てすてす

お好きなことをお好きな場所に書き込んで下さい。 鳥子

11/21 用紙サイズをA5にしました。このままコピー本にします。

11/20

進展がないようなのですが私がもっと書き込んでも大丈夫なんでしょうか

      いいんじゃない?

11/18 〆るのは11月末にしましょうか?

11/17 ヘッダにページ番号を追加しました。

11/15

ちょっと色々と考えまして、あまり話が拡散しても大変なので少しだけ最初に縛りを設けた方がよいかなと思いました。登場人物を四人にして、みんなで何かを語り合う。というところから後は自由に展開していくというのはどうだろうか、と思って書いてみました。

といっても共通の話題が思い浮かばなかったので、こないだの絶対移動中の掲載作品の中から選んで、ついでにみんなで語り合ってる風にしてみました。

といっても小説なのでキャラ付けはガンガンした方が良いと思うので誰が誰の台詞を担当とかではなく、また、それとは別に三糸さんが書かれたように断片的なものがうまく繋がっていくというのでも面白いと思います。いかがでしょう?

ボツ(全部書き換えてもらっても)でも結構ですので、どうぞご遠慮なく!

    →ミツバチさんの名前が蜜峰になってますけど、どうしたらいいですか>< ふ、ははは……! じゃなくて、すみません!これは直します!

ふ、ははは……!

ほい、書いてみた。無事に編集できますね。

思ったこととして。

共同編集とはいえ、各自様々な予定やペースがあるから、リレー形式というのはちと圧が強そうで、並行してそれぞれのペースで書けるのがいいかな、と漠然と思ったりしました。

まだ自分の頭ん中が、これに向けてしっかり見えてる案がなかったりするので(ヲイw)、とりあえず思ったこと。とテスト代わりに。

リレー小説よりは無作為に湧き出す感じがよろしいかと。好きな場所に割り込んで下さいませ。

        競り市みたいなイメージ(と言うとちょっと違いますが)。仮に12345があったらA123BC45になって、A1231'BアC4B'5となるもよろし、みたいな。

                   そこまでやって均衡を保てたら素晴らしいですよねえ。ぜひやってみてください…!

なんか中原昌也の小説のようですね。今のところ。

  確かに。

★ルール★

●ペンの色を各自変える(自分の名前を自分のペンの色に変えてください。)

伊藤鳥子、 有村行人志方尊志三糸ひかり 蜜蜂いづる 秋山真琴

●12月20日〆、もしくは11ページに達したら〆る。

カフェのシーンから展開する並列ストーリー??

ここにルールを追記するので、この線より下に書いていってください。最初の書き込み歓迎★

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それはつまりこんな話。

 ステージ上ではピアノ、ベース、ドラム、フルートのカルテットが、熱のこもった演奏をしていた。

 「柱の陰には熱心な聞き手がいる」という名言を残したジャズ奏者であるエリック・ドルフィーの言葉を引きながら始まる、とある日本の小説家が著した作品を、このジャズバーに来る度に蜜蜂は思い出す。

 いつものように閑散とした店内の片隅のテーブルに、すでに有村、志方、秋山の三氏は揃って先に始めていた。有村が先日同人に書いた「小さな肩を震わせて」という掌編がたまたま志方の大学の恩師である作家のK氏の目にとまり、それを新人賞の選考会に持って行ってくれるというので、浮かれた同人達はまだ結果の出ぬ内からこうして先祝の会を開いたのだった。

 「お、蜜峰クン、ようやく来たネ」

 有村はシングルモルトを注いだグラスを手にかなり出来上がっているようだった。

 「早速だが、ボクの読んでくれた? K先生は大変に良いと褒めて下さったんだが、キミはどうだったかネ?」

 一同の目が蜜峰に注がれる。早速来たなと内心苦笑しつつ、蜜蜂は率直に感想を述べることにした。

「とても短くていい話だったと思うよ」

「短さがいい方向に作用していた?」

「ビーチ・ボーイズのポップ・ソングと同じぐらい短かった。綺麗にまとまっていて」

「確かにちょっと短かった。賞に応募するなら規定枚数ぎりぎりまで書いた方が有利になるって説があるから、もう少し書き足すべきだろう。だけど、余計なシーンを追加すると作品としてのバランスを取り直さないといけない。なかなか悩ましいところではある」

