天(アメ)の部(タグヒ)に用うべきことば

天部,○朝日子(アサヒコ),○催 朝日也。,

天部,○夕影(ユフカゲ),○万 夕陽也。,

天部,○入りかたの日かげさやかにさしたるに,○源,

天部,○影よわたりたる夕日のさすがに何心もなうさし来たるに,○源,

天部,○空は墨をすりたるやうにて日もくれにけり,○源,

天部,○月人壮(ツキヒトヲトコ),○万 月也。月読とも。,

天部,○夕星(ユウヅゝ),○万 暮の明星也。,

天部,○月夜射之(ツキヨザシ),○万 月影也。,

天部,○宇能花月夜(ウノハナツキヨ),○万 白荊花月夜(ウノハナツキヨ)也。二説有。一ニハ、其花の色を月と見る。一ニハ、その花の頃の月夜。,

天部,○山葉左佐良得榎壮子(ヤマノハノサゝラエヲトコ),○万 是も月をいへる也。しかれどもあまのはらとわたる光りとつゞけてよく月と聞ゆ。此意に用ゐなすべし。左佐良榎壮子(サゝラエヲトコ)は小吉男也(サゝラエヲトコ)。又天(アメ)なるやさゝらの小野とよめるものをのこといひかけたるなり。,

天部,○川風吹あはせておもしろきに月高くさしのぼり,○源,

天部,○夜ふけゆくけはひひやゝかにふしまちの月はつかにさし出たるけはひ心もとなしや,○源 十九夜の月也。,

天部,○くまなき月影ひまおほかる板屋のこりなくもり来て,○源,

天部,○廿日の月さし出るほどに,○源,

雲霧の類

雲霧部,○旗雲(ハタクモ),○万 広ごりたる雲也。,

雲霧部,○居雲(ヰルクモ),○万 動かざる雲也。○伊ニたちゐる雲やまずとあるは動くさまなり。,

雲霧部,○登能雲入(トノグモイリ),○万 多奈雲入(タナグモリ)とも。たなびきくもりの略。なべてくもりたるを云。,

雲霧部,○天雲乎富呂尓布美安多之鳴神毛(アマクモヲホロニフミアタシナルカミモ),○万 富呂(ホロ)は響をいふ。安多之(アタシ)はわたしなり。,

雲霧部,○霹靂(カントゲ),○和名 加美止介(カミトケ)。いかづち。いなびかり。ともに古語也。,

風雨の類

風雨部,○東風(アユノカゼ),○万 越の俗語に東風をいふ。,

風雨部,○時風(トキツカゼ),○万 潮時の風也。,

風雨部,○湊風(ミナトカゼ),○万 字意のごとし。,

風雨部,○初秋風(ハツアキカゼ),○万,

風雨部,○松風木高く吹おろし,○源,

風雨部,○秋風谷よりはるかに吹のぼりて,○源,

風雨部,○雲の色風の声かはり,○うつほ,

風雨部,○春雨之継而降零者(ハルサメノツギテフレゝバ),○万 つゞきて降ればなり。,

風雨部,○宇能花腐(ウノハナクタシ),○万 春さればうの花くたしともよめり。今は四五月頃の雨をいふ。,

風雨部,○雨間(アマゝ),○万 雨霽(アマバリ)とも。,

風雨部,○小雨(コサメ),○万,

風雨部,○安麻都美豆(アマツミヅ),○万 雨をいふ。,

風雨部,○氷雨(ヒサメ),○日○万○源 氷降(ヒフリ)とも。,

風雨部,○雨降いでゝ所せくもあるに笠やどりせんと,○源 所せくはせまき也。笠やどりはしばしのやどり也。,

風雨部,○風雑雨布流欲(カゼマジリアメノフルヨ),○万 欲(ヨ)は仮字。夜也。,

風雨部,○しぐれうちそゝぎて木の葉さそふ風あわたゞしう吹はらひたるに,○源,

風雨部,○あかつきがたに風すこししめりてむらさめのやうにふりいづ,○源,

風雨部,○雨のなごりの風すこし吹て花のにほひなつかしきに,○源,

風雨部,○沫雪(アワユキ),○万 唯雪のこと也。春降雪とおぼえたるは誤也。,

風雨部,○雪かきたれいみじう降ける,○源,

風雨部,○雪こぼすがごとくふりて,○伊,

風雨部,○雪高う降る日,○うつほ,

風雨部,○ほの%\と明ゆくに雪やゝちりてそゞろさむきに,○源,

地(ツチ)の部(タグヒ)に用うることば

地部,○久奴知(クヌチ),○万 国内。,

地部,○他国(ヒトノクニ),○万○伊,

地部,○日縦(ヒノタテ),○日○万 東西。,

地部,○日横(ヒノヨコ),○日 南北。○万 日緯とも。,

地部,○影面(カゲトモ),○日○万 山陽(ヤマノミナミ)を云。,

地部,○背面(ソトモ),○日○万 山陰(ヤマノキタ)を云。,

地部,○丘墓(オクツキ),○万 おきつきとも。,

地部,○馬場(ウマバ),○延喜○源,

地部,○地震(ナヒフル),○日,

地部,○はかなき石のたゝずまひも唯絵にかいたらんやう也,○源,

地部,○月のくもりなくすみまさりてうす雪すこし降れる庭のえならぬに,○源,

山の類

山部,○金山舌日(アキヤマノシタビ),○万 舌日は仮字。下乾(シタビ)也。秋山の色づきしなべるさま也。,

山部,○山乃頭可佐(ヤマノツカサ),○万  山の高き所。野豆可佐(ノヅカサ)とも。,

山部,○山乃可比(ヤマノカヒ),○万 山の間なり。○古今,

山部,○大峡小峡(オホカヒコガヒ),○拾遺,

山部,○山之曽寸(ヤマノソキ),○万 曽寸は底也。そこは限にて、山の竟(ハテ)也。そきべ共野の曽寸とも。,

山部,○山之本辺(ヤマノモトベ),○万,

山部,○末辺(スヱベ),○万,

山部,○須蘇廻(スソワ),○万 ふもと也。,

山部,○師付田居(シヅクノタヰ),○万 しづくは麓也。田居はゐなか也。,

山部,○千重山(チヘヤマ),○万 百重山(モゝヘヤマ)五百重山(イヲヘヤマ)。○源ニハ,

山部,○一隔山(ヒトヘヤマ),○万 山の名にあらず。唯一重の山なり。,

山部,○多知夜麻(タチヤマ),○万 越中の立山也。,

山部,○尓比多夜麻(ニヒタヤマ),○万 上毛の新田山也。,

火の類

火部,○火燼(モエクヒ),○日,

火部,○手火(タビ),○万 たいまつ也。○伊ニついまつの炭とあるは松明(タイマツ)の炭にて、今の焼筆などにあてゝ書べし。挑燈などの手火(タビ)なす物とか、ついまつやうの物とか書べし。○源ニかゞり火の所に打松と書り。又紙燭とあるは今も有。けそくは燭台の類也。,

火部,○蚊火(カビ),○万 鹿をおどす火。又蚊を逐(オ)ふ火とも。,

火部,○野火(ノビ),○万 春野をやく火。,

火部,○{火+赤}炭(オコシズミ),○日,

水の類,船の類 橋の類,

水部,○明之門(アカシノト),○万 明石也。門(ト)は海中に山両(フタツ)ある間をいふ。俗これを瀬戸と云。明石にかぎらず何々の門(ト)と書べし。鳴門(ナルト)など云類也。○万ニ川門(カハト)ともよめり。,

水部,○奥浪辺波(オキツナミヘツナミ),○万 へつなみは磯の浪也。,

水部,○宇頭之保(ウヅシホ),○万 渦(ウヅ)なり。,

水部,○海水(ウナヅ),○古 字意のごとし。,

水部,○海辺(ウナバタ),○日○古 うなべた共海備とも。びべ相通ず。,

水部,○宇良末(ウラマ),○万 浦間也。浦備(ウラビ)とも。,

水部,○青淵(アヲフチ),○万 碧潭也。,

水部,○岩垣淵(イハカキフチ),○万 岩下の渕也。,

水部,○許母利奴(コモリヌ),○万 陰地の沼(ヌマ)也。,

水部,○清隅之池(キヨスミノイケ),○万 地名にあらず。清澄(キヨクスム)池なり。,

水部,○{水+瓜}(カハマタ),○日 水{水+瓜}(ミマタ)とも。川の分るゝ所也。,

水部,○始水逝(ミヅハナ),○万 出水也。,

水部,○宇須良婢(ウスラヒ),○万 薄氷也。,

水部,○水乎妣吉(ミヲヒキ),○万 水をひく也。,

水部,○水脈(ミナチ),○延喜 水すぢ也。,

水部,○水城(ミヅキ),○日 大堤ヲ築テ水ヲ貯フ名テ水城(ミヅキ)ト曰フ。今の溜池などの類也。,

水部,○波奈利蘇(ハナリソ),○万 はなれ磯なり。,

水部,○水瀬川(ミナセガハ),○万 瀬は仮字。水無(ミナセ)川也。,

水部,○わたし川,○うつほ 渡り川也。,

水部,○{慈+鳥}{顱-頁+鳥}川(ウカハ),○万 うかひ川なり。,

水部,○垂水(タルミ),○万 飛瀧(タキ)也。,

水部,○石井(イハヰ),○万 石中の清水也。山の井とも。,

水部,○三沫(ミナワ),○万 水の沫也。三は仮字也。,

水部,○真木流(マキナガス),○万 材木を流す也。,

水部,○石橋(イハハシ),○万 字意のごとし。,

水部,○打橋(ウチハシ),○万 橋柱なくて打わたせる橋也。,

水部,○橋のつめ,○催 橋の際なり。,

水部,○池めいてくぼまり水つける所あり,○土佐 池めくは池のやうと云がごとし。,

水部,○やり水の音まさるべき岩をたてくはへ,○源,

水部,○水のひゞきなどあはれも過てものおそろしく心ぼそき所のさま也,○源,

水部,○泉の面にをかしきほどのいはほたてり,○うつほ,

水部,○ありあけの月すみのぼりて水の面もくもりなきに,○源,

水部,○可之布流(カシフル),○万 {木+厥}(クヒ)をうち船を繋ぐ也。かしふりたてゝ共よめり。,

水部,○梁(ヤナ)ヲ打(ウツ),○日 梁此ヲ揶奈(ヤナ)ト云フ。,

水部,○船並而(フネナベテ),○万 船ならべて也。,

水部,○船浮而(フネウケテ),○万,

水部,○船泊(フネハテル),○万 船をかけてやどる也。,

水部,○二楫貫(マカヂヌキ),○万 今の柁(カヂ)にあらず。今の櫓(ロ)なり。貫(ヌキ)とは漕ぐをいふ。船の左右にあるゆえ二楫(マカヂ)といふ。,

水部,○二楫之自貫(マカヂシゞヌキ),○万 之自(シゞ)とはしげきをいふ。,

水部,○諍{手+旁}入来(キソヒコギリク),○万 船をあらそひ漕入来る也。,

水部,○奥幣往辺去(オキベユキヘユキ),○万 瀛辺行磯行(オキベユキイソユク)也。,

水部,○志富夫祢(シホブネ),○万 海船也。川船などいふがごとし。,

水部,○朱乃曽保船(アケノソボフネ),○万 曽保(ソホ)は古の詞に赤きを曽(ソ)といへり。保(ホ)は穂の心にてあらはれたるをいふ詞。船を朱に塗るは海神を恐れしむるため也。,

