ソロジャーナル「MysteriousFlowerShop」で遊んだログになります。
こちらはCoC「花冷えに亡く季節」のネタバレが含まれるログになります。
閲覧はそれを承知のうえでお願いします。
きみは美しい花々が咲く、とある町で暮らしている。
その日、きみは今まで入ったことのない路地に足を踏み入れた。
路地の奥に進むと、やがて開けた場所に出て、そこできみは一軒の花屋を見つけた。
美しい花が飾られているのに、その店には不思議なことに客が誰もいないことに気付く。
不思議に思いつつも店の中に入り、花を眺めていたきみに店主が話しかけてくる。
店主はきみを気に入ったようで、この店でアルバイトをしてみないか、たまに来る程度でもいいからと言ってきた。
店の雰囲気に惹かれたきみは、その誘いを承諾し、アルバイトをしてみることにした。
働くうちにきみは気付く。
この店が普通の花屋ではないこと、
やってくるお客はみな何か訳ありだということに。
これは、不思議な花屋で働くきみの一年と、その一年間にきみが書き綴った記録。
ソロジャーナル「MysteriousFlowerShop」
■第1章とオープニングの季節:春(スペード♤)
きみ:ヨナタン
18歳の男性。
去年までは病気療養のため、とある施設に預けられていた。
長身痩躯、黒髪で整った顔立ちをしているがどこか陰があり近寄りがたい。
ファッションや音楽鑑賞に興味がある若者。
男気があるが直情的で子どもっぽいところもある性格。
店主
店主は不思議な術を使う魔法使いらしい。
店が繁盛しているようにも見えないのにやっていけるのは、どうやらそういったところに関係があるようだ。
店主は、働いているうちにいろいろわかるからと言って、詳しいことは教えてくれないだろう。
長髪で女性的な服装をしているが、ヨナタンよりも背が高く、低い声で話す。
働く条件はきみに合わせてくれる。
学校が忙しいなら、来られる時に来るだけでよいと店主は言う。
給料は時間に応じた適切な金額を払ってくれるだろう。
条件が緩いかわりと言ってはなんだけどと言って、店主はきみに一つの課題を出してくる。
クラブ♧:花壇をデザインしてほしい
ここにある花を使っていいし、完成するのは一年後でいいからと店主は言う。
出来上がればボーナスも出るというので、きみはその要望を受け入れる。
■第一章 春
できごと:クラブ♧のK
花瓶に入れるための花を客が買いに来る。
これから使う花の種類:季節の花(桜系)
花瓶に生けるための花……できれば季節の花が欲しいという客が来る。
咄嗟に思いついたのは、桜だった。
店主に相談して、桜を用意してもらう。
店にガラスの花瓶があるからと、それをそのまま客に勧めた。
丸いガラス製の花瓶に桜の細枝を入れて客に見せると、いたく気に入ったようだった。
買い上げてもらったのを見て、店主が得意げにしていた。
「わたしの目に狂いはなかったろう」じゃないだろ。
花にも接客にも不慣れなオレが花屋に立っているのは不思議な感じがした。
桜を眺めていると、あの春を思い出す。
オレの罪は、オレが背負っていかなくちゃいけないことだから。
誰に話すでもないが、そう思った。
それにしても、花壇のデザインをどうしたもんかと思ってしまった。
今日の対応だって無理くり対処した感じだったので、先が思いやられる……。
■第二章 夏
できごと:赤のジョーカー
※ジョーカーを引いたら
この町は、魔法の力の影響を受けている。
花がいたるところで綺麗に咲いているのも、魔法の力の一端だ。
ただ、その魔法の力には波がある。
たまに強くなりすぎる時があって、そうなると奇妙な事態を引き起こす。
それをあらわすのがジョーカーだ。
赤であれ黒であれジョーカーを引くと、何かしらの不思議な現象が発生する。
ダイヤの偶数:アクシデント
魔力はきみの運をかたよらせる。
めったに起きないようなとても良いことが起こるか、あるいは信じられないほど不運な事故が起こる。
(魔法イベントは、エンディングで回収することにした)
できごと:ハート♡の4
温室やビニールハウスの花を見に行く。
これから使う花の種類:ハイビスカス系
夏のある日、店主が「美女に会わせてやるからついてこい」とかぬかして無理矢理温室に連れてこられた。
かしましい女どもはごめんだと思って嫌々着いていくと、そこにいたのは美女……なんかじゃなく、ハイビスカスだった。