「バランスがいいことはもちろん認めているよ。この話は女の子が出てくるけれども、ここはぜひとも女性の意見も聞きたいな」と蜜蜂は紅一点の志方に水を向ける。だが、志方はまるでこちらの存在など無いかのように、黙々と蜜柑の皮を剥き続けている。志方は冬が近くなると、蜜柑ばかり食べている。一日一個では不足。毎食後でなんとか。おやつも蜜柑。気がついたら蜜柑しか食べてなかった日も多々ある。それは前に付き合った人が柑橘系のパフュームを身につけている人だったからだ。志方が彼と出会ったのは、志方恋人の墓前だった。ふとしたはずみに、志方は物思いに耽る。

 相変わらずの無反応に白けることもなく、年を経るにつれて自然に獲得された粘り強さを発揮して、蜜蜂は年齢としては唯一、二〇代の秋山の方に顔を向ける。「どうだった?」

「えっ。私ですか? 私はま、いいんじゃないかと思いましたね

「どういうところが?」

「そうですね。例えばこういう箇所なんて」

 その頃、佐藤は路地裏のラーメン屋でひとり油そばをすすっていた。

「だーかーらー。これはiPod nanoでしょう? 私が欲しいのはiPodなの」

 佐藤の横には大学生のカップル。髪を茶色に染めた娘が甘えた口調で男にプレゼントをねだっている。

 「これってかなりベタなギャグですよね。なのとnanoをかけた。こんな下らないダジャレを大真面目にやってるところが微笑ましいですねぇ。まぁiPod touchとiPhoneを間違えてブログに掲載しちゃう釈ちゃんにはかないませんけどねぇ

 蜜蜂が言う。「いやそれ、有村さんの小説じゃなくて俺の小説だし。下らなくて申し訳ないてかぶっちゃけ、全然読んでないでしょ? 君たち?

 有村は明らかにがっかりした顔で「ハハハ……どうせボクなんてネ」と力なく笑っている。これはさすがに悪いと思ったのか、秋山は「あぁ、間違いましたぁ、蜜蜂さんがなんか新作を考えてるって、この間メールで言っていたので読み返していたんでした」と話の矛先を変える。

 我得たりと、蜜蜂は軽く頷いた。

そうそう、面白い小話があるのだけど、披露しても構わないだろうか。こないだのディナーの時の話なんだ

「こんなジョークがあるんだ」と俺は寧々さんに向かって話しかけた。

「ニューヨークのとあるホテルの話なんだけど、日本人の観光客が泊まりに来てね。観光旅行だからとにかく半端ない荷物を持って来たわけ。スーツケース二つにリュックサック一つ。着替えから英和辞典から『地球の歩き方』から、まあ山のように。それで当然ホテルだからホテルマンが荷物を運ぶんだけど、流石に全部は無理だから二人で協力しようって話になってね」

 俺たちは寧々さんの部屋のキッチンで二人で鮭のクリーム煮を食べていた。作ったのは俺だがなんてことはない。市販のクリームソースを使った、フライパン一枚あれば簡単に出来る料理だ。肉じゃがの方が難しいとさえ言える。

「それで?」と寧々さんは訊いてきた。

「それで、エレヴェーターに乗ろうとしたわけだけどどういうわけか動かない。ホテルマンはしきりに詫びて、それで階段を使って観光客の部屋まで荷物を運ぼうという話になった。しかし観光客が取った部屋は地上十六階。まあ典型的なお上りさんだね」

「停電でもあったの?」

「そこまでは聞かなかったけど……とにかく二人で必死になって汗だくで荷物を運んだ。そしてやっと観光客の部屋の前まで荷物を運ぶと、ホテルマンは笑顔になって観光客に手を伸ばしたんだ。観光客はどうしたと思う?」