水部,○棚無小船(タナナシヲブネ),○万 船のへりに潮除したるが棚也。其なきを云。,

水部,○曳舟(ヒクフネ),○万,

水部,○母盧紀舟(モロキフネ),○日 小船なり。,

水部,○蘆別小船(アシワケヲフネ),○万,

水部,○布那可射里(フナカザリ),○万 船飾(フナカザリ)也。,

水部,○布余与曽比(フナヨソヒ),○万 出船のさま也。,

道路田地の類

道路部,○狭国(サクニ),○延喜 せまきくになり。,

道路部,○峻国(スルドキクニ),○延喜 山ぐに也。,

道路部,○八十衢(ヤソノチマタ),○万 都会(トクハイ)の地也。,

道路部,○河内(カウチ),○万 周囲(メグリ)に川ある処。,

道路部,○路乃長手(ミチノナガテ),○万 長途也。,

道路部,○路乃久麻尾(ミチノクマビ),○万 隈辺(クマベ)也。,

道路部,○数十里(アマタサト),○日,

道路部,○田十町(タトゝコロ),○日,

道路部,○田庄(タトコロ),○日,

道路部,○新懇(ニヒバリ),○万 ○日 新田也。,

道路部,○打田(ウツタ),○万 耕なり。,

道路部,○鹿田禁(シゝダモル),○万 猪のあらす田を守る也。,

道路部,○猟路(カリヂ),○万 猟場也。,

道路部,○標野(シメノ),○万 標野(シメノ)山とも。今は禁制の場。しめるの詞は戸を〆る、門を〆るの類にて固(カタ)めしむるの意也。,

季候時刻の類

季候部,○朝開(アサケ),○万 開は仮名。朝影也。○古二阿佐計由布計(アサユフケ)と有、是也。,

季候部,○昨日(キゾ),○万,

季候部,○昨夜(ヨフベ),○万 ○土佐ニよんべとも。,

季候部,○乎得都日(ヲトツヒ),○万 一昨日也。,

季候部,○安可登吉(アカトキ),○万 暁なり。,

季候部,○阿加等伎乃加波多例等伎(アカトキノカハタレドキ),○万 かはたれは彼は誰とわかるによりて暁の詞也。たそかれは誰彼とわからぬゆゑ黄昏の詞なり。,

季候部,○阿佐奈佐奈(アサナサナ),○万 朝な/\也。,

季候部,○欲和多之(ヨワタシ),○万 夜わたし、夜明かし也。,

季候部,○三更(ヨナカ),○万 ,

季候部,○夜半一(ネヒトツ),○伊 昔は一刻を三ツに割て何の一ツ、何の二ツといへり。丑三ツとは八ツ半過也。,

季候部,○夕片設而(ユフカタマケテ),○万 暮かけて也。,

季候部,○闇夜(ヤミヨ),○万 ,

季候部,○昼波日乃久流留麻弖夜者夜之明流寸食(ヒルハヒノクルルマデヨルハヨノアクルキハミ),○万 終日終夜也。,

季候部,○夜隠(ヨゴモリ),○万 夜をこめるてふ詞。,

季候部,○年毎(トシノハ),○万 年ごと也。,

季候部,○春者張乍秋者散落(ハルハハリツゝアキハチリオツ),○万 張(ハル)は芽はる也。,

季候部,○熱尓汗可伎奈気(アツケキニアセカキナグ),○万 かきなげは掻投(カキナグ)にてなぐり捨るなり。,

季候部,○秋風之立来時(アキカゼノタチクルトキ),○万,

季候部,○秋附(アキヅク),○万 秋の景色になるをいふ。,

季候部,○波吉吉欲米(ハキキヨメ),○万 掃清(ハキキヨメ)也。,

季候部,○守時鼓(トキモリノツゞミ),○万 今の刻(トキ)の太鼓也。,

人(ヒト)の部(タグヒ)に用うべきことば

人部,○東宮(ミコノミヤ),○日 ○延喜,

人部,○大夫(マチギミ),○日 まうちぎみ也。太政太臣はおほいまちぎみ。,

人部,○侍医(オモトクスシ),○日 典薬(テンヤク)なり。,

人部,○学生(フンワラハ),○日 書生也。,

人部,○豪傑(イサオシビト),○日,

人部,○英俊(トキヒト),○日,

人部,○入道人(オコナヒビト),○日,

人部,○大丈夫(マスラヲ),○日 ○万 物にまされる人をいふ。,

人部,○弓雄(ユミヲ),○万 射人(ユミイルヒト)也。,

人部,○游士(ミヤビビト),○万 風流人(ミヤビビト)也。,

人部,○安豆麻乎能故(アズマヲノコ),○万 乎登古とも。あづまをとこは昔より勇気あることによめり。,

人部,○難波乎等古(ナニハヲトコ),○万,

人部,○侫人(ネヂケビト),○万,

人部,○直人(ナヲヒト),○伊 平人也。,

人部,○坐上(クラカミ),○日 上客をさして書り。上坐ばかりにもつかふ。,

人部,○防人(サキモリ),○日○万 今の所々へ奉行に向ふ人也。,

人部,○新防人(ニヒサキモリ),○万 始て奉行にむかふ人也。,

人部,○塊師(ヒトゴノカミ),○日 郡県の主也。今の地頭にあたる。,

人部,○戎(ムケモリ),○日 むけは任(ムケ)也。遠き国の役所を掌(ツカサドリ)て夷を防ぐをいふ。,

人部,○従駕(ミトモ),○日 供奉(グブ)也。,

人部,○男丁(ヨボロ),○万 今の仕丁をいふ。,

人部,○駅使(ハイマツカヒ),○日,

人部,○{水+泥+土}部(ハセツカヒ),○日 いづれも飛脚也。,

人部,○慥使(タシカナルツカヒ),○万ニ恋によめり。たしかなるつかひをなしとわがこころちかひにやりしゆめに見えきや。,

人部,○今良(イマゝヰリ),○延喜 新参なり。,

人部,○家子(イヘノコ),○万 家臣の長也。,

人部,○騎(ウマイクサ),○日 今の騎馬の士也。馬軍也。,

人部,○歩兵(カチイクサ),○日,

人部,○役者(ツカヘヲ),○日 夫(ブ)にとらるゝ者なり。役(エヨロボ)とも。,

人部,○運脚(ハコブヨボロ),○延喜 今いふ人足のたぐひ也。,

人部,○馬子(ウマゴ),○延喜 今云馬士(マゴ)也。,

人部,○{有+龍}(クトリ),○延喜 口取也。今云唯口取の詞を借りて下ざまにもつかふべし。,

人部,○八多篭良(ヤタコラ),○万 奴等(ヤツコラ)也。やつといふ詞は○竹取ニかぐや姫てふ大盗人のやつと有。○源ニことにもあらぬやつともあり。,

人部,○楚取五十戸長(シモトゝルイヘヲサ),○万 今の村名主などにあたる。,

人部,○負倩者(カヒオヘルモノ),○日 不納したる者也。,

人部,○出家人毛白衣毛(イヘデノヒトモシラギヌモ),○日○続 俗人(シラギヌ)とも。,

人部,○路行人(ミチユキビト),○万,

人部,○夕まぐれ人のまよひに,○源 人のまぎれ也。,

人部,○火あかうともして物いふ人三たり四たりゐたり,○源,

人部,○親簇(ウカラ),○万 うからやからとも。,

人部,○意毛知知(オモチゝ),○万 母父也。,

人部,○郎女(イラツメ),○万,家の女也。

人部,○阿母刀自(アモトジ),○万 内をつかさどる女を刀自と称す。,

人部,○大兄(オヒネ),○日,

人部,○一母同産(ハラカラ),○日,

人部,○長男(エコ),○拾遺 嫡也。,

人部,○{手+夜}子(ワキゴ),○拾遺 寵愛の子也。脇ばさみ居る子なれば也。,

人部,○兄子(イロネノコ),○日,

人部,○弟子(イロトノコ),○日 いずれも甥也。姪にも。,

人部,○愛子(マナゴ),○万 子息也。,

人部,○曽孫(ヒゝコ),○日,

人部,○玄孫(ヤシハゴ),○日,

人部,○{商+衣},○日 ○拾遺 苗裔也。,

人部,○異腹(コトハラ),○日 ○源,

人部,○庶兄(アラメイロネ),○古 異腹の兄なり。,

人部,○嫂(オホヨメ),○日,

人部,○吾妹(ワギモ),○万 我妻を云。人の妻をもよみたる哥あり。,

人部,○宇波那里(ウハナリ),○古○大和 後妻也。,

人部,○古那美(コナミ),○古○大和 先妻也。,

人部,○前夫(シタヲ),○和名 之多乎(シタヲ)一云毛止乃乎止古(モトノヲトコ),

人部,○妾(ヲンナメ),○古○和名 乎無奈女(ヲンナメ)。小妻なり。,

人部,○をんな子,○土佐 むすめの事をいへり。,

人部,○乳母(オモ),○万,

人部,○若子(ワクゴ),○万 少年也。○うつほニわかごぎみと有。,

人部,○そのあかつきをとこにて生れ給ふ,○源 誕生也。女君にてなど取なして書べし。,

人部,○山里の古女はら也,○源 老女共也。,

人部,○作金者(カナダクミ),○日 鋳物師なり。,

人部,○作玉者(タマスリ),○日,

人部,○木工(コダクミ),○日 大工也。○万ニハ飛弾人(ヒダビト)とも。,

人部,○鍛治(カダシ),○日,

人部,○陶人(スヱビト),○日 瀬戸物の類をやく人なり。,

人部,○縫女(ヌヒメ),○日 今の物縫女也。,

人部,○船君(フナギミ),○土佐 船を借り切たる主をさしてかけり。,

人部,○海子(アマコ),○万 漁夫。,

人部,○網子(アゴ),○万 網曳人(アミヒクヒト)をいふ。,

人部,○阿自呂人(アジロビト),○万 魚断守(アジロモリ)なり。,

人部,○潜女(カヅキメ),○和名 加豆岐女(カヅキメ)。女の泉郎(アマ)也。,

人部,○玉主(タマモリ),○万 玉預り也。是等の詞の例に准ひ今の鍵主(カギモリ)など書べし。金奉行など金守(カナモリ)とも書べし。米守館守(タチモリ)すべて此詞の類取なして書べし。○源ニ院守宿守など有。又御の詞をつけてあがむる事にもつかふべし。守の字同意也。,

