犬神ディフェンダーズ 感想文殴り書き
※永遠の闘技場を解放してちょっと試したくらいの身が書いています。
●はじめに言い訳
これの書き手は「不満点こそ感想に相応しい」みたいな思考の持ち主であり、また500円だろうが5000円のものと(ボリューム除き)同じ目線で評価するような人間です。なので、素人がえらそーに見当違いな事言ってるなと感じられたら…ごめんなさい
それと最初にある通り9割ほどは殴り書きですので、レビュアーのようなまとまりのある大真面目な文章は期待しないでください。読みやすさなんざ知らん。
定価5800円であっても飽きれば数時間で離れると同時に、三桁で購入した作品であろうがハマれば100時間単位で遊んでしまうタイプ。本作とは関係ない話ですが、筆者は本来クリアまで6~8時間を想定している某『コマンドくるくるRPG』を175時間全く飽きずに遊びました。
1…筆者的に良かった点
●タワーディフェンスなのに(?)リアルタイムで操作する&考える事が多いアドリブ性
プロモーション動画を見た段階では「見てるだけで自然と攻撃してくれるタイプのゲームか…」と思った部分もあったが、少し触っただけでプレイヤーが何を求められるかすぐに理解した
初っ端から意外なほど操作が多いし、その操作にかなりの脳力?を吸われる事にすぐ気付く
進めていくにつれてアイテムや職の特徴を少しずつ把握していき、さらに先を見越した判断が求められるようになっていく
この『操作&判断』が上手く行えるようになる過程がとにかく面白くて、上手くなればなるだけアドリブ性との向き合い方が重要=立ち回りの上手さが肝だと気付いていく
このリアルタイムで求められるアドリブ性に関わっている要素は、大きく分けて『修行、回収、ソウルボーナス』のみっつが挙げられる
共通しているのはどれも目先の利益や欲に目が眩むと必ずしっぺ返しを貰う事で、今やりたい事と実際やるべき事の判断の狭間に生まれるジレンマが面白い
(厄介な敵の対処については慣れた人向けの超長文になるので除外します、ここも大変魅力的ではあるのですが)
・修行について
効率厨歓喜の細かい攻撃と修行の切り替えが必要なゲーム性でありながら、修行にこだわりすぎると簡単にダメージを受けてしまうという辺りが上手いなと
特に序盤は効率の良い修行が必須なのに、後半ステージやHARDだと絶対思い通りに修行させて貰えないってのが面白い所
言ってしまえば敵の配置や特性はステージを進めるにつれて『思い通りに修行させない』にシフトしていくため、最後まで修行の切り替えタイミングに悩みながらゲームを進める事になる
後半ステージはそれを分かっているかのごとく露骨なDPSチェック用のボスWAVEが比較的前半から入ってくるようになる、要するにダメージを怖がって修行を怠るとボスに押し切られるということ
つまるところ攻撃と修行の切り替え操作の魅力とは“悩ませ”にあり、これをその場の判断で乗り越えたり危険なWAVEを覚えて対処する事が出来るようになるとゲームが分かってきた感が得られて面白い
なお余談ですが、筆者はクリア出来ないステージを攻略する際には『修行に対する脳内リソースをいかに省くか』に全振りして見直すのが一番楽だと思っています。特に暗黒神殿のHARDはこれが必須でした。
・魂の回収について
回収を欲張ると必ず被弾するし、回収しないと強化が遅れる、回収の数を増やすと修行が遅れるけど修行ブーストが取れれば帳消しに出来るはず…等、まさにジレンマの狭間で判断しなければならない
慣れてくるとウェーブの真ん中辺りに明らかにここで回収しろって箇所がほぼ必ず一回は存在している事に気付くんだけど、そこで回収するにはまず敵を排除しておく必要があるし、HARDだとこの一回だけでは回収しきれないのもいい落とし所な印象(なおあくまで“ほぼ”なので、これを前提に回収すると痛い目を見ます)
・ソウルボーナスについて
ソウルボーナスで得られるアイテムの判断を迫るのも絶妙なライン
パッと見でこれだと決められる場合も多いが、今欲しいもの、長期的に見て優先すべきもの、同時に出ていたらどちらを選び誰に使うか等、迷う事も同じくらいあった
クリスタルは最速で使うのがセオリーながら、長期的に見れば一緒に出ているソウルブーストを取って選択肢の数自体を増やしちゃうべきかもしれない、リロールを開放したら上手く使って計画的にクラスを選ぶべきかもしれない…等といった形で『目の前の判断に対する違和感』を自力で捉えられるようになると面白さが増していく印象