「どうしたの?」

「ガッチリ握手を交わしたんだ。傑作だね。本当にお上りさんなんだね」

 寧々さんは意味を理解しかねていたようだけど、やがて得心したように頷きクスっと笑ってみせた。

「……それって、結局はアメリカンジョーク、ってことで良いのかなぁ?」

 しばしの沈黙の後、秋山が恐る恐る一同の顔を見渡しながら尋ねた。ドヤ顔の蜜蜂の横、有村は視線を合わさないようにどこか遠くを見ている。志方は我知らずと先ほどから黙々と蜜柑の皮を剥いて口に運んでいる。

「そもそも、その寧々さんって誰ですかぁ」と秋山が言った。

「俺の嫁」と蜜蜂は言った。

「蜜蜂クン結婚してたっけ?」有村は言った。

「いない、そして、いる」と答える。「俺の頭の中に」

 そこで沈黙。しかし蜜蜂は言う。

「頭の中から声が聞こえるんだ。そして俺の右手を使って抜いてくれる。知ってる? ウディ・アレンは言った。『マスターベーションを軽視してはいけない。間違いなく愛する相手とのセックスなんだから』と。俺の脳内の嫁は」

「死ね」

 と突然呟き志方が椅子を鳴らして立ち上がったかと思うと、手にした蜜柑を蜜蜂に向かって投げつけた! だが、悲しいことに運動神経が皆無の引きこもりである志方が勢いよく投げつけた蜜柑は、見当違いの方向、つまりステージに向けて飛んでいった。

 ステージの最前線でフルートを吹き狂っていた縁者は突然目の前に現れた蜜柑に驚き、さっと身をかわした。結果、その後ろでおひねりならまだしも、まさか蜜柑が投げ入れられるとは考えもしないドラマーの額に見事にヒットし、落ちた蜜柑はスネアの上で軽いリズムを打った……。

 憤怒のドラマーは無言のままゆらりと立ち上がり、スネアを転がる蜜柑を取り上げるやいなや、脇に立つシンバルをおもむろに取り外し、その上に蜜柑を置いてフリスビーよろしく秋山に向けてその豪腕から繰り出す!

 その見事な一投は綺麗な軌跡を残し、すべての観客の目にいつまでも焼きつくものであったという。

 そのままシンバルは一直線に志方に向かう。ひるみながらもすんでのところで反射的に身を屈めた志方はなんとか難を逃れた。しかし、日々手首のスナップを鍛えているドラマーの研ぎ澄まされた一投は、信じられない回転でもってブーメランのように弧を描き元の位置に戻ろうとする。

 だが、シンバルは突如と始まった混乱から身を隠すべく柱の陰に非難していたウェイターの首に当たり、その磨き上げられた自身でもって綺麗にその首を跳ね飛ばした。

 今も柱の陰には赤黒いシミが残っている……

 そもそも志方はうんざりしていたのであった。どうしてむさ苦しい野郎どもの集まりに女は私一人だけという状態で参加しなくてはならないのか。これも元はと言えば一緒に行くと言ってくれた伊藤やその他の女子たちが急に身内に死者が出たとか結婚式に行かなくてはならないとか海外出張の予定が入ったとか言い出してしまったので、志方だけが置いてけぼりを食らってしまった形になった。

 集合場所に一番最初に来ていたのが蜜蜂で、とりあえず挨拶をしているといきなり「志方さんって鹿が好きだからシカタってペンネームにしたんですか」とかとぼけたことしか訊いてこないので大好物の蜜柑を扱った小説のプロットを練ることにして適当に返事をしていたのだった。

