聖俗の堺3

[05:04:15] comet Morigi: 今夜は、前回に頂いた意見や疑問を受けて続けたかったのと、

[05:04:52] comet Morigi: 宗教学には門外の私が、芸術論とのバランスを見ながら、行き先を考えているところです。

聖別

[05:25:57] comet Morigi: 館内展示のキリスト像に祈る人が居ない一方、

[05:26:13] comet Morigi: 仏像なら館内でも、少しは拝む人がいる。

[05:26:57] comet Morigi: カトリックでは、魂入れ・魂抜きに相当する

[05:27:14] comet Morigi: 聖別・祝別という儀式があります。

[05:28:02] comet Morigi: それで、キリスト教圏の美術館で、聖像に魂抜き・入れをしてるかどうか。

[05:34:12] Amari Blackburn: 例えば、聖骸布とかを美術品で展示するときとかは、どうなんでしょうね?

[05:30:12] Amari Blackburn : 成聖は、あったかなあ・・・

[05:30:48] Amari Blackburn: 祝別は、物品に対して有ったか、私の記憶に無いのです

[05:31:31] Amari Blackburn: ミッション系の学校に一時期行ってたんですが

[05:31:48] Amari Blackburn: 建物だけのことだったような

[05:32:14] Amari Blackburn: 中の調度品が聖なる物だったか…

[05:32:27] Amari Blackburn: もちろん、宗派で違ってくるのかもしれませんが

[06:02:09] comet Morigi: 検索した範囲では、

[06:02:34] comet Morigi: 建物・人・処女・物、色々な対象に行います。

[06:03:08] comet Morigi: 聖別を受けた処女と、世俗の処女が有るんだって。

[06:03:59] comet Morigi: 聖別というのは、区別と祝福を合わせたような、名詞・動詞です。

[06:04:01] Yan Lauria: どうも宗教には感情移入できないもんで

[06:04:42] comet Morigi: それは、「日本のSFには、神話構造がない。新幹線を爆破するのも、木星を爆破するのも、一緒だ」

[06:13:37] comet Morigi: 前回、あまりさんが、宗派の違う仏像を館内で供養する場合について、質問を出してたっけ。

[06:14:28] comet Morigi: だいたい所蔵寺が、所蔵品に対して、お経を読み上げてるみたいですね。自分の寺から貸すときに。

[06:15:30] comet Morigi: 博物館内で供養する寺は、そんなに多くないです。

[06:16:12] comet Morigi: 奈良国立博物館と親しい一部の寺が、試みに付き合っている・協力している状態らしい。

[06:16:26] Amari Blackburn: きっと、かち合わないように時間ずらしてたりめんどくさい作業が

[06:16:32] Amari Blackburn: 伴うんじゃないかとw

[06:16:45] はるか (haruka.mcmahon): ゲンジツテキですねw

[06:16:59] Amari Blackburn: お経混じるとなんか読みづらそうだからw

[06:17:15] comet Morigi: 館蔵品にも、寺からの寄付品や寄託品があるかも。

[06:18:32] Amari Blackburn: すべての物に数百年の心の重みをのせるのは大変そうですね

生きている宗教・死んだ宗教

[05:29:43] comet Morigi: それから、アーモンドさんが言ってた、

[06:32:43] comet Morigi: 博物館の中に、丸ごと神社を入れてしまえば、

[06:33:10] comet Morigi: 「鳥居の向こうに聖域が無い」違和感は、取り敢えず回避できます。

[06:34:32] Almond Andel: 不思議に白々しいものに見えますね。

[06:34:35] Almond Andel: 外にあれば、神殿だったものが、オブジェに見える

[05:31:49] Almond Andel: ああ、博物館に持ってくると、聖性が失われて見える、ってことですね

[05:30:12] comet Morigi: メトロポリタン美術館のエジプト・ローマ神殿です。 The Temple of Dendur

[05:32:28] comet Morigi: YouTubeで見ると、もっと分かりやすいかな。

[05:32:35] comet Morigi: だれも、信仰してない。

[05:33:41] comet Morigi: http://www.youtube.com/watch?v=YKZZaAp6XtM

[05:35:40] comet Morigi: エジプトやローマの神は、もう死んだ宗教なので、

[05:36:05] comet Morigi: ミイラに魂を入れたり抜いたりする神官が、滅びてしまっている。

[05:36:42] comet Morigi: でも仏教は、今も生きていて、

[05:37:03] comet Morigi: ちょっと気を抜くと、お寺のストライキとか、起きてしまう。

[05:37:57] comet Morigi: 館内に、鳥居や仏像を置くのと、エジプト神像を置くのとでは、来館者の反応・信仰心が違ってきます。

[05:38:24] comet Morigi: もう、エジプトの神を拝む人は、いない。

[05:38:54] comet Morigi: YouTubeのビデオに映っている来館者も、全員・単なる観光客か鑑賞者です。

[05:39:31] Almond Andel: 現物の持つ空気をなんとか再現しようという努力が窺えるような展示ですね。動画で見ると、違う風に見える

[05:40:11] comet Morigi: 同分館のクロイスターズも、とても心のなごむ空間です。

[05:41:16] comet Morigi: ニューヨークに行ったら、ぜひ寄りましょう。セントラルパークから北西外れにあります。

仏の魂、人形の魂

[05:43:08] comet Morigi: Yanさんの言ってた、「館蔵品に魂がある」 という感触・仮説

[05:44:38] Yan Lauria: (「クラーケン」というSF小説では、博物館に守護エンジェルが付いてるんだ)