人部,○御殿守(ミアラカモリ),○延喜,

人部,○御蔵守(ミクラモリ),○延喜,

人部,○門守(カドモリ),○延喜,

人部,○道守(ミチモリ),○万 又関守ともよめり。,

人部,○守橋(ハシモリ),○日,

人部,○和多理母理(ワタリモリ),○万 渡守也。○伊源ニハわたし守と有。,

人部,○山守(ヤマモリ),○日○万,

人部,○島守(シマモリ),○万,

人部,○囚人(トラヘヒト),○和名 止良倍比止(トラヘヒト)。罪人也。,

支體の類

支體部,○面輪(オモワ),○万 おもてなり。,

支體部,○麻奈迦比(マナガヒ),○万 眼間也。,

支體部,○束髪於額(ヒタヒヲヒサゴバナニス),○日 注ニ年少十五六ノ間額ヲ束髪(ヒサゴバナニナス)。十七八ノ間分テ角(マキ)偽(アゲ)。髪の形匏(ヒサゴ)の花に似たるをもていふ。又束髪の字をもて今撫つけを束髪(ツカゞミ)とも又束結(ツカユヒ)とも書べし。,

支體部,○髫髪(ウナヰ),○和名 宇奈為(ウナヰ)○万○土佐ニモ童子の垂髪也。,

支體部,○紅顔(サニツラフ),○万 容貌のことにつかふ。又紅顔紅葉(サニツラフモミヂ)共つゞけたり。,

支體部,○胸坂(ムナサカ),○古 高胸坂と有。,

支體部,○弱肩(ヨワガヒナ),○日 今いふ二の腕也。,

支體部,○腕(タゞムキ),○和名 太々無岐(タゞムキ)又宇天(ウデ)。,

支體部,○指(オヨビ),○和名 手指也。由比(ユビ)俗云於与比(オヨビ)。,

支體部,○拇(オホオヨビ),○和名 於保於与比(オホオヨビ)。,

支體部,○食指(ヒトサシノオユビ),○和名 比止佐之乃指(ヒトサシノオヨビ),

支體部,○中指(ナカノオヨビ),○和名  奈加乃於与比(ナカノオヨビ)。,

支體部,○無名指(ナゝシノオヨビ),○和名 奈奈之乃指(ナゝシノオヨビ),

支體部,○季指(コオヨビ),○和名 古於与比(コオヨビ),

支體部,○可加流我手(カゞルワガテ),○万 皹(カゞル)我手。あかゞりのきれたる我手也。,

支體部,○あかゞり踏な後(シリ)なる子我も目はありさきなの,○催,

支體部,○老舌(オイジタ),○万 歯落て舌の先の出るを云。百年尓老舌出而与余牟友(モゝトセニオイジタイデゝヨゝムトモ)とよめり。よゝむはゑむ也。,

支體部,○黒髪尓白髪交至耆(クロカミニシラカミマジリオイタレド),○万 白髪(シラゲ)てとも。,

支體部,○血の涙をながす,○うつほ○伊などを始めすべておほし。,

支體部,○見津礼(ミツレ),○万 身やつれの略語也。,

支體部,○咲{人+舞},○万 まひの反切ミ也。ゑみ也。,

支體部,○人魂乃佐青有(ヒトタマノサヲナル),○万 まさをなる也。,

支體部,○鼻1{田+比}之{田+比}之(ハナビシビシ),○万 鼻水の鳴る音。,

支體部,○わらはやみ,○源 瘧(ぎやく)なり。,

支體部,○ふびやう,○源 腹病也。,

支體部,○疾疫(エヤミ),○日 えのやまひ共。,

支體部,○着月経(ツキツケリ),○古 月水也。○うつほニいつよりか御けがれはとまりたまふなども書り。,

支體部,○愈磨理(ユマリ),○日 小便也。,

支體部,○倶蘇摩屡(クゾマル),○日 大便也。○落くぼニくぞのいとおほかるうへ。○ひりかけしなど書り。○万ニ倶蘇鮒(クゾブナ)など有。,

衣の類

衣部,○蘇泥都気其呂母(ソデツケゴロモ),○万 官服也。,

衣部,○緋衣(アケノコロモ),○続,

衣部,○呉藍之八塩之衣(クレナキノヤシホノコロモ),○万 紅衣也。しほの反切そ也。そは上にいふごとく赤きを云。八塩はいやそ也。,

衣部,○狭織之帯(サオリノオビ),○万 細紋の帯也。さおりのころもとも書べし。,

衣部,○蚊屋衣(カヤギヌ),○日 うすもの也。今の蚊屋の詞出所あり。,

衣部,○貲布(サヨミ),○延喜 今云さいみ也。,

衣部,○喪衣(アサゴロモ),○日○万 あらたへのふぢ衣とつゞけり。又あさ衣は無文の賎き服也。喪服の外にもあさ衣とよめり。,

衣部,○女手末之調(ヲミナハタナスヱノミツギ),○日 女切のうへに出る調(ミツギ)也。,

衣部,○一重衣(ヒトヘゴロモ),○万,

衣部,○奈礼衣(ナレゴロモ),○万 着ならし衣也。,

衣部,○解洗衣(トキアラヒゴロモ),○万 洗濯物也。○大和ニハあらはひものとも。,

衣部,○解衣(トキギヌ),○万 ほどきたる絹なり。,

衣部,○沾衣(ヌレギヌ),○万 あぶりほす人もあればやぬれぎぬのなどつゞけたり。,

衣部,○左良須{氏+一}豆久利(サラステヅクリ),○万 曝す手作り也。○延喜等に紵の字調布の字を用う。今いふ荒布也。外ニさらしの詞有。,

衣部,○布可多衣乃美留乃其等(ヌノカタギヌノミルノゴト),○万 布肩衣の海松のごとくやぶれたる也。,

衣部,○古衣(フルゴロモ),○万,

衣部,○裘(カハギヌ),○万○竹取ニハ火鼠のかはぎぬと有。○源ニハふるきのかはぎぬ。○和名 古(フルキ)黒貂東北ノ夷ヨリ出。,

衣部,○間乱(マヨヒ),○万 あさごろも肩のまよひとつゞけたり。又衣のまよひとも書べし。まよひは衣の綻びやぶれたる也。,

衣部,○麻蘇{泥+土}毛知(マソデモチ),○万 両袖もち也。,

衣部,○麻被(アサブスマ),○万,

衣部,○麻太良夫須麻(マダラブスマ),○万 斑衾(マダラブスマ)也雑色の衾也,

衣部,○烝被(ムシブスマ),○万 あたゝめし被(フスマ)也。,

衣部,○内衣(ユカタビラ),○和名 由加太比良(ユカタビラ)。沐浴衣也。,

衣部,○湯巾(ユタナゴヒ),○延喜,

衣部,○手巾(タナゴヒ),○延喜,

衣部,○犢鼻褌(タフサギ),○日○万 またふさぎ也。今はふどし。,

衣部,○絲二{糸+句}(イトフタクリ),○延喜,

衣部,○吾以在三相二槎流糸用而(ワガモタルミツアヒニヨレルイトモチテ),○万 三相は三ツ組也。,

衣部,○脚帯(アユヒ),○日○万 今の脚半にあたる。,

衣部,○山風ふせぎつべき綿衣などつかはしゝをおぼし出て,○源 今いふわたご也。,

食類(メスタグヒ)

食部,○黒紀白紀能御酒(クロキシロキノミキ),○祝詞○万ニハ黒酒白酒の字也。黒酒は清酒なり。,

食部,○醸酒(サケヲカム),○古 かみす共かをすとも。造酒也。,

食部,○糟湯酒(カスユザケ),○万,

食部,○濁酒(ニゴレルサケ),○万,

食部,○一杯(ヒトツキ),○万一つきの酒などあり。,

食部,○酒をたうべてたべ酔て,○催,

食部,○みさかなに何よけむ,○催 御肴に何かよからんといふなり。,

食部,○塩さかなにて酒をのませ,○大和,

食部,○筍尓盛飯(ケニモルイヒ),○万 笥(ケ)は今の椀の類。○伊ニ{食+氣}子(ケコ)の器に盛るとあるは組椀の類也。,

食部,○飯粒(イヒボ),○古 食つぶ也。○日ニハ粒の一字を書り。,

食部,○水飯(スイハン),○源 あつき頃に出り。今いふすいはん。,

食部,○かれいひ,○伊 乾飯(ホシイヒ)也。むかしは旅ゆく人是を貯へて持つ也。又旅づとにもたるかれいひともよめり。又餉の字。○和名 加礼比於久留(カレヒオクル)。加礼比(カレヒ)俗食ヲ以て人ニ遣ル也。,

食部,○蕎麥(ソバムギ),○和名 曽波牟岐(ソバムギ)一名久呂牟岐(クロムギ)。,

食部,○飾粽(カザリチマキ),○真名伊ニハ粧〓の字を用う。,

食部,○{米+扁}米(ヤキゴメ),○和名 夜木古米(ヤキゴメ)。やいごめとも書べし。,

食部,○菜をむしものといふ物にして,○大和 中国のことばに菜を塩おしにしたるをいふ。,

食部,○堅塩(カタジホ),○万 焼塩也。○延喜 石塩の字を用う。,

食部,○海藻一斤(メヒトハカリ),○延喜,

食部,○脯魚一斤(ホシイヲヒトハカリ),○延喜,

食部,○膓漬鰒(ワタヅケアハビ),○延喜,

食部,○東鰒(アズマアハビ),○延喜 東海に鰒の名所あり。,

食部,○雑盛(アハセモリ),○延喜 盛合せたる食物也。硯蓋やうの物はあはせもりの蓋ものとも書べし。○うつほニ蓋なる物を引よするやうにてなど食物の自由を書る所有。,