ローグライト形式の宿命か、いつまで経ってもあのアイテムが来ないという状況もあるが、そこも含めてクリアを目指す為に俺は陣形で序盤の安定を取る、俺は選択肢の出る機会を増やす為にサニーを使ってワンモア狙いだ、俺は理想的に引けるまで序盤リセマラで粘るぞ…等、その辺の対処もプレイヤーによって異なるのではないだろうか
まとめると『一見地味に見えるが、遊んでみたら面白い』という言葉が確かにピッタリだと思った
自動攻撃のユニットに指示を出し、修行モードにしていれば勝手に強くなり、強化の方針だけプレイヤーが考えるゲームというのはともすればソシャゲ的なジャンルに見られかねない(ぶっちゃけ筆者もそう思ってました)
ところが実際にやってみると驚くほど「面白いゲームを遊んでいる感」が得られた、それはプレイヤーのリアルタイムで出す指示が如実に結果と繋がるからに他ならない
しかし、このリアルタイムでの操作は筆者にとって本作の魅力の半分程に過ぎない
個人的にこのゲームの最も面白い箇所は、実際の戦闘画面が映る時間以外、ひいてはゲームを起動している時間の外であろうと頭の中だけで遊べると言っても過言ではない程の数の考察、発見、ひらめき、試行錯誤の無限の繰り返しにこそあると思っている
詳細は次項で
●発見と思い付きの数だけ色々試したくなるゲーム性
ホントに奥深い、なんとなくここにこうすべきだよな~というセオリーっぽいものが自分の中で自然と変わっていく
四次クラス編成はもちろん、持たせるべき鍵や与える○○の書をちょっと考えるだけでも運用がグッと変わるのが面白い
何より、それを自発的にお試し&考察&研究したくなるようにスキル解放システムや難易度HARDの縛りがとても上手く導いている
プレイ後には次に試したい事が毎回ほぼ確実に降りてくるゲーム、なんなら買い物中や風呂ってる時に急に思い付いたりする
かなり大雑把に言っても、筆者の理想編成は三回以上変わっている
最初のうちは『前衛に聖騎士か賢者、中衛に騎空士、後衛に狙撃手、あとはアドリブ』くらいだった
後衛に狙撃手はほぼ前提だろ~とか思っていたがとんでもない、これ抜け出すと大分違う世界が見える
もちろん後衛に狙撃手が答えの戦略も多数存在している、筆者は一周回って帰ってきたり結局外したりを幾度となく繰り返した
またこれらの理想編成は、やってみると分かるがステージで変わる
ステージどころかWave単位で対策を立てる必要に駆られる事もある、その過程で今まで見向きもしなかったクラスや陣形の使い方を考える事、そういう行為自体が非常に面白く感じる(多分HARDは自然とそうするように導いてるはず)
筆者は陣形をとりあえずクイックシフト安定かなくらいで進めていたが、某ステージはそれまで一度も使わなかったゲートキーパーじゃないと厳しいと気付いた瞬間のアハ体験は中々の快感だった
キャラクター選択も重要で、初心者はサニーかネヴァでクリアまで問題ないとは思うが、慣れてくるとWave20までのステージならサーシャで速めに武器を揃えるとか、クリア出来ないWave30のステージに向き合うならサニーかアリアで様子見してから考えるとか色々試し甲斐があった
とまあこのように、「なんだかもう少し上手く立ち回れそう」が勝ち負けに関わらず遊べば遊ぶだけ存在するゲーム
実際、筆者のプレイ時間の1割弱は調査プレイとスキル画面眺めての試行錯誤で出来ていたし、全く関係ない時間に急に「今度あのクラス試してみようかな…」と感じた事もあった、それくらい事前の想像や考察が如実に結果に現れる
それでいて実際のプレイでは思った通りの展開になるとは限らない、というかほぼならないので、それでも攻略可能なノーマルはともかくHARDまで行くと序盤ほど高度なアドリブ性とパターン作りが同時に求められ、必ずいくつもの失敗をし、そこから学び、また別の事を試したくなる
考察や試行錯誤と共に『失敗だと思った根拠や理由の追求』もプレイ時間外での遊びになると分かっているからこそ、ワンプレイの体感密度が増す
以上ふたつの項目を総括すると、『もう一回!を100回思うゲーム』のキャッチコピー?に偽りなしでした
それくらい運と実力、試行錯誤、セオリー作りとアドリブのバランスがいい