[05:43:59] comet Morigi: 博物館(世俗)の仏像は、貸出す寺の方針として、魂を抜くのが基本でした。

[05:44:36] comet Morigi: それは、ご本尊というか、仏の中でも、えらい仏様の魂のことだと思う。

[05:45:06] comet Morigi: ところが、寺はまた、針供養・人形供養をしてることがあります。

[05:45:16] comet Morigi: 針や人形にも、魂が有るらしい。

[05:45:51] comet Morigi: 子供のおもちゃの人形に人格を認めて、捨てるとき死者扱いで供養する。

[05:46:41] はるか (haruka.mcmahon): すべてのものに神性・仏性が宿る、というのは日本的ですね

[05:46:48] comet Morigi: その延長で、一般家庭の仏像を処分するときも、仏像供養というのは、あります。

[05:47:13] comet Morigi: だから、博物館の仏像に供養するとしたら、その線で説明がつく。

[05:47:33] comet Morigi: それは、み仏の魂のことではなく、下級(?)の魂かもね。

[05:48:01] comet Morigi: ご本尊の魂と、仏像の魂の二本立てになってる。私の推測ですけど。

博物館の賽銭を供養料に?

[05:49:14] comet Morigi: さて、私自身の専門を超えて、グズグズ推測を重ねてますけど、なぜなら、博物館も寺も、見解を言ってないからです。

[05:49:40] comet Morigi: 私も、講座を持つ者として、国立博物館にメールで訊ねようかとも思ったものの、

[05:50:06] comet Morigi: 黙ってるのは、隠してるわけじゃないだろうけど、

[05:50:17] comet Morigi: 言いにくい・言いたくない事情が有るんじゃないかな。

[05:50:39] comet Morigi: そういうつもりで、木下直之「文化資源学の現状と課題」(2004)(5-6頁)を読み返すと、

[05:51:26] comet Morigi: 何度も出してますが、賽銭の解説です。

[05:51:50] comet Morigi: 現代美術館で、積極的に来館者から仏像への賽銭を受け入れて、

[05:52:13] comet Morigi: そのお金は、当仏像の所有寺に渡す、と書いてあります。

現代美術館の役割が、人間と造形物・造形

表現の関係をつねに見直し、更新してゆくことにあると

考える主催者は、美術館では仏像を鑑賞するのであって

決して拝んではいけないという了解事項そのもの、言い

換えれば美術館の在り方それ自体を再考する絶好の機会

だととらえた。たとえ場所を美術館の展示室に移されよ

うとも、そもそも仏像は拝まれるためにその形態を与え

られたのではないか、という素朴な問いを口にするだけ

でも意義がある。

(中略)

