問題
Q/P=1-1/2+1/3-1/4+・・・・・-1/1318+1/1319
において、答えを約分したとき、分子Qは素数である1979で割り切れることを証明しなさい。
解答
A=1+1/2+1/3+1/4+・・・・・+1/1318+1/1319
B=1+1/2+1/3+1/4+・・・・・+1/659
とおきます。
Q/P=A-2(1/2+1/4+1/6+・・・・・+1/1318)
=A-(1+1/2+1/3+・・・・・+1/659)
=A-B
=1/660+1/661+1/662+・・・・・+1/1318+1/1319
加える順番を変えて、
Q/P=(1/660+1/1319)+(1/661+1/1318)+・・・・・+(1/989+1/990)
=(1979/660・1319)+(1979/661・1318)+・・・・・+(1979/989・990)
=1979(1/660・1319+1/661・1318+・・・・・+1/989・990)
ここで、カッコの中はある分数になるが、分母の素因数(約数である素数)はたかだか1319以下の数である。
一方、1979 は素数であるので、1319 以下のいかなる素数の約数を持たず、カッコの中の計算結果の
分数の分母によって、約分されることはない。
よって、Q/P の分子 Q は1979 で割り切れる。
【問】 6キロ走ってタイムが18分だったとき、ある1キロの区間をちょうど3分で走っていたことを示せ
【解】 スタートを0分とし、x分からx+3分までの3分間で走った距離をf(x)とする(0≦x≦15)。f(x)=1となるxがあることを示せばいいので、以下はそれを考える。
すべてのxについて常にf(x)>1だと仮定すると、
6㎞=f(0)+f(3)+f(6)+f(9)+f(12)+f(15)>1+1+1+1+1+1=6㎞
となり矛盾する。よって、f(a)≦1となるようなaがある。
すべてのxについて常にf(x)<1だと仮定しても、同様に矛盾するから、f(b)≧1となるようなbがある。
問題
与えられた正方形と面積の等しい正三角形を作図しなさい。
解答
(1)与えられた正方形をABCDとします。
(2)CDの中点をMとし、BMとADの交点をEとすると、△ABEは正方形ABCDと等積です。
(3)点OをAO=EO、∠EOA=120°となるように取り、Oを中心、半径OAの円と、
Bを通り、AEに平行な直線との交点をFとすると、△AFEは正方形ABCDと等積であり、
∠EFA=60°です。(円周角の定理より)
(4)辺FE上にFG=FAとなる点Gを取ります。
2点E,Gを通る円(半径は任意)を描き、Fからその円に接線FHを引きます。
(FPを直径とする円を引くことで、接点Hを作図しています。ただしPは円の中心)
このときFHが求める正三角形の1辺になります。
これは、方べきの定理により、FE・FA=FH2が言えるためです。
(5)FE,FA上にFH=FI=FJとなる点I,Jを取って、出来上がりです
問題
図において、AC⊥BD です。
このとき、∠ADB を求めよ。
※図の数値の単位は°です。
解答
ACに対して点Bと対称な点をEとします。
各部の角度が上のように決まります。
EAとBCの交点をFとします。
各部の角度が上のように決まります。
△FBE≡△DEC
を考慮すると、
FB=BA=AE=ED
よって、△ADEは二等辺三角形となり、∠ADE=10°となります。
問題
縦、横、高さがそれぞれ9cm、9cm、6cmである直方体Vがあります。
この直方体の対角線の1本をmとして、直線mを軸としてVを180度回転させてできる直方体をWとします。
さて、VとWの共通部分の立体の体積は何cm3でしょうか。
解答
図のように、対角線の中点を通り、対角線に垂直な平面で、切断することを考えます。
図において、ABCD(DはBと重なっている)が、9×9の正方形で、AE,BF,CGなどが、6cmの辺です。
対角線AGの中点をM。C、Bから、AGに下ろした垂線の足を、N、Pとします。
△ACG,△ANC,△CNG は相似な直角三角形なので、
AC/CG=AN/NC=NC/NG
より、
(AN/NC)(NC/NG)=(AC/CG)(AC/CG)
AN/NG=AC2/CG2
の関係があります。
AC2=2×□ABCD=9×9×2=162
CG2=6×6=36
より、
AN:NG=162:36=9:2=18:4
PはANの中点なので、
AP:PN:NG=9:9:4
MはAGの中点なので、
AP:PM:MN:NG=9:2:7:4
以上より、BQ:QC=PM:MN=2:7 となり、BQ=2cm、QC=7cm となります。
また、Mは、BFの中点でもあり、BM=MF=3cm です。
よって、求める立体は、図のように、