温室で育てている普通のハイビスカスらしいが、もし花壇に使いたいようなら魔法とやらの力でなんとかしてくれるらしい。
生垣にするのもありかもしれないとは思いつつ、素人のオレにそれが作れるのかいまいちピンとこなかった。
その赤を見ていると、かつては忌々しいと思っていたあの病を想起する。
治療が終わり「普通」の身体になった今でも、この色はいまいち好きになれない……気がする。
店主がオレの髪にハイビスカスを刺してくる。
似合うと言われても、どんな顔していいのかよくわからなかった。
花に対する抵抗感は大分軽くなったとはいえ、あいつのいないオレが花を飾ったところで……
独り立ちしたら、働きながらでもあいつを探し続けようと決めている。
その時、もしオレが赤い花を身につけて活動していたら、あいつはオレに気付いてくれるだろうか。
■第三章 秋
できごと:クラブ♧のQ
家庭内のイベントに使う花を客が探しに来る。
これから使う花の種類:季節の花(コスモス系)
ホームパーティーに使う花が欲しいという客が来た。
季節の花が良いと言われ、店主に相談してコスモスを用立ててもらう。
家の中に置くなら籠に入れて持ち運びできるほうがいいかと思い、バスケットアレンジとかいうやつを勧めた。
それも店主に頼もうとしたら「自分で作ってみるといい」とかぬかしやがる。
素人に任せて、どうなっても知らねえぞと言い含めた上で作ることになった。
期日までは時間があるからと、急ぎでないようだったので色々考えながらなんとか完成させた。
アヴリルで花冠を作ったときのあの感じを思い出しながら作った気がする。
あそこの連中はみんな花が好きだったから、オレでさえ花に対する嫌悪感が少しずつ変わっていったように思う。
巡り巡って花屋でバイトすることになるなんて、おかしな話もあったもんだ。
これも縁ってやつなのか?
気付けばバイトを始めてから半年が過ぎていた。
■第四章 冬
できごと:スペード♠の10
建物を花で飾りたいと客が相談してくる。
これから使う花の種類:ポインセチア系
ロッジのクリスマスイベントを盛り上げたいとかいう客が来た。
クリスマスなら、安直だがポインセチアかなと提案する。
ポインセチアをクリスマスツリーの形に飾り付けできないか店主に相談してみる。
魔法とやらでそれもできるらしい。こいつなんでもできるな……。
ガキの頃はなんだかんだでクリスマスが楽しみだった気がする。
オーナメントを飾り付けながら色々考えていたが、客からロッジは複数軒あるからもっとツリーを作ってほしいと言われ、大忙しになった。
店主や客も巻き込んでの飾り付けになっちまった。
時間は掛かったが、いいものができたように思う。
あいつも今頃どこかでクリスマスを祝ってるのかな。
早く見つけてやらないとな。
何度でも教えてやるって約束したから。
早く大人にならねえとと思う。
■エンディング 課題の作品を作る
花壇のデザインについて。
色々悩んだけど……思い切って薔薇のガーデンアーチを作ることにした。
アヴリルでアッシュに「綺麗だ」と言ってもらってから、オレにとってこの花は嫌いだけど嫌いじゃない、そういうものになった気がする。
この一年でいろんな花に触れて、ちっとだけ花に対する抵抗感も薄くなったかもしれない。
だから、なんとなく課題のテーマとして赤い薔薇を使いたくなった。
ガーデニング初心者のオレが考案したものだから、突飛なデザインだったろうに店主は喜んで手伝ってくれた。
「一年でだいぶ表情が柔らかくなったね」とか抜かしやがる。
緩んだ雰囲気ってのは伝播するもんなんだなと返してやった。
アヴリルの庭ほどじゃないが、初心者のオレが考えたにしちゃ立派なガーデンアーチが完成したように思える。
店主はボーナスを弾んでくれると言ったが、それよりほかに頼みたいことがあった。
治療を受ける数日前にオレの花で作った、プリザーブドフラワーを店主に見せた。
素人が作ったやつだから、保ってあと1年くらいだと思うから。
店主に頼んで、もう少し長持ちするようにしてもらった。
これであいつを見つけるまで、この花は保つだろう。
また会えたら、きっとあいつは「綺麗だ」と言ってくれるって信じてるから。
手土産を確保できた、という意味では悪くないバイトだったように思う。
店主が誰に渡すのか聞いてきてうるさかったが、そんなのてめぇなんかに教えるかってんだ。
ソロジャーナル「MysteriousFlowerShop」