集まったお賽銭は、仏像の返却時にいっ

しょにその所有者に渡す方針だという。

[05:52:59] comet Morigi: 一方、奈良国立博物館は、来館者賽銭の信仰心を無視して、落とし物扱いで、警察に届けている、とあります。

奈良国立博物館では、単純明快な原則を立てている。お賽銭は

観覧者の忘れ物、落とし物、すなわち遺失物として処理し、

警察に届け出るという。お賽銭の所有権はそれを投

じた後もなおその人に属するという第3の解釈で、これ

は首を傾げたくなるおかしな話だ。お賽銭とは人が仏像

に(仏にというべきかもしれない)渡した金銭であり、

決して「遺失物」ではないだろう。

仏像の扱いに関するこの問題は、1868年の

明治政府による神仏分離令(廃仏稀釈をもたらし、それ

は国家による文化財保護が展開するひとつの契機とな

る)、1945年の連合国最高司令部による政教分離政策(神

道指令に始まり日本国憲法へと展開)というふたつの今

なお有効な、しかし、あまりいっしょに論じられること

のない拘束の中で捉えなければならない。

[05:53:18] comet Morigi: 廃仏毀釈の名残だろう」と。

[05:53:37] comet Morigi: 明治・文明開化の時期に、仏教を抑えこんでいたので。

[05:53:58] comet Morigi: その後、廃仏毀釈が忘れ去られて、

[05:54:09] comet Morigi: 賽銭の取り扱いのルールだけが、惰性で残ったように、読めます。

[05:54:28] comet Morigi: だから、指摘された国立博物館は、自ら改革に乗り出したんでしょう。

[05:54:35] comet Morigi: つまり、館から僧に渡す供養料の財源です。

[05:55:12] comet Morigi: 展示品に対する信仰の証として賽銭が置かれて、

[05:55:34] comet Morigi: その来館者の心を受け付けるには、賽銭を寺に託して供養に来てもらうのが妥当であろう、と奈良博が考えた、

[05:56:13] comet Morigi: との仮定なら、寺や館の口が重いのも説明できます。

[05:59:19] comet Morigi: いちおう、予定の題目の中で、

[05:59:34] comet Morigi: ロスコ・チャペルと自己参照絵画だけ、残してますね。

[06:00:14] comet Morigi: ロスコ・チャペルは、ポロックのようなオールオーバーな抽象画で飾られた、無宗教・汎用の礼拝堂です。


朝日紙の日展批判

[05:05:44] comet Morigi: 本題に関わりが薄いのですが、朝日新聞・日展入選割り振り批判キャンペーン

日展書道「篆刻」、入選を事前配分 有力会派で独占

2013年10月30日05時41分

「天の声」で入選差し替え 日展書道、事前配分

2013年10月30日07時54分

「先生に手ぶらじゃ駄目」 日展、厳しい階級社会

2013年10月30日07時54分

[05:07:54] comet Morigi: これ、タイムリーで重要なので、今日の題目に無関係でも、言いたくなっちゃう。

[05:08:49] comet Morigi: 誰か、変なところに気付いた人、居ないかなぁ。

[05:09:27] comet Morigi: ・会派ごとに入選枠の割り当てが有った

[05:09:50] comet Morigi: ・上納金など師匠に弟子から贈らなきゃいけない

[05:10:28] comet Morigi: これを指摘されただけで、日展組織が大臣賞辞退したとか、文化庁後援を見送りとか、騒がしいんですけど、

[05:10:38] comet Morigi: 未だ、気付いた人居ませんか?

[05:10:49] はるか (haruka.mcmahon): うーん?

[05:11:29] comet Morigi: 会派ごとに、入選枠を割り振るというのは、公然と一世紀近く行われてきたことでしょ。

[05:12:13] はるか (haruka.mcmahon): 何を今更、という反応は多かったですね

[05:11:42] Yan Lauria: 第三者委員会の発足の記事?

[05:11:58] comet Morigi: 日展・二科会・創画会・院展・etc...

[05:12:10] comet Morigi: どんどん展覧会組織が分裂・増えていって、

[05:12:35] comet Morigi: そのたびに展示場所(=入選枠)を、分け合ってきてるんです。

[05:13:09] comet Morigi: 公立美術館の展示場所を、賃借して応募者に又貸しして、既得権として使い続けるという、公然の制度自体が、

[05:13:20] comet Morigi: 会ごとに入選枠を割り振ってるじゃないですか。

[05:13:47] comet Morigi: 上納金というけど、

[05:14:13] comet Morigi: そもそも、審査料・出品手数料の名目で、初めから上納させてるじゃん。

[05:14:33] comet Morigi: だから、入選枠割り当てが悪い・上納金が悪いというなら、

[05:15:02] comet Morigi: 公募団体展制度自体が、一世紀前から、間違っている・悪いことになるんです。

[05:15:18] comet Morigi: いったい、朝日は、何を考えとるんじゃ。

[05:15:34] comet Morigi: あんな記事は、裏事情を秘めたまま、批判だけ先行させてるに決まってます。

[05:13:09] Yan Lauria: > 書に限らず、日本美術界で日展入選は「出世」への第一歩だ。特選や内閣総理大臣賞を受賞するたびに階段を上る「階級制度」が厳然として残る。階級が上がるほど弟子が集まり、収入が増えるしくみだ。

[05:13:33] Yan Lauria: > 日展の規定や内規によると、2回特選をとると審査しないで毎年作品が展示され、審査員になる資格を得る。審査員に選ばれると日展会員になり、審査員を3回務めると日展評議員になって内閣総理大臣賞や文部科学大臣賞の対象になる。

[05:16:19] comet Morigi: なぜ、先に団体展制度を批判しなかったのか。

[05:16:37] comet Morigi: 「国立新美術館」という名の貸し館に、朝日も一切批判してなかった。

[05:16:53] comet Morigi: なぜか。

[05:17:14] comet Morigi: 館方針の大枠を決めたのは、平山郁夫です。

[05:17:47] comet Morigi: 平山は、竹下登を通じて、中国共産党に寄り付いて、シルクロードを題材に制作してます。

[05:18:26] comet Morigi: 朝日とNHKは、シルクロード取材にあたって、平山の世話で中国に入っていました。

[05:18:46] comet Morigi: だから、平山に頭が上がらない所が有る。

[05:19:09] comet Morigi: その平山、最近亡くなった(2009年12月)。

[05:19:27] comet Morigi: もしかすると、朝日紙・日展双方に、世代交代が起きてるのかもね。

[05:20:03] comet Morigi: 平山は、被爆者ヒバクシャと称してるけど、ウイグル核実験の惨状なんか、全然描いてないです。

[05:20:47] comet Morigi: それぐらい、中国・朝日・平山は、ベッタリだった。

[05:21:43] comet Morigi: そのつもりで、日展の批判報道を読み込めば、違ってくると思います。

[05:19:36] Yan Lauria: そっか、平山の絵自体は嫌いじゃなかったんだけど

[05:22:22] Yan Lauria: 青の使い方が気になってたんだけどね