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芸術講座13 130409
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[06:05] Almond Andel: ここは、明るいですねえ

[06:06] comet Morigi: ああ、夜中に設定してみて。

[06:06] comet Morigi: Naimaは、灯りの配置に気を入れてるんです。

[06:06] Almond Andel: 明るいのもいいですけどね

[06:07] Almond Andel: 神々しくて

[06:07] comet Morigi: 夜中でも昼でも、使えますけど、。

[06:07] comet Morigi: 私も座ると、リラックスしすぎてしまいそう。

[06:07] philia Blessed: この椅子くつろげますね

[06:08] comet Morigi: 前回ログの内容は、悪くなかったんですけど、とてもまとめにくかった。

[06:09] comet Morigi: カリブの海賊って、ルネッサンスでなく、レンブラント・フェルメールの最盛期だったんですね。

[06:09] Yan Lauria: ルネッサンスより後?

[06:10] comet Morigi: フェルメールの描いた、商船で遠出した夫からの手紙を読んでいる女性。

[06:10] comet Morigi: 当時の地理学者や、船員の夫は、海賊に出会っていた率が高そう。

[06:11] comet Morigi: ルネッサンスは海賊より早くて、コロンブスが建てた教会を、ダビンチが設計をしている。


[06:15] comet Morigi: 前回のログを読んで、私が気になったのは、

[06:16] comet Morigi: ・斉藤了英は、なぜ疑われたか。

[06:16] comet Morigi: ・ラッセンヤマガタを、素直に美しいと言えないのは、なぜか

[06:17] comet Morigi: ・ポップアートの普遍性

[06:18] comet Morigi: ・強度

[06:18] comet Morigi: そんなところです。

[06:18] Yan Lauria: アートの普遍性じゃなかったっけ?

[06:19] comet Morigi: 「アートの普遍性」だったけど、中でも、ポップアート・村上隆系は、普遍性を疑われやすい。大衆性を信じられやすいですね。

[06:20] Yan Lauria: 「アートの普遍性」ってのは人類の進化論的な意味合いがあると僕は思ってるんだけど

[06:20] comet Morigi: 大体、こういう場所で、とりあえず芸術論を交わすと、定番のように出てくる議論のパターンが、有ると思います。

[06:21] comet Morigi: ウォーホル・村上って、大衆志向のアーティストに見えます?