9×9×6=486(cm<SUP>3</SUP>)
の直方体から、直角をはさむ3辺が、
7×7×6 の三角すい(C,Eを含むもの:体積49)を2つ
3×2×9の三角すい(B,D,F,Hを含むもの:体積9)を4つ
を取り去ったもので、体積は、
486-49×2-9×4=352(cm3)
線分の3等分
線分ABの3等分点を、定規とコンパスで作図する方法を、たくさん見つける。
垂線を引く、中点を取る、垂直二等分線を引く、角の二等分線を引く、平行線を引く
30°を含む直角三角形を描く、またそれを利用して、1:2:√3 の比を作る
は、既知のものとして、その作図方法は省略し、補助線も描いていません。
方法1 ABを1辺とする正方形を3つ図のように描き Aから対角線ACを引き、ABを含む正方形との 交点をDとし、DからABに下ろした垂線の足Eが 3等分点のひとつとなります。 | |
方法2 ABを1辺とする正方形を6つ図のように描き Aから対角線ACを引き、ABを含む正方形との 交点をDとし、DからABに下ろした垂線の足Eが 3等分点のひとつとなります。 | |
方法3 ABを1辺とする正方形を3つ図のように描き 対角線CDと、ABの交点Eが3等分点のひとつ になります。 | |
方法4 ABを1辺とする正方形を図のように4つ描き、 長さBCをBDの延長上に取り、AEを結びます。 AB=AFとなる点FをAE上にとり、点FからABに 下ろした垂線の足Gが3等分点のひとつになります。 (説明) ABを1とすると、BCは2√2となります。 △ABEにおける三平方の定理より、AE=3となります。 この上に長さ1のAFを取ることにより、1/3 の長さを作っています。 | |
方法5 ABを1辺とする正方形を図のように3つ描き、 長さCDをCEに取り、AEを結びます。 AB=AFとなる点FをAE上にとり、点FからABに 下ろした垂線の足Gが3等分点のひとつになります。 (説明) ABを1とすると、CDは√5 となります。 △ACEにおける三平方の定理より、AE=3となります。 この上に長さ1のAFを取ることにより、2/3 の長さを作っています。 | |
方法6 ABをB方向に2倍伸ばした点Dを取ります。 中心A、半径ADの円と、BからABに垂直に 延ばした直線との交点をEとし、AEを結びます。 AB=AFとなる点FをAE上にとり、点FからABに 下ろした垂線の足Gが3等分点のひとつになります。 方法4の辺の取り方の変更です。 | |
方法7 ABのBの方向に点C点DをAB=BC=CDとなるように取ります。 中心A、半径ADの円と、CからABに垂直に 延ばした直線との交点をEとし、AEを結びます。 AB=AFとなる点FをAE上にとり、点FからABに 下ろした垂線の足Gが3等分点のひとつになります。 方法4の辺の取り方の変更です。 | |
方法8 ABの両端が、30°、90°の直角三角形ABCを描くと、∠ACBの 二等分線とABの交点Dが、3等分点のひとつになります。 (説明) △ABC、△CBDはともに、30°を含む直角三角形です。 DB=1とすると、BC=√3、AB=3となり、点Dは、ABの 3等分点になっています。 | |
方法9 ABの両端が、30°、90°の直角三角形ABCを描くと、斜辺ACの 垂直二等分線と、ABの交点Eが、3等分点のひとつになります。 (説明) △ABC、△ADEはともに、30°を含む直角三角形です。 BC=1とすると、AB=√3。 一方、AC=2よりAD=1であり、AE=2/√3=2√3/3 よって、AE=(2/3)AB となり、点EはABの3等分点になっています。 | |
方法10 AB:AC=√3:1 の長さの線分ACを取り、ABと適当 な角度で配置します。 点Cから引いたACの垂線と、CBの垂直二等分線の交点 をEとし、中心E、半径CEの円と、ABの交点FがABの 3等分点のひとつになります。 (説明) AB=3とすると、AC=√3 方べきの定理より、 AC2=AF・AB √32=3AF よって、AF=1 となり、点Fは、ABの3等分点になっています。 | |
方法11 点AからABの方向以外に半直線を引き、AC=CD=DE となる点C,D,Eをこの順に取ります。 点Cを通って、BEに平行な直線とABとの交点Fが、3等分点 のひとつになります。 | |
方法12 方法11と同じように、点C、D、Eを取り、BEを結びます。 BEの中点と点Aを結んだ線と、BCの交点をFとします。 EFの延長と、ABの交点Gが、3等分点のひとつとなります。 (説明) チェバの定理を使っています。 | |
方法13 ABと同方向でない、適当な線分ACをとり、ACの中点Dと Bを結びます。BDの中点をEとし、CEとABの交点Fが、 3等分点のひとつとなります。 (説明) メネラウスの定理を使っています。 | |