 それで頭の中ですっとぼけた野郎どもをジャズバーで皆殺しにするところまで考えたところ、隣にいた蜜蜂が言った。

「今日、女性は志方さんしかいないことに運命を感じずにはいられないんですよね」

 少し意識が遠くにあった志方は、蜜蜂の言葉の意図がすぐには理解できなかった。彼の顔をまじまじと見つめる。

「つまり、他にも女性を誘ったにも関わらず、皆この場所に集まることができなかった。しかし志方さんはここにいる。何故だと思いますか」

「さあ? 偶然じゃないんですか」

「偶然の連続は必然なんですよ」

 何が言いたいのかさっぱり分からない。志方を眉をしかめる。

 すると必然という言葉に興味を引かれたらしく秋山が口を挟んだ。

「有村さんの小説で必然性のないエピソードが有効な伏線となっていた。そこのことを言いたいんだろ?」

「ああ、そうなんだ。小説の中盤でカラリと揚がったエビフライが宙を舞うシーンが唐突に挿入され、最後のシーンで主人公がトラウマが吐露することへの伏線になってる。ファミレスでエビフライを揚げ続けた苦労を告白する主人公。その労働者の悲しい姿を目の当たりにして美少女が自分の未熟さに気付く。あの絶妙な展開、素晴らしかったよ」

「あのシーンは工夫したヨ」

「お、マンガ道風(笑)」

 よくわからない秋山のツッコミ。

「だから、エビフライを追加で注文していいかな?」

 蜜蜂がそう言って初めて、志方は蜜蜂がこの一言を発するために回りくどいことを言っていたのだと気が付いた。そして志方は激しく体を震わせてうずくまった。

「どうしたんですか?」

 志方は何も喋らない。そのまま目を閉じ、吐き気をこらえようとする。エビフライ、それは彼女が好きだった人の大好物だった。

 蜜柑。エビフライ。突然の吐き気。天啓のような予感が閃いた。

 私は、妊娠したのだ。

 ふふふ、と自嘲気味に笑い、志方は溜息をついた。

 一体何なんだこのふざけたマザーファッキンな野郎どもめ。よくもまぁ人の古傷を抉るようなことを。

 志方が初めて付き合った恋人は愛媛県で生まれて愛媛県で育った。志方は青森で育った。

 当時志方たちが通っていたサークルでは蜜柑派と林檎派に別れて激しい抗争が続いていた。蜜柑派は独自の研究開発によって蛇口からポンジュースが出てくるメカニズムを開発しようとしていた。当時出たばかりのウィンドウズ98を使って。林檎派は言うまでもなく使うパソコンはマッキントッシュだ。林檎派の急進派にとって当時スティーヴ・ジョブズが経営に復帰したというニュースは喝采をもって迎えられた。

『どうして95でなく98なの。Meじゃ駄目なの? MikanだからMeとMiで近いのに。

 出身した県とは裏腹にその人は林檎派で、私も林檎派だったので意気投合するところはあった。また、同時期に「幸福論」でデビューした女性ロックシンガーを好きなことでも意見が一致した。しかし私はその人が実は蜜柑派であっていわばスパイなのではないかと想像することがあった。試しにビル・ゲイツの写真を踏ませて反応を観ようか、そんなことを考えることもあったが所詮は蜜柑と林檎の戦いだ。どちらが勝ってもなんてことはない。だが、些細な相違が人を狂わせることはおうおうにしてある。

 ある日、林檎派の男が蜜柑派の持っていたウィンドウズを腐して「こんなのマックのパクリ」だと言い放った時から戦いは始まった。双方が部屋の備品のパイプや金属バットを手に取り血みどろの戦いを繰り広げ、その中で恋人は死んだ。

『その頃、MS-DOS原理主義者は、山梨に潜伏し葡萄をイコンにすべきがどうかで内輪モメに終始していた…なんてね』

『えっ、誰?』

 恋人の死からようやく傷心が癒えた頃に志方は墓前に向かうことが出来た。志方が静かに涙を流していると、その人が墓前にやってきたのだ。

志方さんですね」

 その人は言った。

「彼から話は聞いています」

 柑橘系の香水の匂いがつんと漂った。

 ……お墓参りに付け過ぎなくらいのパフュームをまとって来るなんて、何かそうしなければいけない事情があるに違いない。目の前に現れたその人は、今は無き恋人の親友であったと言った。恋人であった自分ですら知らない突然の親友の出現に驚きながらも、深い悲しみを分かち合う内に、二人は徐々に惹かれあった。