[06:22] comet Morigi: 「村上隆が、大衆に現代美術を開いた」とか。

[06:22] はるか: ポップアートっていう呼称自体、大衆性みたいな意味合いを含んでる気がしますが

[06:23] Almond Andel: 大衆を意識してはいるけど、志向してるふうには、本人は言ってないように思いますね

[06:23] comet Morigi: ウォーホルを持っている人たちは、富裕層ですよね。

[06:23] comet Morigi: 村上も、そうだろうなぁ。90年代なら、大金持ちでなくても、何十万円かで、村上を買い込んでいた愛好家が、居たんです。

[06:24] comet Morigi: そんなコレクターが、美術雑誌に、得意満面で、ドブくん風船を披露していた。

村上隆「DOB君」高橋コレクション

リキテンシュタイン「ヘアリボンの少女」1965 油彩 東京都現代美術館

[06:27] comet Morigi: これね、東京都現代美術館の開館に先だって購入したとき、怪文書が出回った件が、業界内で有名。

[06:28] comet Morigi: 「6億円」名品の値段としては、普通ですけど。

[06:29] Almond Andel: 購入に抵抗があったんですね

[06:29] comet Morigi: ウォーホルは、レオキャステリ画廊からのデビュー。美術史ガチガチのフォーマルな画廊です。

[06:30] comet Morigi: yanさんから、コレクションに伴う価値観の共有性への興味が出てましたね。

[06:30] comet Morigi: どうやって、作品の値段が決まるか。

[06:30] Yan Lauria: うん

[06:31] Yan Lauria: それは話題性と希少価値で決まってて、良し悪しとは違う気がするけど

[06:31] comet Morigi: ポロックとグリンバーグの美術史観について、適当なときに、mogさんに、説明してもらおうかとも思っていた。

[06:32] comet Morigi: レオキャステリは、ポロックらの成功を見て、その美術史観を引き継いだような画廊。

[06:32] Yan Lauria: (とりあえず参考美術年表)http://chikyu-to-umi.com/seikatsu/art.htm

[06:32] comet Morigi: ウォーホルは、そのレオキャステリを自分から指名して、デビューした点で、実は、かなり理論的な画家だったように見えます。

[06:33] comet Morigi: 記号学的アーティストじゃないかと思う。

[06:33] comet Morigi: マリリン・モンローの記号性に着眼した画家。

[06:33] comet Morigi: レオキャステリ画廊の最初の画家が、ジャスパー・ジョーンズという、

[06:34] comet Morigi: 数字や標的・アメリカ国旗を、

[06:34] comet Morigi: 蜜蝋(岩絵具・膠絵と同じぐらい古い画材)で描き写した作品群です。

[06:35] comet Morigi: 数字も国旗も、元から二次元だから、

[06:35] comet Morigi: それを描き写した絵について「本物かコピーか」問うなら、

[06:35] comet Morigi: 本物のままですよね。

[06:36] comet Morigi: 絵空事でなく、国旗の絵画は、国旗の実物と同等に、実物である。

[06:36] comet Morigi: そのリアリティが、当時は、衝撃的・天才的に見えた。

[06:36] comet Morigi: 情報社会の虚像であるセクシーマリリンは、蛍光色の版画で、白々しくプリントされて、

[06:37] comet Morigi: 「マリリン・モンローは、虚像です」というメッセージを伴う。

[06:37] comet Morigi: 虚像を虚ろに描写。

[06:38] comet Morigi: 元々虚像のものを虚ろに描いたりコピーしたりしても、やはり、本物という点では、

[06:38] comet Morigi: 数字や国旗の絵画と同じぐらいに、本物である。

[06:39] comet Morigi: 「これは虚像です」というメッセージだけは、真実味を帯びる、実像性。

[06:39] comet Morigi: さらに、ポロックの評論と並べると、流れが見えてきます。

[06:41] comet Morigi: ポロックの評価には、大きく二つに分かれて、

[06:41] comet Morigi: ・自己参照平面性(抽象表現主義)

[06:42] comet Morigi: ・アクション・ペインティング

[06:42] comet Morigi: アクションの方は、後に、パフォーマンス・ハプニング・行動芸術へ広がります。

[06:42] comet Morigi: 自己参照平面性は、これこそが、キラジャパン

[06:43] comet Morigi: 哲学講座が可能な場所でなければ、理解されない所で。

[06:43] comet Morigi: 実は、美術評論家の説明を読んでも、あまりはっきりしない。

[06:43] comet Morigi: 原典は、クレメント・グリンバーグです。

[06:44] comet Morigi: 「自己とは何か」Yoさんの解説を思い出しながら、

[06:45] comet Morigi: 絵画平面が、絵画平面足りえる、自己参照性とは何か、というグリンバーグの批評を読むと、なんとか分かるかも知れない。

[06:45] comet Morigi: グリンバーグは、ポロックの絵について、

[06:46] Almond Andel: 英語だと、self reference になるのかな

[06:46] comet Morigi: 彼自身が打ち出す平面性について、

[06:46] comet Morigi: 完全なオールオーバー、均質な画面では良くないという。

[06:47] comet Morigi: 画面の上に、もう一枚、絵の具の網目が重なっていることが見えるように、

[06:47] comet Morigi: 適度に縁に余白が残っていることを、期待しています。

[06:47] comet Morigi: これが、レオキャステリの世代に移ると、

[06:47] comet Morigi: キャンパスと国旗のサイズが同一だから、

[06:48] Yan Lauria: [

[06:48] comet Morigi: 「完全なオールオーバー」みたいなもんです。

[06:48] comet Morigi: 描かれた平面と支持体の平面

[06:48] Yan Lauria: 「自己参照性」の意味が分らないんだけど?

[06:49] Yan Lauria: 自画像とはとても思えないし、相似性でもなさそうだし

[06:49] comet Morigi: 平面の上に「これは平面です」と、念を押して描き込む・かきつくす、

[06:49] comet Morigi: ポロックでも、ジョーンズ、フランク・ステラでも、

[06:50] comet Morigi: 平面に対して「これは平面です」と描いている。

[06:50] Ƿєℓℓ: 看板屋の看板に「看板」って書いてあるような?

[06:50] comet Morigi: 「これは平面である」ことが、良く見えるように、描こうとしている。

[06:50] comet Morigi: そうね「看板です」。でも、それは文字なので、

[06:51] comet Morigi: ポロックたちは、絵の具のタッチや描き方で、「絵画平面とは何か」が明かされるよう、努力していた。

[06:51] Yan Lauria: 平面へのこだわり、平面であることを誇るというのが、前から分りにくい

[06:52] Yan Lauria: 3次元を投射したのとは明らかに異なる平面、ってことかな?