食部,○鮭氷頭(サケノヒヅ),○延喜 鮭の正字過猟魚(サケ)。

食部,○押年魚(オシアユ),○延喜○土佐 押溪鰮(オシアユ)。塩おしのあゆ也。,

食部,○煮乾年魚(ニボシノアユ),○延喜,

食部,○君にも蓮の実などやうの物出したれば,○源,

家居(イヘヰ)の類

家居部,○吾宅(ワギへ),○万,

家居部,○新室(ニヒムロ),○日○万,

家居部,○別業(ナリドコロ),○日 下屋敷なり。,

家居部,○税倉(チカラグラ),○日 年貢を収る蔵也。,

家居部,○奥床(オクトコ),万 おくの方の寝所也。,

家居部,○外床(トツドコ),○万 外の方の寝所なり。,

家居部,○帷内(ネドコロ),○日 ねはいねの上略也。ねむるの下略にあらず。○源ニ朝いともいぎたなきなど有。いはいねるの下略也。ねくたれ髪は今云寝みだれ髪也。○万ニ朝寝髪などもよめり。いねの二つともに雅俗の別有にあらず。,

家居部,○板敷(イタジキ),○伊 今いふ板だゝみ也。源ニ簀子(スノコ)と有は今の竹縁にあたる。,

家居部,○須賀多太美(スガタゝミ),○古 菅畳なり。,

家居部,○相與(クミド),○日 夫婦の寝所也。,

家居部,○夜床(ヨトコ),○万,

家居部,○浴室(ユヤ),○和名 由夜(ユヤ)。,

家居部,○真木板戸(マキノイタド),○万,

家居部,○戸腋(トワキ),○古 戸傍也。,

家居部,○戸之鈎穴(トノカギアナ),○古,

家居部,○小簾飛寸{鶏-鳥+隹}寸(ヲスノスゲキ),○万 簾の透間也。,

家居部,○二鞘之家(フタサヤノイヘ),○万 家のうちに家を造りこめたるを云。,

家居部,○袁家(ヲヤ),○古○万 小家也。,

家居部,○田廬(タブセ),○田中に仮庵をつくりて居るを云。,

家居部,○竹葉刈敷廬為有(タカバカリシキイホリセリ),○万,

家居部,○布勢伊保(フセイホ),○万 伏庵。茅屋也。,

家居部,○小家がちにむつかしきわたりの,○源 むつかしきはまぎらはしく入組たるを云。,

家居部,○食薦(スゴモ),○万○延喜 食の時敷薦也。,

家居部,○円座(ワラブタ),○和名 和良布太。○伊ニモ,

家居部,○直土藁解敷(ヒタツチニワラトキシキ),○万,

家居部,○破薦乎敷而(ヤレゴモヲシキテ),○万,

家居部,○かたへはちりばみてたゝみ所々引かへし,○源 ちりばむは塵のかゝりたる也。引かへしは畳をあげたるさま也。,

家居部,○つゞらをりのしもに小柴なれどうるはしうしわたして,○源 九折坂(ツゞラヲリ)也。こゝろありげに小柴垣したるさまを書り。,

家居部,○山にかたかけたる家なれば,○源,

家居部,○平瓰(ヒラカハラ),○日 ひらかとも。やねのかはら也。,

家居部,○壁草(カベクサ),○万 壁のすさ也。,

家居部,○鯔(ナヨシ)のかしら拘骨(ヒゝラギ),○土佐 鯔の説正しからず。今節分の事を書くに海鰮(イワシ)にあてゝ書べし。,

家居部,○券(ケン),○落くぼ 今云家の沾券也。,

家居部,○馬柵(ウマヲリ),○万 今の埒なり。,

家居部,○かすがひ,○催 家のしまり也。あづまやはかすがひも戸ざしもあらばこそなどはべる。,

家居部,○囹圄(ヒトヤ),○日○うつほ ごく所。,

家居部,○邸家(ツヤ),○和名 津屋(ツヤ)。人売ヲ停(トド)メ賃ヲ取ル処ヲ謂フベキ也。今云問屋なり。,

器の類

器部,○迦波良(カハラ),○日 甲(ヨロヒ)也。,

器部,○於比曽箭(オイソヤ),○万 負征矢(オヒソヤ)也。そやの反切さ也。矢をさと云は古語也。さをなぐる間とあるも矢也。,

器部,○弓腹(ユズヱ),○古ニ弓腹振立(ユズヱフリタテ)弓末也。○万ニ弓腹振起(ユズヱフリオコシ)。今弓枝(ユンヅヱ)といふは誤れり。,

器部,○佐都由美(サツユミ),○万 猟弓也。幸矢(サツヤ)など云。,

器部,○流矢(イタヤグシ),○日 ながれ矢なり。,

器部,○匕首(ヒモガタナ),○日○古 小剣。今の九寸五分の類。,

器部,○しろがねのめぬき,○催 昔は目釘をかくすために其上に目ぬき有り。古き軍物がたりにこがねのめぬきのつゞかむほどゞ有も目釘有をもて也。,

器部,○小角(クダ),○万 軍中の笛也。,

器部,○駅鈴(ウマヤノスゞ),○日 今道中の往来切手などにあたる。,

器部,○符(オシテブミ),○日 今印形すゑたる書キ物にあたる。○続ニ印(オシテ)共。,

器部,○副車(ヒトタマヒ),○延喜○和名 比止太万比(ヒトタマヒ)。後車也○源ニモ,

器部,○駕(オホウマ),○日 車駕(オホウマ)とも。,

器部,○志津久良(シヅクラ),○万 下鞍なり。,

器部,○口篭(クツコ),○和名 久豆古(クツコ)。馬の口をつゝむ篭也。,

器部,○斎忌(イハヒベ),○万 神酒陶(ミキトクリ)に当て書べし。,

器部,○鍋四口(ナベヨクチ),○延喜,

器部,○匏四柄(ヒサゴヨエ),○延喜 今いふひさく也。くこ相通ず。,

器部,○堝二口(ツボツキフタクチ),○延喜,

器部,○杯五口(サカツキイツクチ),○延喜,

器部,○席二枚(ムシロフタヒラ),○延喜,

器部,○韓竃四具(カラカマヨソナヘ),○延喜,

器部,○椀形三十口(モヒカタミソクチ),○延喜 椀(マリ)とも。又壷の類総てもひと唱ふ。○日ニハ玉{綯-糸}(タマモヒ)。,

器部,○陶壷二口(スヱツボフタクチ),○延喜,

器部,○槽垂袋(サカタレブクロ),○延喜,

器部,○花瓶(ハナカメ),○古今 ○源ニモ,

器部,○双六(スゴロク),○万 ○源,

器部,○笈(フミバコ),○和名 不美波古(フミバコ)。文箱也。,

器部,○指櫛(サシグシ),○万 往古は男もさせり。つま櫛はつまみ櫛にて上の方へ長き櫛也。,

器部,○須理袋(スリブクロ),○万 火うちぶくろ也。,

器部,○火打(ヒウチ),○古 火ヲ打出ス 火ヲ鑚出スなどいへり。,

器部,○燧杵(ヒウチギネ),○古 火うち也。,

器部,○左堤(サデ),○万 今のさで網(アミ)なり。,

器部,○鳥網(トアミ),○万 網取尓獲而(アミトリニトリテ)などよめり。,

器部,○鉤(チ),○日 つりばり也。,

器部,○木枕(コマクラ),○万,

器部,○黄楊枕(ツゲノマクラ),○万,

器部,○須我麻久良(スガマクラ),○万 菅枕也。,

器部,○芳理夫久路(ハリブクロ),○万 針袋也。,

器部,○篭(カタマ),○万 惣而篭を云。,

器部,○久流部寸(クルメキ),○万 糸車也。,

器部,○十寸板(ソギイタ),○万 剃板也。,

器部,○胡床(アグラ),○日○古 あがりぐらの略。腰かけ也。○竹取ニハ今の足代に当て書り。,

器部,○帳(フンダ),○拾遺 今の帳面なり。,

器部,○油笠(アブラガサ),○日 今の雨傘などに当て書べし。合羽を油ぎぬなども取なして書べし。,

器部,○{金+斧}四柄(テヲノヨエ),○延喜,

器部,○{金+色}一枚(カンナヒトヒラ),○延喜,

器部,○あじろ屏風,○源 竹にて組たる屏風也。賎が家のさまなり。,

器部,○ふところにまうけたる束みじかき筆など,○源,

恋の部(タグヒ)に用うべきことば

恋部,○嬬屋(ツマヤ),○万 閨中也。,

恋部,○裳引之姿(モビキノスガタ),○万 裳(スソ)を引きたる姿也。,

恋部,○来云似有(コチフニニタリ),○万 今の詞はてふ也。来るといふに似たりといふ詞。今何とやらん人来るべしと思ふ事を云。,

恋部,○片待(カタマチ),○万 片心にかけて待つ也。,

恋部,○立待(タチマチ),○万,

恋部,○眉根削鼻鳴(マユネカキハナヒ),○万 是は人を待つさま也。,

恋部,○陰妻(コモリヅマ),○万 隠し妻也。,

恋部,○遠{女+莫}(トホヅマ),○万,