方法14 Aを通り、ABと同方向でない直線を引き、この直線上に AC=ADとなる2点C、Dを、点Aをはさんで両側に取ります。 CBの中点をEとし、DEとABの交点Fが、ABの3等分点のひとつになります。 (説明) メネラウスの定理を使っています。 | |
方法15 ABとは同一直線上にない点Cをとり、Cから出る 半直線CA,CBを引きます。 CA上のある点DからABに平行に線分DEを引きます。 Dから、その直線上に等間隔に3つ点を取り、 3つめを点Eとします。 点EからCAに平行に引いた直線と、CBの交点を Fとし、点Fを通って、ABに平行な直線とCAとの 交点をGとすると、FGはDEと同じ長さになります。 FGの三等分点のひとつと点Cを結び、ABとの交点Hが、 三等分点のひとつとなります。 | |
方法16 方法15で、半直線CA,CBをAおよびBから 出した場合です。 | |
方法17 AC=3AB となる点Cを、直線AB上のB側に取ります。 AB=ADとなる線分ADを、ABとは違う方向に取ります。 点DからADに垂直に引いた直線と、CDの垂直二等分線 との交点をFとし、中心F、半径FDの円と、ABとの 交点Gが、三等分点のひとつになります。 (説明) AB=AD=3 とおくと、AC=9 方べきの定理より、 AD2=AG・AC 9=9AG AG=1 となり、GはABの三等分点のひとつとなります。 | |
方法18 ABを1辺に持つ、適当な三角形ABCを作り、 BCの中点をD、ACの中点をEとし、ADとBEの 交点をFとします。(Fは△ABCの重心です) 点Fから、ACに平行に引いた直線とABとの交点Gが、 ABの三等分点のひとつになります。 | |
方法19 Aを中心に適当な半径の円を描き、Bを中心に その2倍の半径の円を描き、交点をEとします。 ∠AEBの二等分線とABとの交点Fが、ABの三等分点のひとつになります。 (説明) 角の二等分線の定理より、 AF:FB=AE:EB=1:2 となります。 | |
方法20 AB=BCとなる点CをABのB側の延長上に取ります。 点A中心、半径ABの円と、点B中心、半径ABの半分の円との 交点をDとします。 (AD:DB=2:1 になれば、どんな長さでも良いです) CDの垂直二等分線と、BCの交点をFとし、 点F中心、半径FCの円とABの交点をGとすると、 点GはABの三等分点のひとつになります。 (説明) アポロニウスの定理(アポロニウスの定理 2つの定点 A 、B からの距離の比 m : n (≠ 1) が一定であるような点 Pは、線分 AB を m : n に内分する点 C と外分する点 D を直径の両端とする定円周上にある。)より、 AG:GB=AC:CB=2:1 になります。 | |
方法21 AB:BC=√3:1 となる線分BCを引きます。 点B中心、半径BCの円と、ABを直径とする円との交点を Dとし、DからABに下ろした視線の足Eが、 ABの三等分点のひとつになります。 (説明) △ABDは∠ADB=90°の直角三角形になります。 AB=√3 とすると、BD=1。 △ABDにおける三平方の定理より、 AD=√2 △DBE,△ADEは△ABDと相似な三角形なので、 BE:ED=ED:AE=1:√2 よって、 BE:AE=1:2 となります。 |
自然数の2乗和
を、図形的に証明します。
上の図のように、1辺が1の立方体を、12個, 22個, 32個, 42個 ・・・と積んでいき、n段までの個数(体積)
を計算します。
この立体を、下の図のように
・この立体を内包するn×n×nの立方体の3頂点を通る平面
・その平面に平行で、辺1つ分ずらした平面
で、切ります。
この切断により、各段の立体がどのように分けられるかを見ます。
オレンジ色の部分は、すべての段を集めると、
n×n×nの立方体から切り出した、三角錐になります。
その体積は、n3/6
青い部分は、オレンジ色の部分と同じものなので、体積はn3/6
黄色の部分は、1×1×1の立方体から、三角錐を2つ取り除いた立体(体積2/3)
で、上からn段目にはn個存在する。
緑の部分は、1×1×1の立方体から切り出される三角錐(体積 1/6)で、
上からn段目には2(n-1)個存在する。
以上より、この立体の体積は、
n3/6+n3/6+2/3 × n(n+1)/2 +1/6 × n(n-1)=(2n3+3n2+n)/6=n(n+1)(2n+1)/6
立方体から切り出した三角錐とは、
立方体の1つの頂点と隣り合う3つの頂点を通る平面で、
立方体を切るときに出来る、3つの直角二等辺三角形と、
1つの正三角形から出来る三角錐で、体積は、立方体の 1/6 となる。
