1. 気候・植生描写
オーレルム地方は、アルフレイム大陸南部の中央に位置し、その殆どが大平原と呼ばれる平地によって占められています。この大平原は、南北が500kmにも及び、その北端は比較的気候が安定しているなだらかな丘陵地になっており、南端には峻険な山脈が横たわっています。東部にはゴード大河が流れ、その向こうには豊かな森林地帯である“黄樹の森”があります。一方の西部にはカルザーラ塩原と、“死の砂漠”ゼルガが拡がっています。
大平原は、春には見渡す限りの緑に覆われますが、夏にはカラカラに乾ききって荒野へと様変わりします。そして、空きの短い雨期を挟んで足早に冬が訪れ、北からの冷たい風が南の山脈にあたって大雪を降らせるのです。
(略)大陸全土で四季がありますが、北部の冬はかなり厳しく、南部は一年を通して温暖な傾向にあります。大陸東部は特に森林が多く、西側はやや乾燥しており、過去の災禍の影響か砂漠化した土地も見られます。しかし総じて緑が多く、〈大破局〉後に繁茂した植物が広大な森を形成しており、かつての大都市を飲み込んでいることも少なくありません。
また、〈大破局〉や“奈落”の影響で、突然荒野や砂漠が現出したり、奇妙な現象が起こることもあります。
2. 描写から推測される気候特性
I. 北半球かつ南部である
II. 内陸平野である
III. 東部から西部にかけて降水量が低減していく
IV. 秋に短い雨期が存在する
V. 冬に大規模な積雪がある
VI. 中部、東部において植物は自生する
VII. 塩原が存在する
VIII. 冬季に北から寒気が流入する
3. 南北の気温と降水
I. 気候区分
定性的には典型的な大陸性気候及び内陸性気候に属すると考えられる。また、以下の複数の要因から、BSkまたはDfaに属すると考えられ(データを用いるとCfa)、類似地域としてグレートプレーンズ、パンパ、カザフステップ等が挙げられる。
II. 北緯40度周辺にある積雪南限
アルバカーキ(北緯35度、積雪無し、BSk)、東京(北緯35度、積雪なし、Cfa、海洋性のためオーレルムには不適)、デンバー(北緯40度、積雪あり)、ミズーラ(北緯47度、積雪あり、BSk or Dfb)、ロストフ・ナ・ドヌ(北緯47度、積雪あり、BSk or Dfb)
III. 南部からのフェーン現象
乾期の温暖低降水要因の1つ。南部山嶺の存在及びアルフレイム大陸北東部の東側の海に暖流が流れている事と符合的。南部山嶺の北麓の雪を溶かす(チヌーク、Snow-eater)
IV. 良好な農地
BSk、Dfb共に良好な土壌を抱える気候帯であり、オーレルムが潜在的に持つ農業生産のポテンシャルは高い可能性がある。森林が見られないことについては、乾期のフェーンが阻害的に働いていることが示唆されている。また、極端な平坦地による難排水性も寄与していると見られている。
4. 東西の気温と降水
I. 気団
北のcP、東のmT、西のcT、南のmT(南部山嶺によって変化)が想定される。西部に砂漠、東部に森林、中部に乾燥帯が存在することは東部からの湿暖流流入が想起される。またこの場合東部中部における降水(降雪)を齎すような寒気の張り出し(西または北)が想定される(寒帯前線による降雪)。
II. 偏西風、亜熱帯高圧帯の蛇行?
5. 塩原について
I. 旧内陸湖
流入河川の同定が必要。南部から北部にかけて傾斜があるところ、南部は砂漠であり、ゴード大河支流が有力視される。湧水、地下水の影響も考えられる。
II. 旧灌漑農地
塩類集積による塩原化。低降水難排水が条件である
月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
気温 | -1.6 | 0.4 | 4.3 | 8.6 | 14.0 | 22.1 | 27.4 | 20.7 | 16.9 | 9.7 | 1.6 | -2.5 |
降水 | 80 | 71 | 46 | 11 | 5 | 6 | 4 | 16 | 17 | 33 | 56 | 91 |
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography1889/73/1/73_1_11/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/grj1984a/61/2/61_2_155/_pdf
https://americancenterjapan.com/aboutusa/translations/3501/
https://americancenterjapan.com/aboutusa/translations/3557/