恋部,○正目君乎相見天者(マサメニキミヲアヒミテハ),○万 まさめは目前也。,

恋部,○霊合者相宿物乎(タマアヘバアヒヌルモノヲ),○万 心さへ合へば相寝るといふことなり。,

恋部,○情具久(コゝロクゞ),○万 心くゞもりたるなり。,

恋部,○朝影尓吾身者成奴(アサカゲニワガミハナリヌ),○万 朝日の影のごとくほそり痩たる也。,

恋部,○死藻生藻同心(シニモイキモオナジコゝロ),○万 死ぬる共生る共同じ心といふなり。,

恋部,○死為物乎有物(シニスルモノニアラマセバ),○万 死なるゝものならば也。,

恋部,○寝たるやうにてうごきもし給はずなみだのみとゞまらねば,○源,

恋部,○玉梓之使(タマヅサノツカヒ),○万 今云文づかひ。,

恋部,○すこし世の中をもしり給ふけにや,○源 男女の情をもしり給ふ故にやといふ也。,

恋部,○新手枕(ニヒタマクラ),○万 新婚也。,

恋部,○手握(タニギリ),○万 ちぎり也。てにの反切(カヘシ)ち也。,

恋部,○人間(ヒトマ),○万 人の間(ヒマ)也。,

恋部,○佐用婆比(サヨバヒ),○古○万 さは発語也。妻のもとへ通う也。○源ニけさう人は世にかくれたるをこそよばひとは云なむ。,

恋部,○密通而(シノビタハケテ),○日○源ニ人ふたり見はべりしを。,

恋部,○間使(マヅカヒ),○万 男女の中のつかひとも又真の字の心にも見る。,

恋部,○遊行女婦(サブルコ),○万○源ニあそび。○大和 うかれめ。○新撰 不介留(フケル)。又太波留(タハル)。惣て遊女をいふ。,

恋部,○外心(ホカゴゝロ),○万,

恋部,○花の露にぬれたるこゝちしてそひふし給へるさま,○源,

恋部,○為軽如来細腰(スガルノゴトキコシホソ),○万 為軽は蜂の一種。,

恋部,器部,○蒭霊(クサヒトガタ),○日○万○延喜○和名 久散比与加太(クサヒトガタ)。藁人形也。,

恋部,器部,○棺(キ),○日○和名 比止岐(ヒトギ)。屍ヲ盛ル所也。今の龕(ガン)に当る。,

○旅の部(タグヒ)に用うべきことば

旅部,○発旅(ミチダチ),○日,

旅部,○発船(フナダチ),○日,

旅部,○多知能已然蘇伎(タチノイソギ),○万 旅立の急ぎをいふ也。,

旅部,○多知乃佐和伎(タチノサワギ),○万 上におなじ。,

旅部,○餞別(ウマノハナムケ),○日○伊○土佐 旅だつ時。,

旅部,○しるしらぬ送りす,○土佐,

旅部,○真多妣尓奈理奴(マタビニナリヌ),○万 真旅也。誠の旅に成しと云詞。,

旅部,○客之屋取(タビノヤドリ),○万 はたごや也。,

旅部,○伊倍加是(イヘカゼ),○万 是は古郷のかたより吹来る風也。家の風とのゝ字を入るれば、後にいへる家の風俗也。,

旅部,○山由伎(ヤマユキ),○万 山歩行(ヤマアリキ)なり。,

旅部,○汀の氷を踏ならす馬の足音さへ心細く物かなし,○源,

旅部,○浪上乎五十行左具久美盤間乎射往廻(ナミノヘヲイユキサクゞミイハノマヲイユキモトホリ),万 五十行(イユキ)はいは発語。左具久美(サグゝミ)は割(サキ)と云詞也。射往(イユキ)のいも発語也。廻(モトホリ)は戻也。

旅部,○灘を逐ふ,○土佐 船を走らす也。,

旅部,○白妙乃袖可別日手近(シロタヘノソデワカルベキヒヲチカミ),○万 別れの日も近く成をいふ。,

生る部(タグヒ)に用うべきことば

生部,○矢形尾乃鷹(ヤカタヲノタカ),○万 今いふ三斑切(ミフギリ)の類也。,

生部,○千鳥数鳴(チドリシバナク),○万 しば/\鳴也。,

生部,○田豆我音(タヅガネ),○万 鶴群(ツルムレ)也。,

生部,○鳧我音(カモガネ),○万 鳧群也。,

生部,○雁我音(カリガネ),○万 ねはむれ也。雁群をいふ。,

生部,○雁我音乃声(カリガネノコエ),○万 雁我鳴之来鳴(カリガネノキナク)共よめり。,

生部,○加万目(カマメ),万 鴎(カモメ)也。,

生部,○水鳥乎潜都都(ウヲカヅケツゝ),○万 鵜(ウ)をつかふ也。,

生部,○{慈+鳥}{顱-頁+鳥}伴篝佐之(ウカヒトモナヒカゞリサシ),○万 篝挿し也。,

生部,○鴦与高部(オシトタカベト),○万 高部は仮字。刀鴨(タカブ)。小鴨なり。,

生部,○蘆鳧(アシガモ),○万,

生部,○蘆鶴(アシタヅ),○万 共に其居所を呼ぶ名なり。,

生部,○波渚杼里(ハマスドリ),○万 浜洲鳥(ハマスドリ)なり。,

生部,○朝鴉(アサガラス),○万 今もいふ詞。,

生部,○可良須等布於保乎曽杼里(カラストフオホヲソドリ),○万 鴉(カラス)といふ大詐鳥(オホヲソドリ)。{句-口+言}(ノリ)たることばなり。,

生部,○放鳥(ハナチドリ),○万 放生也,

生部,○小鈴母由良尓安波勢也里(ヲスゞモユラニアハセヤリ),万 鈴つきたる鷹也。母由良(モユラ)は其鳴る声也。,

生部,○御手鷹(ミテタカ),○大和 今もいふことば。,

生部,○伯労鳥之草具吉(モズノクサグキ),○万 鵙(モズ)の草潜(クサクゞリ)てふ事也。ぐりの反切(カヘシ)き也。春さればもずの草ぐき見えずともなどよみて物のかくるゝことにつかひなす詞也。鵙の蛙をとりて木のうれに乾(ホシ)たるをいふなど有はあやまり也。,

生部,○{鶏-鳥+隹}(イヘツドリ),○万 家つどりかけとつゞきたる所も有。かけは鶏(トリ)の声をもて名とす。則鶏(ニハトリ)なり。○伊ニくだかけと有は百済鶏(クダラカケ)の略語。今云とうまるなり。,

生部,○野鳥{鶏-鳥+隹}(ヌツドリキゞシ),○日○万 是は野つどりとばかりはよまず。,

生部,○味村(アヂムラ),○万 味(アヂ)は仮字。海辺にあぢといふ水鳥有。村は群なり。,

生部,○鞍馬(クラオヘルウマ),○日,

生部,○布都馬(フツマ),○万 肥馬也。,

生部,○{木+巨}{木+若}越尓麦咋駒(マセゴシニムギハムコマ),○万,

生部,○青駒之足掻(アヲコマノアガキ),○万 白馬也。あがきは足かきにて馬の歩也。足掻(アガキ)をはやみなどよめり。,

生部,○馬曽爪突(ウマゾツマヅク),○万,

生部,○牡馬一疋牝馬一疋(ヲマヒトツメマヒトツ),○日,

生部,○馬並而(ウマナメテ),○万 ならべてなり。,

生部,○騎射(ウマユミ),○延喜 五月六日式有。,

生部,○馬一疋(ウマヒトヒキ),○延喜,

生部,○牛一頭(ウシヒトカシラ),○延喜,

生部,○虎豹皮(オホツカミノカハ),○日,

生部,○牡牛(コトヒウシ),○万 俗にいふこていうし。,

生部,○左乎之加能牟奈和気由可牟(サヲシカノムナワケユカン),○万 小男鹿之胸分行(サヲシカノムナワケユカ)む也。草木を胸もて分行を云。,

生部,○鹿はたゞ籬のもとにたゝずみて山田の引板(ヒタ)にもおどろかず色こき稲どもの中にまじりてうち鳴くもうれへがほ也。,○源,

生部,○赤鯛(アカダヒ),○日 鯛の正字棘鬣(タヒ)魚。紅魚(タヒ)共。,

生部,○{魚+剣}(コノシロ),○日○和名 {魚+制}の字。,

生部,○鮪釣鰹釣(シビツルカツヲツル),○万,

生部,○和可由(ワカユ),○万 少渓鰮(ワカアユ)なり。,

生部,○牟奈岐(ムナギ),○万○和名 無奈木(ムナギ)。{魚+檀-木}(ウナギ)也。

生部,○藻臥束鮒(モフシツカフナ),○万 小{魚+節}(フナ)也。

生部,○住吉乃粉浜之四時美(スミノエノコハマノシゞミ),○万 蜆(シゞミ)也。名産。,

生部,○之多太瀰(シタゞミ),○日○万 今云介(カヒ)の名。,

生部,○蛤(オホガヒ),○和名 宇無木乃加比(ウムキノカヒ)。,

生部,○養蚕(カフコ),○万 桑子(クハコ)とも。,

生部,○尓比具波麻欲(ニヒグハマユ),○万 新桑繭(ニヒクハマユ)也。)

