瑕疵が本件選挙区の当落結果に異動を及ぼす虞があることは、単なる可能性を超えた蓋然性として認められる。
別途提出の「証拠説明書」に記載の通り。
1 訴状副本 2通 1 別紙当事者目録 1通
1 甲第1号証:衆院選2026「格差2.10倍」報道記事
2 甲第2号証:2017年葛飾区議選「1票差」逆転勝訴の記録
3 甲第3号証:全国の管理不備(二重投票等)報道集
4 甲第4号証:デルパラ事件「組織的買収」判決報道
5 甲第5号証:世田谷区「名簿誤送付」報道
6 甲第6号証:大田区「システム不備放置」報道
7 甲第7号証:大田区職員書類送検「票操作の指南」報道
原告:門脇 翔平 (東京都葛飾区、、、、、)
被告:東京都選挙管理委員会 (所在地:東京都新宿区西新宿二丁目8番1号) 代表者委員長 澤野 正明
被告:中央選挙管理会 (所在地:東京都千代田区霞が関二丁目1番2号) 代表者委員長 古屋 正隆