筆者個人としては、『ああした方がいいかもしれない!を毎日のように考えてしまうゲーム』と言えるくらいに楽しめている
1日ひとつだけ、強くなろう。それでいいのです。は伊達じゃないなと感じた
●その他細かい評価点
・BGMが素材ではない
これは筆者的にかなり重要
いかに良質な曲をゲームの雰囲気や展開に合わせても統一感に欠けるのが素材使用の弱点だと思ってる、こんな事考えるめんどくさいユーザーは筆者だけかもしれんが本作にその不満は一切ない
・敵のデザインがゆるくてシュールなドット絵
目で見て楽しめるし、殴る事に一切の抵抗がない(何気に大きい)
・キャラクターに一応の設定がある
ヲタク「本編で描かず、ほんの少しだけ情報を出して想像力に訴えるやり方はいつの時代もヒキョウです。」
・起動の時間やロードはほぼ気にならない
いい意味でこれ本当にSwitchのゲームか?と感じる、有難い
2…賛否両論ありそうな点
●エンディング見るだけなら低難易度
これは難易度が低いからクソゲーって話じゃなくて、セオリーさえ掴めばエンディングまでならそんなに苦労しない→試行錯誤の過程を知らずにやめてしまう可能性があり、それは本作を遊ぶにあたってすごくもったいないよな…と筆者が勝手に感じたってだけの話
エンディングまで遊んだなら追加ステージやHARDもやるだろうってのはやり込み派の話だと思うが、全スキルを解放してHARDまでやる事で見えてくる魅力は山ほどあるんだよな…
と書いた段階で、エンディングまでを妙に難しくしちゃったら今度は挫折する人が出てきそうな事に気付く
そう考えればここでうだうだ抜かす程の事でもないのかなとも思うが一応記しておく
●鍵にもう少し種類が欲しかった
鍵の半分以上は詰まるところ火力アップの手段として貢献してくれているが、効率よくこなせるようになればなるほど主力のダメージ源として扱うユニットは減っていく、少なくとも6人全員に力の書が4個渡る事は通常攻略の範疇ではまずないゲームなので、特殊効果の方にももっと振って欲しかった
じゃあどんな特殊効果が欲しいの?と言われても中々思い付かないのはごめんなさい(?)、まあこの辺は安直に追加した鍵があまりに便利すぎると問題を起こしそうってのもあるかなとは思うが
それまで見向きもされなかった鍵に価値が生まれそうではあるって部分も一応存在してそうな気配はあるんだけど、まだその域には達せていない身
●一部異様にめんどくさいボーナスがある
簡単に全部埋められてもやりこみにはならないというかそもそも全部埋める人が物好きという捉え方も出来るが、○○の書を全員にみっつ使おう系は狙わないと取れないくせして意図したプレイで取れるか怪しいくらいまで運に左右されるのがすごく辛かった
ほとんどのめんどくさそうなボーナスは色々なキャラや戦略を試すうちに自然に得られるものばかりだし、狙わないと取れないボーナスも狙えばそこまで苦労しないんだけど、これだけは本当にキツかった
ハイブースト三回やレア料理のように四つ葉のクローバーとワンモアに頼ればそんなに難しくないのに比べて、○○の書はレア枠ではない上に出現率が上がるキャラもいないので精神的な安定剤を得ながらプレイに臨む事が出来ないってのが一番辛かったかも
そしてこれは次項に繋がる
●ワンプレイ30分
率直に言って筆者はこれを全く悪く思わないどころか、むしろもうこんなに時間経ってたの!?くらいにしか思わないくらいに夢中になってたんだけど、人によってはプロモ画像からなんとなく伝わってくるお手軽っぽさとの実際のワンプレイの密度の差に思う部分はあるかもしれない
良くも悪くもプレイする事による脳内カロリーの消費量がイメージしてたよりずっと大きいゲームなので、負けた際に「30分丸々楽しめた!次!」という人と「30分もやって負けた…」って人の間に隔たりが出来てしまうのは否めない
繰り返すが筆者は密度の濃さゆえに30分を少しも長いと思わなかったです、通常攻略においてはって話なら(正直ボーナス埋めだけは明確に辛かったかな…)
3…筆者的に気になった点(※ただの要望や邪推・妄想を多分に含むのであまり本気にしないでください。)
●極一部に存在する超高速の爆弾が理不尽
そもそも爆弾が存在するステージは少ないので、恐らく意図的に理不尽にして怪我しても倒しきれるか否かを見るだけのDPSチェックなのかな…と筆者は受け取ったが、同時に「こんなん存在するなら理想編成なんざ組めないじゃん…」とも感じた