生部,○蟋蟀(カフロギ),○万 きり%\すは後に呼名、今誤て異物とす。其形黒く初秋より鳴初る。,

生部,○虫のこゑ%\みだりがはしく壁の中のきり%\すだに,○源,

生部,○つく%\とおはするほどに日もくれにけりひぐらしの声はなやかに,○源,

生部,○葦可尓(アシカニ),○万 葦蟹也。其居る所をもていふ。,

生部,○母智騰利(モチドリ),○万 黐禽(モチドリ)也。末枝尓毛知引懸(ホズエニモチヒキカク)などともよめり。,

草木の類

草木部,○宇計良我波奈(ウケラガハナ),○万 白朮の花也。○延喜二白木(ヲケラ)也。○和名朮。乎介良(ヲケラ)。,

草木部,○艸深百合(クサフカユリ),○万 草の中の百合也。,

草木部,○夜麻多知波奈(ヤマタチバナ),○万 山橘。薮柑子(ヤブカウジ)。,

草木部,○春日尓張流柳(ハルヒニハレルヤナギ),○万 芽(メ)はる也。,

草木部,○垂柳(シダリヤナギ),○万,

草木部,○若木のさくらほのかにさきそめて空のけしきうらゝかなるに,○源,

草木部,○花の雪のやうに降りかゝればうち見上てしほれたる枝すこし押折て,○源,

草木部,○若ざくら,○催 若木の桜也。,

草木部,○可美都気野佐野野九九多知(カミツケノサノノクゝタチ),○万 上毛(カミツケ)の佐野薹心(クゝタチ)なり。,

草木部,○布流久佐仁比久佐(フルクサニヒクサ),○万 古草新草也。,

草木部,○知左能花(チサノハナ),○万 萵苣(チサ)也。山ちさ共よめり。,

草木部,○穂蓼(ホタデ),○万,

草木部,○浜菜採(ハマナトリ),○万 海辺の岩間に浜菜と云草有。花食ス。,

草木部,○昆布(ヒロメ),○和名 比呂米(ヒロメ)。一名衣比須女(エビスメ)。,

草木部,○紫菜(ムラサキノリ),○和名 無良佐木乃里(ムラサキノリ)。正字苔脯(ノリ),

草木部,○鹿尾菜(ひづきも),○和名 比頭木毛(ヒヅキモ)。○伊ニひじきも。,

草木部,○水苔(カハナ),○和名 加波名(カハナ)。川苔脯(カハノリ)也。,

草木部,○多麻毛(タマモ),○万 玉は称号のみ。藻也。○一説に玉のごとき実を生じたるをもいふ。,

草木部,○木実(コノミ),○古○源,

草木部,○毛桃(ケモモ),○万,

草木部,○熟瓜(ホゾチ),○古 帶落(ホゾオチ)也。瓜の蔓ばなれ也。,

草木部,○山管(ヤマスゲ),○延喜○和名 麦門冬夜末須介(ヤマスゲ)。,

草木部,○山田之沢尓恵具採(ヤマダノサワニエグツミ),○万 ゑぐの実は沢潟の小なる物に似たり。,

草木部,○天門冬(スマロダサ),○和名 須末呂久佐(スマログサ)。,

草木部,○独活(ウド),○延喜○和名 豆知多良(ツチタラ)。,

草木部,○山芋(ヤマツイモ),○和名 夜万都以毛(ヤマツイモ)。山の芋也。,

草木部,○野豆(ノラマメ),○和名 野良末女(ノラマメ)。豌豆也。,

草木部,○小豆(アヅキ),○和名 阿加安豆木(アカアヅキ)。,

草木部,○午蒡(キタギス),○和名 岐太岐須(キタギス)。一名宇末不不岐(ウマフゝキ)。,

草木部,○{艸+壌-土}荷(メガ) ,○和名 米加(メガ)。めうが也。,

草木部,○蕗(フフキ),○和名 布々木(フゝキ)。正字款冬(フキ)。,

草木部,○秋田之穂立(アキタノホタチ),○万 稲也。,

草木部,○田草引(タクサヒキ),○万 田草取とも。,

草木部,○早田(ワサダ),○万,

草木部,○萩之葉左夜芸(ハギノハヤサギ),○万 そよぎ也。萩正字胡枝(ハギ)。,

草木部,○枯たる花どもの中にあさがほのこれかれにはひまつはれて,○源,

草木部,○をばなのもとよりことに手をさし出してまねくがをかしう見ゆるに,○源,

草木部,○蘿席(コケムシロ),○万 苔の字也。席のごときを云。,

草木部,○籏薄(ハタスゝキ),○万 広ごりたる薄也。正字芒(スゝキ)。,

草木部,○草も高くなり野わきにいとゞあれたるこゝちして,○源,

草木部,○をばな折かへり,○うつほ○源 正字芒花(ヲバナ)。,

草木部,○{艸+意}苡(ズシダマ),○和名 豆之太万(ヅシダマ)。,

草木部,○{艸+凡}蘭(カゞミ) ,○和名 加加美(カゞミ)。蘿摩子。○古ニモ,

草木部,○葎草(モグラ),○和名 毛久良(モグラ)。,

草木部,○{艸+繁}{艸+婁}(ハクベラ),○和名 八久倍良(ハクベラ)也。はこべ也。,

草木部,○草も青やかにて,○源,

草木部,○伊佐佐村竹(イサゝムラタケ),○万 伊は発語。小竹の篁(ヤブ)也。,

草木部,○冬葱(フユギ),○和名 布由木(フユギ)。今冬喰ふねぎ也。,

草木部,○枯たる草の下より龍胆(リンドウ)のわれひとりのみ心長うはひ出て,○源,

草木部,○冬のはじめ朝霜のむすべき菊のまがき,○源,

草木部,○樹村(コムラ),○万 深林なり。,

草木部,○木垂(コタル),○万 木の枝の垂れたる也。,

草木部,○下枝(シヅエ),○日○古○万,

草木部,○枝母等乎乎尓(エダモトヲゝニ),○万 枝もたわゝに也。,

草木部,○非時香具菓(トキジクノカグノミ),○日 時じくはいつと云ことなき也。かぐの実は橘也。,

草木部,○水枝(ミズエ),○万 若枝也。,

草木部,○麻都能気乃奈美多流(マツノキノナミタル),○万 松の木の並びたる也。,

草木部,○鉾杉(ホコスギ),○万 杉の杪(ウレ)鉾に似たれば也。,

草木部,○許農久礼我久利(コノクレガクリ),○万 木(コ)の闇隠(クレガクレ)也。木下暗などにあたる。,

草木部,○芍薬(エビスグスリ),○延喜○和名 衣比須久須利(エビスグスリ)。えみしぐすりなど書べし。,

草木部,○大黄(オホシ),○延喜○和名 於保之(オホシ)。,

草木部,○弓絃葉(ユヅルハ),○延喜 今云ゆづりは。正字交譲木。,

草木部,○市柴(イツシバ),○万 大原女の此市柴(イツシバ)のいつしかとつゞけたり。,

草木部,○左要太(サエダ),○万 小枝也。,

ことばの品くさ%\

ことば部,○天乃壁立限(アメノカベタツカギリ),○祝 天のかぎりを云。,

ことば部,○阿麻久毛能牟迦夫周伎波美(アマグモノムカブスキハミ),○万 天雲乃向伏極(アマグモノムカブスキハミ)。天際を云。,

ことば部,○青雲能靄引極(アヲグモノタナビクキハミ),○祝 中空の限をいふ。,

ことば部,○青海原者棹枚不干舟艫能至留極(アヲウナハラハサヲカヂホサズフネノヘノイタリトゞマルキハミ),○祝 船の行かふ限を云。,

ことば部,○塩沫能留限(シホアワノトゞマルカギリ),○祝 海の限をいふ。,

ことば部,○自陸往道者荷緒縛堅氏盤根木根履佐久弥氏馬爪至留限(クガユリユクミチハニノヲユヒカタメテイハネコノネフミサクミテウマノツメノイタリトゞマルカギリ),○祝 池のかぎりをいふ。,

ことば部,○山彦之将応極(ヤナビコノコタヘンキハミ),○万 山のあるかぎりを云。,

ことば部,○谷潜之狭渡極(タニクゞノサワタルキハミ),○万 谷潜(タニクゞ)は墓也。行き通ふ道の限を云。,

ことば部,○今日加有牟明日加有牟(ケフカアランアスカアラン),○続 けふかあすかといふことば。,

ことば部,○爪の長(ノビ)たるを見て日をかぞふ,○土佐,

ことば部,○山彦の答ふるもいとおそろし,○源,

ことば部,○鬼か狐かこだまか,○源,

ことば部,○皆人乎宿与殿金者打礼杼(ミナヒトヲネヨトノカネハウツナレド),○万 人定(ヒトシヅメ)の鐘亥の刻也。,

ことば部,○けふの日没(イリアヒ)ばかりより,○伊 ばかりは頃也。惣て此意につかふべし。,

ことば部,○二日計(フツカバカリ),○万,

ことば部,○七日計(ナヌカバカリ),○万,

ことば部,○月其呂(ツキゴロ),○万○源 としごろ日ごろは常にも云。,

ことば部,○家布家布等,○万 けふか/\といふこと也。,

ことば部,○昼波之売良尓夜波須我良尓(ヒルハシミラニヨルハスガラニ),○万 昼は終日夜は終夜也。,

ことば部,○日異(ヒニケニ),○万 日日也。,

ことば部,○八百日(ヤフカ),○万 唯おほくの日数をいふ。,

ことば部,○比登欲毛於知受(ヒトヨモオチズ),○万 一夜も闕(カケ)ず也。,

ことば部,○星離去月牟離而(ホシワカレユキツキモワカレテ),○万 年月の隔るをいふ。,

ことば部,○月日はおほくへだゝりしかど,○源,

ことば部,○此月ごろ音なくて待つるに,○源 音づれなくて也。,

ことば部,○来朝(マウクル),○日 韓人(カラヒト)のことのみにもあらず。まうで来るのことばはあり。,

ことば部,○日入国尓所遣(ヒイルクニゝツカハサル),○万 唐国へつかはさるゝをいふ詞。,

ことば部,○都追牟許等奈久波也可幣里麻勢(ツゝムコトナクハヤカヘリマセ),○万 つゝむは慎也。つゝしみはよき事にあらず。災なくはや帰れと云意也。つゝみなくなどつかふも無恙とおなじ詞。,

ことば部,○情布里於許之(コゝロフリオコシ),○万 こゝろを励(ハゲマ)し発(オコ)す也。,

ことば部,○恐理(オソリ),○祝,

ことば部,○辞備悔備和備(イナビクヒビワビ),○祝 和備(ワビ)はうらぶり也。ひそまりおもふかたち、今俗わびをこのむなどいふもあたらざるにはあらず。過(アヤマチ)をことわりいふことを和備(ワビ)といふもおのづからひそまりおもふかたちあり。,