[06:52] comet Morigi: 「看板です」は、70年台に盛んになった、コンセプチャルアート

[06:52] comet Morigi: 「看板です」に対応する作例は、

[06:52] comet Morigi: なにしろ文字作品だから、テキストチャットで直ぐ出せる。

 この七つの文字

[06:53] comet Morigi: 高松次郎 1970 オフセット

[06:53] comet Morigi:↑ はい。この通り、七文字の作品です。

[06:53] comet Morigi: 検索するば、出てくるんじゃないかな。「この七つの文字」

[06:53] Almond Andel: ジョークではなしに

[06:54] Almond Andel: ^^

[06:54] comet Morigi: 70年代は、こういうのが、かっこ好く見えた。

[06:54] Ƿєℓℓ: そなんだ^^

[06:54] Almond Andel: かっこいいですよ 今でも

[06:55] comet Morigi: 概念芸術の代表作は、

[06:55] comet Morigi: 辞書を写植拡大コピーしたバネルで、

[06:55] comet Morigi: concept とか

[06:55] comet Morigi: 辞書のページがそのままパネルになっている。

[06:55] comet Morigi: コスス

[06:56] comet Morigi: すみません。話題のバランスが崩れてますが、

[06:56] comet Morigi: 哲学ネタなので、もう少し。

[06:56] comet Morigi: 木村敏の「時間と自己」

[06:56] comet Morigi: これと、河原温の日付絵画 デイペイント

[06:57] comet Morigi: これを比べて、読んだり見たりすると、たぶん、双方の理解が深まります。

[06:57] comet Morigi: 日付絵画は、美術館の常設展示で見られます。

[07:00] Yan Lauria: (http://chikyu-to-umi.com/seikatsu/art.htmに河原温と村上 隆を追加)

[06:57] comet Morigi: 本題は、

[06:58] comet Morigi: グリンバーグが、平面性をマネから借りてきたことを言おとしていた。

[06:58] comet Morigi: グリンバーグの美術史観では、

[06:58] comet Morigi: 近代美術が、マネの平面性から始まって、 ポロックで完成します。

[06:59] comet Morigi: マネが平面性に着眼したのは、彼が「絵画とは何か」についての絵画を描いた画家だからです。

[07:00] comet Morigi: グリンバーグの主張は、良くできていたらしくて、

[07:00] comet Morigi: ヨーロッパの美術館も、彼の理論を受け入れて、

[07:00] comet Morigi: その結果、ヨーロッパの美術館も、グリンバーグが支持する絵画を多く収蔵するようになります。

[07:01] comet Morigi: 普遍性だけで、時間を使いきってしまった。

[07:01] comet Morigi: ホントは、今日は他に、

[07:02] comet Morigi: 皆さんが、ヤマガタを素直に「美しい」と言えなくて、屈折していた事情とか、

[07:02] comet Morigi: 斉藤了英が、どうして欧米から疑われていたかとか、お話ししたかった。

[07:03] Yan Lauria: マネは遠近法に見えるけど

[07:03] comet Morigi: 未だ遠近法に居ても、遠近法を疑い始めた画家です。

[07:04] comet Morigi: ダビンチ・ミケランジェロ・ラファエロ以降

[07:04] comet Morigi: 基本的に、遠近法で描くことは、決まっていて、

[07:04] comet Morigi: 遠近法内に描く題材だけが問題でした。

[07:05] comet Morigi: ではなく、遠近法自体を、批評対象にした点に、

[07:05] comet Morigi: マネの先駆性が有ります。

[07:05] Yan Lauria: うん、遠近法の表現と平面表現の間を行き来するのが面白い

[07:06] Ƿєℓℓ: (19世紀は面白い時代だったんだなぁ^^)

[07:06] comet Morigi: このへんの話題は、キラジャパンの成人向け講座というより、美大の授業。

[07:06] Yan Lauria: 平面表現から遠近表現に進化する、その逆は退化だ、とは思わないところが面白い

[07:08] Almond Andel: 固定観念をくつがえす精神の柔軟性は、退化も進化もないようにみえますね

[07:08] Ƿєℓℓ: 19世紀は、いろんな分野で今までの概念を疑ってたんでしょうね

[07:09] Yan Lauria: 日本のマンガの平面性は単に薄利多売のための工数節減が理由だと思ったんだけど、もっと本質的な意味があるのかな?

[07:09] comet Morigi: 最近話題になっている

[07:09] comet Morigi: 若冲や蕭白

[07:09] Yan Lauria: おやすみ^^

[07:10] comet Morigi: は、美術史学会にマンガ科ができたのと、関係在ると思う。

[07:10] comet Morigi: 村上や会田について、見せる方も買う方も、

[07:10] comet Morigi: そこまで読み込んで値段を付けているはずです。

[07:11] comet Morigi: だから、「大衆的」というほど、無教養な人に開かれている美術とは、思いがたい。

[07:11] comet Morigi: 億円で買う人たちは、ボストン美術館も見た上で、購入予算を組んでると思うので。

[07:12] comet Morigi: 次回は、ヤマガタを素直に美しいと言えない事情とか、

[07:13] comet Morigi: 斉藤了英が信用されない事情とか、を話し合いたいです。

[07:13] comet Morigi: 斎藤は、「ゴッホと荼毘されたい発言は、絵に対する愛着を表現したまでのことで、」と弁解して、

[07:14] comet Morigi: 「だから、ほんとに焼いたりしないんだってば」と言ってるんですが、

[07:14] Yan Lauria: そうだったんだ^^

[07:15] comet Morigi: そう思う? という話題。

[07:15] Almond Andel: はは

[07:15] Almond Andel: 言ってはいけない冗談って、あるんですね

[07:15] comet Morigi: バブル期は、他にも、

[07:15] comet Morigi: フランス政府が、日本のデパートに絵を貸さないとか、

[07:16] comet Morigi: 日本人の美術観への不信や差別が、けっこう有った。