爆弾の存在自体は面白いんだけど、ボス戦で全く予測出来ないタイミングでほぼ反応不可能なスピードの爆弾が混じるのは、筆者的にはそこに戦略性が存在していないと捉えてしまうに十分だった
まさかWAVE30のボス戦の超高速爆弾の出現タイミングを全部覚えろとは言わないだろうが、考えうる戦略性としてはこの為だけに暗殺者や狂戦士を入れろと言われてるようであまりいい気はしなかった
念のため重ねて言うけど爆弾が存在する事自体は戦略性抜群で非常に面白いんですよ、ゆっくり来てくれさえすれば
●魂から得られるソウル量がパッと見で分からない
一応『耐久力の高い敵(大型?)からは得られる量が多い』『ボスWAVEの取り巻きから得られる量は全体的に少なめ』等の傾向はあるものの、どれくらいの量増えるかが実際に回収しないと分からないのはちょっと気になった
特に小型の敵の魂一粒から妙に大量のソウルが得られるという見た目で判断出来ない例外も確かに存在している事に気付くと、強い敵や厄介な敵なのに大した量のソウルが得られない事に対するギャップにガッカリする事が多かった
これが見た目で判断出来ると、回収したい欲と敵の対処のどちらを優先すべきかというジレンマが更に増したと思う
あ、その辺まで含めてやきもきして欲しいという狙いがある可能性には言及しておく>ヘタレの予防線
妄想に近い要望だが、なんかそういう内部データが見られる魔物図鑑的なものがあったら嬉しかったかもしんない
●HARDを普通に遊ばせてくれ
やってみると分かるがHARDは敵の耐久力が明らかにゲーマーより上がっている
それだけで違う体験が出来るんだけど、そこに更なる縛りプレイを強要され、最終コインがスコアになる都合上、コイン袋から得られる額が大幅に下がっている
それ自体は新たな戦略に目覚めたり色々試行錯誤したりで構わないのだが、率直に言って普通に遊びたかったというのが本音、正確には『普通に“も”遊ばせて欲しかった』が正しいか
耐久力が高いというだけで今までの自分の中で積み上げてきた理想編成が一気に崩れる事すらあるゲームなので、縛りが存在しなくても十分楽しめたと思う
得られるコイン量については、時間を掛けて攻略してもコインが稼げないので、稼ぎたければ結局通常モードで作業ゲーとなってしまうのが残念
『あなたはクリアしました!エライ!』と王冠マークで祝って貰えるのは有難いが、コインをくれないという事は高難度を攻略する事に対するゲーム的な褒美が事実上存在していないも同然なのではと筆者は捉えてしまった…ってのが本音
倍率ボーナスで“難易度HARD 500”くらいが貰える、もしくは実際に得られるコインが最終スコアの5倍くらいあると一気にモチベになる気がします どうせコイン貢ぐ先はキャラ強化しか残らないんだし…逆に言えば利用先が残るからこそ楽しみながら稼ぎたいとも言える
●総評という名のナニカ
パッと見の雰囲気こそ地味で、少し遊んだだけでは底が浅そうな印象も受けるが、その実やればやるだけ分かってくること、試したくなることがこちらの想定以上に次から次へと出てくる作品
ハマれば長く遊べるのはもちろんなんだけど、プレイ時間うんぬんよりも恐らく個人開発者の多くがユーザーに感じて欲しいであろう面白いゲーム遊んでるな~という体験の密度そのものが半端じゃなく濃いという感想は最も強く主張したい箇所
実際のプレイ時間外で遊んでいる時間が非常に多いというのは筆者的に良作の証で、それだけの時間を掛けるだけの価値があった
ゲームそのもののボリュームは値段相応というか、HARD全ステージ攻略や永遠の闘技場挑戦で区切るならそれほど大きい訳ではないが、その中には確かにぎっしりとした密度で『ゲーム』が存在している
何気に大きい点として、不満点を記すにあたっては重箱の隅をつつくような事しか書けなかったのは、少なくとも筆者的に致命的な問題点のようなものが存在していない事の証なんだと思う
得た経験と知識を活かし、しっかりデータと向き合って立てた理屈で攻略していきたい、そんなゲームをお探しの方には是非オススメしたいと心底言える作品だった
まだもうしばらく遊ぶつもりだし、もし今日飽きたとしても「他のステージや難易度をもっと沢山遊びたかったです」というゲームとして最高の感想のまま終われそう