ナポレオンの三角形
図のように△ABCの3辺の外側に正三角形ABD、BCE、ACFを作り、それぞれの正三角形の重心をG,H,Iとするとき、△GHIは正三角形となる。
ナポレオンの三角形(外側) |
<証明>
△ADCと△AGIにおいて、
∠DAC=∠BAC+∠DAB=∠BAC+60°
∠GAI=∠BAC+∠GAB+∠CAI=∠BAC+30°+30°=∠BAC+60°
より、
∠DAC=∠GAI ・・・(1)
また、
AG=AD/√3 ・・・(2)
AI=AC/√3 ・・・(3)
(1)(2)(3) より、2辺の比とその挟む角が等しいので、
△ADCと△AGIは相似。
また、
∠DAG=30°
より、GIはDCを時計回りに30°回転した位置にある。
△BDCと△BGHにおいて、
∠DBC=∠ABC+∠DBA=∠ABC+60°
∠GBH=∠ABC+∠GBA+∠CBH=∠ABC+30°+30°=∠ABC+60°
より、
∠DBC=∠GBH ・・・(4)
また、
BG=BD/√3 ・・・(5)
BH=BC/√3 ・・・(6)
(4)(5)(6) より、2辺の比とその挟む角が等しいので、
△BDCと△BGHは相似。
また、
∠DBG=30°
より、GHはDCを反時計回りに30°回転した位置にある。
以上より、
GI=GH
∠IGH=60°
より、△GHIは正三角形である。
証明終
平方根の筆算
(a+b+c+d+・・・)2=a2+2ab+b2+2(a+b)c+c2+2(a+b+c)d+d2+・・・・・・
を元にして、各位の数を決めていきます。
例として、3の平方根を計算します。
一の位 1 を立て、12=1 を引きます。 1 をそのまま左に書きます。 1 の下に同じ数 1 を書き、足し算します。 これが 2a にあたります。 | |
余りの 2 に 00 を付けます。 左の 2 に対して (20+b)×b が 200 以下になる最大の b として 7 を立て、27×7=189 を 200 から引きます。 次に、左の 2 の右に 7 を書いて、27 とし、これにさらに 7 を足します。(これが 2(a+b) にあたります) | |
余りの 11 に 00 を付けます。 小数第二位 3 を立て、343×3=1029 を 1100 から引きます。 次に、左の 34 の右に 3 を書いて 343 とし、さらに 3 を足します。(これが 2(a+b+c) にあたります) | |
余りの 71 に 00 を付けます。 小数第三位 2 を立て、3462×2=6924 を 7100 から引きます。 次に、左の 346 の右に 2 を書いて 3462 とし、さらに 2 を足します。 以下、これのくり返しで、計算していきます。 |
立方根の筆算
を元にして、各位の数を決めていきます。
例として、3の立方根を計算します。
一の位 1 を立て、13=1 を引きます。 3×12=3 を左に、3×1=3 を右に書きます。 | |
余りの 2 に 000、左の 3 に 00、右の 3 に 0 を付けます。 300×a と 30×a2 と a3 が 2000 以下になる最大の a として 4 を立て、300×4=1200、30×42=480、43=64 を 2000 から引きます。 次に、右の 30 に (4×2=) 8 を掛けた 240(これが上式の 6ab に あたります)と 3×42=48 を 左の 300 に足します。 また、3×4=12 を 右の 30 に足します。 ※このような足し算をせずに、3×142=588 3×14=42 をその都度計算 しても良いでしょう。 | |
余りの 256 に 000、左の 588 に 00、右の42 に 0 を付けます。 小数第二位 4 を立て、58800×4=235200、420×42=6720、43=64 を 256000 から引きます。 次に、右の 420 に (4×2=) 8 を掛けた3360 と、3×42=48 を 左の 58800 に足します。 また、3×4=12 を 右の 420 に足します。 ※上と同様に、3×1442=62208 3×144=432 を計算しても良いです。 | |
余りの 14016 に 000、62208 に 00、432 に 0 を付けます。 小数第三位 2 を立て、6220800×2=12441600、4320×22=17280、 23=8 を 14016000 から引きます。 次に、右の 4320 に (2×2=) 4 を掛けた17280 と、3×22=12 を 左の 6220800 に足します。 また、3×2=6 を 右の 4320 に足します。 ※同様に、3×14422=6238092 3×1442=4326 を計算しても良いです。 以下、これのくり返しで、計算していきます。 |