Published using Google Docs
111011今週のみことば
Updated automatically every 5 minutes

今週のみことば

2011/10/11-12

第1日課:フィリピの信徒への手紙 4:4-9

第2日課:マタイによる福音書 22:1-14


「婚宴の用意はできているが、招いておいた人々は、ふさわしくなかった。」

マタイによる福音書 21:33


わたしは以前陸上競技をやっていましたが、大きな大会に出る際には「標準記録」というものが設定されているのが普通です。たとえばトラック種目ならば、設定された標準記録を上回る記録を持った選手のみが出場を認められます。こうして、競技に出場する選手の数を絞り込むことで、大会をスムーズに運営するという役割を標準記録は持っています。

 

しかし、標準記録にはもう一つの大事な機能があると思います。それは、その競技のレベルに「ふさわしい」選手のみが参加できるようにするということです。例えば、人数を絞り込むだけなら「先着順」という方式も考えられます。しかし、だからと言ってスキーを履いたこともないような選手がオリンピックの直滑降のコースを安全に降りられるでしょうか。標準記録を設定することで、このような事態を未然に防いでいるとも考えられます。

 

今日の婚礼のたとえ話では、最初は招待状を出してゲストを招いていたところ、その招待に応じる人がいなかったので、だれでも来ていいことになりました。もう招待状はいりません。スポーツの大会で言えば、標準記録は撤廃されたのです。参加人数の制限はなくなりました。

 

しかし、それでもなお「ふさわしさ」は問われているのです。今日のたとえ話の中では、「礼服」にそれが象徴されています。もちろん、みんないきなり連れてこられたわけですから、そんなにビシッとした格好をしている人ばかりではなかったでしょう。その中で、この人一人だけがなぜとがめられたか。それは、婚礼の場に「ふさわしく」あろうとする姿勢の欠如のゆえではなかったのかと思うのです。

   

わたしたちすべての人が、神の喜びの場である婚礼の席に招かれています。しかし、自己のあり方としての「ふさわしさ」という問いは常に残っており、その問いはわたしたちの一生を通じて続く問いとなるのです。