ことば部,○誣言(タガコト),○日 違言(タガヒコト)なり。,

ことば部,○世間能宇計久都良計久(ヨノナカノウケクツラケク),○万 世の中の憂(ウ)けくつらけくなり。,

ことば部,○歎加比久良志(ナゲカヒクラシ),○万 かひの反切(カヘシ)き也。,

ことば部,○宇都良宇都良(ウツラウツラ),○万 熟(ツラ/\)也。土佐ニ目もうつら/\などあり。,

ことば部,○都良都良(ツラツラ),○万 つらなる也。,

ことば部,○志{示+邑}去伎(シゲコキ),○古 繁き也。,

ことば部,○敷布(シク/\),○万 しげ/\也。,

ことば部,○四美美(シミゝ),○万 茂き也。,

ことば部,○波良良(ハラゝ),○万 まばら也。はらゝ松原などいふははなれ%\の松原也。白波の八重に居るうへにあまをぶねはらゝに浮きなどもつゞけたり。,

ことば部,○風のきほひにほろ/\と落みだるゝ木の葉の露のちりかゝるもいとひやゝかに,○源,

ことば部,○山の王(オホキミ)にせし奉る,○うつほ 山の神をいふ。せしは喰はせしむる也。,

ことば部,○おそろしげにいかき,○うつほ いかきは今のいかい也。大なるもおほきも。,

ことば部,○山を見れば靄(カスミ)わたり林を見れば木の芽けぶり,○うつほ○源ニ木の芽もうちけぶりとも有。,

ことば部,○比奈良倍弖(ヒナラベテ),○万 毎日也。,

ことば部,○美之比乃其等久(ミシヒノゴトク),○万 前(サキ)の日に相見しごとく也。,

ことば部,○都奇余米婆(ツキヨメバ),○万 月をかぞふれば也。,

ことば部,○登富登富斯(トホトホシ),○万 遠々敷也。,

ことば部,○於保保思久(オホゝシク),○万 おほよそしく也。,

ことば部,○安蘇蘇(アソゝ),○万 あさ/\也。今いふうす/\知たりなどいふうす/\にあたる。,

ことば部,○否藻諸藻(イナモオモ),○万 いやもおふむといふことば。,

ことば部,○鬱(オホニ),○万 大凡(オホヨソ)也。,

ことば部,○奈倍(ナヘ),○万 ならび也。,

ことば部,○弖良(デラ),○万 かこつけることば也。今花見がでらなど云是也。,

ことば部,○小事(イサゝケ),○日○伊ニいさゝけなるものと有。,

ことば部,○沢(サハ),○日○万 おほき也。多(サハ)の字を書く。,

ことば部,○若干(ソコバク),○日○万 是もおほき事也。そこらく、こゝら、こゝだ、こゝだく共。皆おほきと云詞也。,

ことば部,○加都賀都(カツガツ),○万 少し也。,

ことば部,○那麻那麻(ナマナマ),○古 不進不熟の意。今云なまの詞に当る。,

ことば部,○端端(ハツハツ),○万 少し也。,

ことば部,○湯鞍干(ユクラカ),○万 寛の字意。ゆくらとも。,

ことば部,○思末志久母(シマシクモ),○万 暫し也。,

ことば部,○可蘇気伎(カソケキ),○万 幽(カスカ)なる也。,

ことば部,○無味(アヂキナシ),○万 何共いひがたき情也。,

ことば部,○永世之語尓為乍(ナガキヨノカタリニシツゝ),○万 俗に末代のかたりぐさといふことば也。,

ことば部,○端麗(キラ/\シク),○日 きよらか也。此詞おほくは面貌のうへにつかひなせり。○源ニ月の顔のみきら/\として共書り。,

ことば部,○軌制(ヲサ/\シ),○日 長(ヲサ)だつこゝろなり。,

ことば部,○役(ヱタス),○日 ゑたすとも。字意のごとし。○万ニ課の字を書り。日課など書。日の課(ヱタス)とも書くべし。,

ことば部,○任(マケゴト),○日 役義也。○土佐 任(ニン)とも。,

ことば部,○書信(フダヅカヒ),○日 書翰也。,

ことば部,○消息(アルカタチ),○日 行状(アルカタチ)とも。,

ことば部,○進止(フルマヒ),○日 起居挙動(タチヰフルマヒ)也。,

ことば部,○分明(ワイ/\シ),○日,

ことば部,○清清之(スガスガシ),○日 字意のごとし。,

ことば部,○楽(ヱラク),○古 宴する類。,

ことば部,○宴(ウタゲ),○日 歌酒の略。,

ことば部,○恵良恵良(ヱラヱラ),○万 たのしむ也。,

ことば部,○動(トヨム),○万○源ニさわぐ事にて鳥などの鳴とよむと有。,

ことば部,○佐夫之(サブシ),○万 寂也(サビシ)。,

ことば部,○裳得那也(モトナヤ),○万 よしなや也。,

ことば部,○忌忌(ユゝシミ),○万 つゝしむ也。,

ことば部,○多頭多頭之(タヅタヅシ),○万 たよりなき也。,

ことば部,○おもなくて,○伊 面目なき也。,

ことば部,○諸恥にて(モロハヂ),○土佐 互に恥てためらふなり。,

ことば部,○穂にはあらで,○伊 おもてにはあらはさで也。穂はあらはるゝ也。,

ことば部,○おもひやれば,○伊 今いふ思ひやるは推察のことにて違へり。やるは晴す意のことば。心やりは心ばらし也。思ひをやりてはらすをいふ。,

ことば部,○伊刀毛須倍奈美(イトモスベナミ),○万 せんかたなき也。いとは痛の字意にて甚しき也,

ことば部,○阿夜尓加奈之(アヤニカナシ),○万 あやは紋の字意。綾などの紋の入組たる如く得もいひがたき也。,

ことば部,○蘇弖毛志保保尓奈伎思(ソデモシホゝニナキシ),○万 袖もしほ/\と泣也。,

ことば部,○血泣(イザツ),○日○古 強く泣くなり。,

ことば部,○哭恚(ナキフヅク),○日 泣怒(イカル)也。,

ことば部,○づぶりと落いりぬ,○大和 身を投る所に書り。,

ことば部,○さるはるけき山の雲かすみにまじり給ひしむなしき御あとに,○源 御人のなきあとを書るなり。,

ことば部,○御喪(ミモ),○日 上の人の御忌にこもりゐ給ふをいふ也。,

ことば部,○いとゞ山かさなれる御すみかにたづね来るひともなし,○源,

ことば部,○御碁の敵にめしよす,○源,

ことば部,○人々鼻のうへも忘れて心にいれたる,○源 鞠を蹴るさま。,

ことば部,○けふは此花一トえだゆるすとの給はす,○源,

ことば部,○所植(タテル),○日 たてる何の木など書くべし。前所植湯津杜木之杪(マヘニタテルコヅカヅラノキノウレ)とあり。,

ことば部,○鋒心(トゴゝロ),万 励(ハゲシ)きこゝろ也。,

ことば部,○雄心(ヲゴゝロ),○万 をとこごゝろ也。,

ことば部,○頼もしかなれ,○うつほ くあの反切(カヘシ)か也。たのもしくあなれと云義也。,

ことば部,○宇既具都遠奴伎都流其等久布美奴伎提(ウキグツヲヌギツルゴトクフミヌギテ),○万 浮沓を脱つるごとく也。ほだしをまぬがるゝさまを云。浮沓はかろき沓也。,

ことば部,○宇利波米婆胡藤母意母保由久利波米婆麻斯堤農波由(ウリハメバコドモオモホユクリハメバマシテシノバユ),○万 瓜くへは子どもをおもふ栗くへばましてしのばゆ。忍ぶは心中に思ふ義也。,