 その後体を重ねる関係になり、柑橘系のパフュームに包まれて幸せに眠る夜を迎える段になって、ようやく志方はパフュームの理由を聞いた。

「この香水、彼の好きな匂いだったんです」

 前から気になっていた。普通男友達のことを「彼」と呼ぶだろうか。つまり、彼らは、そういう仲だったのだ。

『ここでまさかのBL展開!』

 穴兄弟。という言葉が頭をかすめる。どちらが攻めで受けかなんて関係ない。嫌悪感が体を支配する。

『まじめな話、穴兄弟って言葉の使い方が間違っている』

『…おい、いい加減にしろ。読者のメタ意識は黙ってろ!!!』

『ふええ、そいつは腐女子のメタ意識だよお…』

『そういうお前は幼女か、コラ!』

 志方は呆然と呟いた。「つまり、私が付き合っている間も、彼とはそういう関係だったというわけね……。今も忘れられないの?」

 少し長い沈黙の後、男は答える。「いや、そうじゃないんだ。今はもう心は君のことしか考えられない。ただ、君だから正直に言うけど……、体だけは忘れられないんだ。男の相手をするというね。付き合いが長かっただけに……」

 「そう……」とだけ答えて、やるせなく志方は彼に背を向ける。目の前には彼の大好物ということで腕によりをかけ、作りすぎたエビフライがテーブルの上で波打ち際に打ち上げられたクラゲのように今は静かに横たわっていた。

 志方はゆっくりとテーブルに歩み寄るとエビフライを手に取った。「こんなものでも、入るのかしらね?」

「えっ……」と男は不安半分、期待半分という顔で志方のことを見つめる。「さぁ、お尻を上げて」。恥辱にまみれたように顔を上気しながら、男は尻をゆっくりと志方につきだした。前戯もなく菊門を指で押し広げながら、志方はエビフライをその中心へ突き刺す。

 その瞬間、突然の進入物に驚いた直腸は生理作用として進入物を排除しようと逆ベクトルの力を発揮する。「あっ……」という情けのない声と共に、勢いよく押し出されたエビフライは宙を飛んだ。

『怒濤のBL展開、美味しいです(^q^)』

「あのさ、伊藤さん」

「え?あ、はい」

 志方編集長が軽く肩を叩く。ノートパソコンにかじりついて文字を打ち込んでいた私は姿勢を正した。

「いまどきメタとかちょうど半周回って最もダサいから、止めよう」

「でも、好きに書いていいって言ったじゃないですか」

「言ったけど、前言撤回する。編集長権限で」

『志方さん横暴なう>ドキュメント』

 部屋の隅にいた蜜蜂が読み上げた。私が下を向いて反省したふりをしながらスマホからツイッターに投げた投稿だ。

 にらみつけるも、蜜蜂は素知らぬ振りで蜜柑を食べている。

「とりあえず、伊藤さんはもうちょっと面白いネタが出せるようになるまで修行だな。じゃ、掌編100本ノック」

「ひどい」

「ワロスワロス」

 蜜蜂が愉快そうに言う。またにらみつけてみたが、私の様子などまったく気にせず次の蜜柑に手をのばした。

 志方編集長は自分のiPadで物語の続きを入力し始めた。

『志方さん、無茶振りなう>ドキュメント』

 私は黙ってスマホを取り出しツイッターに書き込みしてやった。

 志方は何も言わず、そのまま男の部屋を去った。

 逃れ得ない記憶。そしていまや一つの命を宿すこの体。

 志方何もかもから逃れるために妄想で体を護身することにした。そうだ。昔の思い出を綴ってみよう。今度の『絶対移動中』に載せる話はその思い出をベースにすればいいのだ。例えばこんな風に始めよう。

                                  <完>