ことば部,○乞能牟(コヒノム),○万 こひいのる也。,

ことば部,○久毛尓得夫久須利波武等母(クモニトブクスリハムトモ),○万 仙薬を服するとも也。,

ことば部,○松の葉をすきてつとむる山伏だにいける身のすてがたきによりて,○源 すきては敷て也。古哥を取てかけり。山伏はすべて法師をいふ。,

ことば部,○吾無二(ワレナシニ),○万 我身をなきものにする也。○源ニ身はなき物にしてもと。,

ことば部,○云云意者不持(トニカクニコゝロハモタズ),○万 云々人者雖云(トニカクニヒトハイフトモ)なども有。,

ことば部,○鹿煮藻闕二毛(カニモカクニモ),○万 とにもかくにも也。,

ことば部,○左毛右毛(トモカクモ),○万,

ことば部,○打細(ウツタヘ),○万 ひとへにという義也。,

ことば部,○於保呂加尓(オホロカニ),○万 おぼろげ也。,

ことば部,○之可須我尓(シカスガニ),○万 しかしながら也。,

ことば部,○加久之伎許散婆(カクシキコサバ),○万 かくの如く聞給はゞなり。,

ことば部,○かうやうのもの,○土佐 かゝるもの也。,

ことば部,○とうでゝ,○源 とり出して也。,

ことば部,○になく,○源 似るものなく也。,

ことば部,○こよなう,○源 こよなくとも。これよりなくと云詞。,

ことば部,○いと,○源 痛うを約(ツゞ)めたる詞也。痛は甚しき也。,

ことば部,○与曽理無(ヨソリナク),○万 よしなく也。,

ことば部,○誰之人歟母(タソノヒトカモ),○万,

ことば部,○面知(オモシル),○万 ちかづき也。,

ことば部,○武家(タケンベ),○日,

ことば部,○才(カド),○日 才ある人は角ある物なれば云。みづからを丸といふは才なきといふ義なり。,

ことば部,○爵録(カヅケモノ),○日 褒美などにもいふ。,

ことば部,○信物(クニツモノ),○日,

ことば部,○白銀八斤八両(シロカネヤハカリヤコヒ),○日 白銀一両(ヒトコヒ)など書べし。金にも。,

ことば部,○慰労(ネギラフ),○日○古 うかゞひ問ふさまのことば也。,

ことば部,○饗(アヘル),○日 今云振舞馳走など也。○源ニハあるじ。○うつほニかへしあるじ。返し振まひ也。,

ことば部,○沈湎(サカミヅク),○日 熟酔なり。,

ことば部,○酔哭(ヱヒナキ),○万 今云泣上戸也。,

ことば部,○多具理(タグリ),○古 反吐(ヘド)なり。○竹取ニ青反吐(アヲヘド)をつきてとあり。,

ことば部,○踏登杼呂許志(フミトゞロコシ),○万 踏とゞろかし也。,

ことば部,○比許豆良比(ヒコヅラヒ),○万○源 引ずる也。,

ことば部,○横言(ヨコゞト),○万,

ことば部,○讒(ヨコス),○万 字意のごとし。人言之讒乎聞而(ヒトゴトノヨコスヲキゝテ)とよめり。,

ことば部,○妖偽(オヨヅレゴト),○日 流言也。,

ことば部,○謡哥(ワザウタ),日 はやりうた也。,

ことば部,○琴の音をかきたて声ふりたてゝあそぶ,○うつほ ふりたてる。○古今ニモ。,

ことば部,○毛由良(モユラ),○日○万 玉などの鳴声。鈴などにもよみあはせたり。,

ことば部,○遠音(トホト),○万 字意のごとし。,

ことば部,○阿蘇婆勢(アソバセ),○古 為遊(アソバセ)也。琴をあそばせと有。

ことば部,○最霊(クシキ),○日 奇(クシ)とも。怪き也。○万ニ奇魂(クシミタマ)と書けるは神霊也。,

ことば部,○灼然(イチジルシ),○万 分明也。○日ニいやちこと侍り。,

ことば部,○蚊蛾欲布(カゞヨフ),○万 かゞやく也。,

ことば部,○挙燭(ヒヲトモイテ),○日 火とぼしてとも。,

ことば部,○君之往若久尓有婆(キミガユキモシヒサナラバ),○万 君が旅行もし久からばといふことば。,

ことば部,○幣奈里底(ヘナリテ),○万 へだつ也。,

ことば部,○背上尓所見(ソガヒニミユル),○万 後(ウシロ)に見ゆる也。,

ことば部,○多古多古(タカダカ),○万 はる%\也,

ことば部,○不秀(ヒデズ),○万 秀(ヒデ)るとも。,

ことば部,○顔のいと小(チイ)さくなるまで見おこせたり,○大和 へだゝりゆくさま也。,

ことば部,○山の横をれを見て,○土佐 横たはれる也。,

ことば部,○野山にまじりて,○うつほ○古今ニモまじりては常に入ひたるさま也。,

ことば部,○海辺乎指而(ウナビヲサシテ),○万 さしては心ざして也。何々をさして行などなべてつかふ。,

ことば部,○奈何可来計牟馬疲尓(ナニゝカキケンウマツカラシニ),○万 せんもなく来たりしと云こと。,

ことば部,○物にゆきて,○伊 物は形なきことをさす詞。今いふ物がといふ詞也。,

ことば部,○腹つゞみをうちて,○土佐,

ことば部,○是彼たがひて,○土佐,

ことば部,○わりごもたせて,○土佐,

ことば部,○銭なければ米をとりかけて,○土佐,

ことば部,○てげのことは,○土佐 天気の事はなり。,

ことば部,○夜之穂杼呂(ヨノホドロ),○万 ほどろは程也。,

ことば部,○咫尺(アタサカ),○日○万,

ことば部,○前年之先年従今年(ヲトゞシノサキツトシヨリコトシマデ),○万,

ことば部,○漸床はなれて,○伊 夫婦の中あしく成ゆく詞につかふ。,

ことば部,○失意(コゝロマトヒ),○和名 古古呂万止比(コゝコロマトヒ)。○伊ニモ,

ことば部,○忌作(イミジ),○伊 此詞物語におほし。慎しき意の詞なれば大事の時にも曠(ハレ)なる時にもつかふ也。雨いみじく降などもすさまじく降也。,

ことば部,○すだく,○伊 あつまる事也。,

ことば部,○伊祢都気婆(イネツケバ),○万 稲舂(イネツケ)ば也。,

ことば部,○山都刀(ヤマヅト),○万 都刀(ツト)は土産(ミヤゲ)等の事につかふ。,

ことば部,○布須左尓(フスサニ),○万 今いふふつさりとおほきことをいふ。,

ことば部,○安多良安多良(アタラアタラ),○万 新(アタラ)也。惜みたる詞。,

ことば部,○麻気乃麻尓麻尓(マケノマニマニ),○万 任ぜらるゝまゝに也。,

ことば部,○麻比波(マヒハ),○万 麻比(マヒ)とも。まひなひなり。,

ことば部,○賢良(サカシラ),○万 かしこぶる也。,

ことば部,○女のかたゆるされたりければ,○伊 奥むきの出入などゆるさるゝ也。,

ことば部,○棒ものを千{敬+手}(サゝゲ)ばかり,○伊,

ことば部,○後(シリ)に立て行,○伊 あとにつきて行也。,

ことば部,○立而藻居而藻(タチテモヰテモ),○万 今いふ詞。,

ことば部,○腹ごほ/\と鳴れば,○落くぼ 疝積などにて鳴るをいへり。,

ことば部,○可志良可伎奈弖(カシラカキナデ),○万 頭掻撫(カシラカキナデ)なり。,

ことば部,○手をかいすまし,○うつほ 手を清める也。,

ことば部,○許之伎尓波久毛能須可伎(コシキニハクモノスカキ),○万 蒸篭(コシキ)には蛛の巣かき。貧家のさまをいふ。○延喜ニハ櫓(コシキ)の字を用う。,

ことば部,○寛坐(アグム),○日 足ぐむの略。今のあぐら也。,

ことば部,○宇知須須呂比弖(ウチスゝロヒテ),○万 うちすゝりて也。,

ことば部,○御食而肥坐(メシテコヘマセ),○万 御の字なきもめしてなり。,

ことば部,○雖喫弥痩尓痩須(クヘドイヤヤセニヤス),○万,

ことば部,○賎キ者ノ有リ一ニ鼻垂(ハナタリ)ト曰フ,○日 今鼻たれなどいふ出所はこれか。,

ことば部,○小名(ヲサナナ),○続,

ことば部,○米具之(メグシ),○万○日 隣愍(レンミン)のことば。,

ことば部,○宇礼多伎(ウレタキ),○万○伊 憂痛(ウレタキ)也。,

ことば部,○面可波理(オモガハリ),○万○源 面変(オモガハリ)なり。,

ことば部,○仁古欲可(ニコヨカ),○万 にこやか也。,

ことば部,○味宿(ウマイ),○万 熟睡也。,

ことば部,○月のあかくさし出たるに見れば格子二間(カウシフタマ)ばかりあけて簾うごくけしき也。,○源,

ことば部,○あけたてば猫のかしづきをして養ひ給ふ,○源,

ことば部,○しみといふ虫のすみかに成て古めきたるかびくさゝなり。,○源 反古のことを書なせり。,

ことば部,○一丈一尺一寸(ヒトタケヒトサカヒトキ),○日 一分の詞なし。一トわき共書べし。,

ことば部,○屯聚(イハミキ),○日 屯聚此ヲ怡波弥萎(イハミヰ)と云フ。たむろする事なり。,

ことば部,○縄取付,○万 縛(シバ)りたるを云。,

ことば部,○梟(クシザシ),○日 獄門也。,

ことば部,○之多幣乃使(シタベノツカヒ),○万 冥途の使なり。,

ことば部,○安杼毛布(アドモフ),○万 伴なふ也。あどひとも。,

ことば部,○家思吉,○万 異敷也。○伊ニ異(ケ)にとも。○源 異(ケ)しうはあらぬなど。,

ことば部,○耳言(サゞメク),○万 さゝやく也。,

ことば部,○於曽能風流士(オソノタハレヲ),○万 於曽(オソ)は愚(オソ)也。{句-口+言}(ノリ)たることば也。,

ことば部,○比師跡鳴(ヒシトナル),○万 鳴る音也。○源ニひし/\と聞ゆなどあり。,

ことば部,○奥香無(オクカナク),○万 おぼつかなく也。今云おくかなきといふ詞。,

ことば部,○息豆伎阿加志(イキズキアカシ),○万 大息して寝ざる也。,

ことば部,○八尺之嗟(ヤサカノナゲキ),○万 長き歎をいふ。,

ことば部,○いとおそろしこよひ此人々にやくはれなむと思ふもをしからぬ身なれど,○源,

ことば部,○ごほ/\と鳴神よりもおどろ/\しく踏とゞろかすからうすの音も枕がみとおぼす,○源,

ことば部,○争力(チカラクラベ),○日,

ことば部,○多夫手(タブテ),○万 礫(ツブテ)也。,

ことば部,○膝折伏(ヒザオリフセ),○源,

ことば部,○多香祢流(タガネル),○万 たがぬとも。ぐる/\と巻くを云。今桶のたが入など云、是也。,

ことば部,○商自古里(アキジコリ),○万 商ひにすゝむをいふ。,

ことば部,○袖尓古伎礼都(ソデニコギレツ),○万 かき入つ也。,

ことば部,○似つかはしき,○源○土佐 似合しき也。,

ことば部,○笠をたれかけて,○落くぼ 忍ぶさまを云。,

ことば部,○足どもいとしろし盗人にはあらぬなめり,○落くぼ,

ことば部,○左夜左夜(サヤサヤ),○万 左夜具とも。そよ/\也。そよぐ也。,

ことば部,○雨謹(アマヅゝミ),○万 雨をおそれて出ざるを云。,

ことば部,○笠無(カサナシ),○万 笠をもたぬ也。万葉恋の哥に笠なしと人にはいひて雨づゝみと読り。,

ことば部,○袖乎笠尓著(ソデヲカサニキ),○万 ○源ニ臂笠雨(ヒヂガサアメ)と有。○催ニ臂笠の雨もやふらん。,

ことば部,○沾通(ヌレトホル),○万,

ことば部,○保杼呂(ホドロ)○,万 ほろ/\也。沫雪乃保杼呂保杼呂等降敷者(アワユキノホドロホドロトフリシケバ)とあり。,

ことば部,○不知代経(イザヨフ),○万 今いふたゞよふに当る。どちらともつかぬ意。,

ことば部,○波いといかめしう立来て人々の足を空也,○源,

ことば部,○野わきだちてにはかに肌さむき夕ぐれのほど,○源 のわきだちは野わきらしくてふ詞。肌さむの詞は万葉にもあり。,

ことば部,○災而焼(ヒツケテヤク),○日○万○伊,

ことば部,○焼せ給へばめら/\とやけぬ,○竹取,

ことば部,○具(ヨソヒ),○日 何一トよそひなど云に書べし。,

ことば部,○如横山打積置而(ヨコヤマノゴトウチツミオキテ),○延喜,

ことば部,○頚根衝抜(ウナネツキヌキ),○祝 うなづき也。,

ことば部,○燃火物取而裹而福路庭入登不言(トモシヒトリテツゝミテフクロニハイルトイハズヤ),○万 なにがたき事もなせばなると云詞。,

ことば部,○痛伎瘡尓波鹹塩遠潅(イタキキズニハカラシホヲソゝギ),○万,

ことば部,○重馬荷尓表荷打(オモキウマニニオモニウチ),○万,

ことば部,○短物乎端伎流(ミジカキモノヲハシキル),○万 貧しき上を責とらるゝ哥に云へり。是等皆昔の流言也。苦しみに苦しみをかさねる詞也,

ことば部,○衣毛名豆毛多理(エモナヅケタリ),○万 吉(エ)も号(ナヅケ)たり也。,

ことば部,○称詞(タゝヘコト),○古○延喜 ほめこと也。今物をほめるを称すといふ。画讃等は画(ヱ)をたゝへたる物と書べし。,

ことば部,○ふりはへ,○土佐 わざ/\也。○古今ノ袖ふりはへては意異也。,

ことば部,○刀利美波(トリミバ),○万 取見ば也。看病なり。,

ことば部,○辛塩尓古胡登毛美(カラシホニコゝトモミ),○万 ごし/\ともむ也。,

神仏(カミホトケ)の部(タグヒ)に用うべきことば

神仏部,○神税(カンチカラ),○日 神行也。,

神仏部,○太前(フトマヘ),○延喜○続  神仏の事に書べし。仏のみまへなど。又神の広まへなどあり。,

神仏部,○着神(カミカゝリテ),○日 神の乗うつりたまふ也。狐のかゝりてなども書べし。,

神仏部,○慈賜比福波位賜倍(メグミタマヒサイハイタマヘ),○続,

神仏部,○祥(サガ),○日 神の告夢の告など皆祥(サガ)也。○万ニハ怪の字。源ニハさとし。,

神仏部,○仏像一躯(ホトケノミカタチヒトハシラ),○日 神にも。一柱なり。,

神仏部,○内典(ホトケノゝリ),○日 仏書也。,

神仏部,○神護力(アヤシキマモリ),○万,

神仏部,○あやしき風,○源 今云神風などに書り。,

神仏部,○路住占(ミチユキウラ),○万 今いふ交道占(ツヂウラ)也。,

神仏部,○神杉,○万 神木也。,

神仏部,○夕占(ユウケ),○万 夕うらともよめり。夕にうらなふ也。,

神仏部,○祝部(ハフリ),○万 神主也。,

神仏部,○戒(イムコト),○日○源 仏の戒行なり。,

神仏部,○手向(タムケ),○万 旅だちの時道祖神を山の頂上において祭る也。故に山の絶頂をたふげと云。たむけの訓なれば仮字もたふげと書べし。,

神仏部,○道祖神(タムケノカミ),○和名 太無介乃加美(タムケノカミ),

神仏部,○手をつくりて額にあて,○源 拝むさまを書り。,

神仏部,○烏呂餓弥弖(ヲロガミテ),○日 をがみてなり。拝むはをれかゞむ也。,

神仏部,○神酒(ミワ),○和名美和(ミワ)。○万ニモ,

神仏部,○闇{雨+龍}(クラオガミ),○日 水神也。あるひは龍などをさしていへり。,

神仏部,○誓約(ウケヒ),○万○日○伊 誓ひ也。得飼飯(ウケヒ)。宇計比(ウケヒ)など有。,

神仏部,○かごと,○伊 神事也。ちかひしかごとゝいふは神文也。,