Around the Twilight
The end of a day, whispered by the twilight
今日もおしまいだと、黄昏が囁いた
Walking all alone, I breathe in deep
一人ぼっちで歩きながら、深く息を吸う
The city view used to arrive with hostile eyes
この街の景色は 敵意の目に満ちていたのに
I’m wondering why it’s now calm and beautiful
どうして今では穏やかで 美しく見えるのだろう
Even tear and joy, I’ve left in the past
涙や喜びすら、過去に置いてきてしまった
My thank-yous and all apologies
ありがとうも沢山のごめんねも
And I wanted to say what I was feeling at the time
言いたかったあの時のわたしの気持ちも
Now I can say everything to you
今なら全部あなたに言える
I dream of telling you
あなたに伝えられる、夢を見るの
The stories of my life
私の物語の舞台は
In the rainy part of town
雨降る町の片隅で
I couldn’t foresee times
先のことなんてなにもわからなかった
I can be myself for once
今だって自分のことだけで精一杯なの
I stare at this dim light
床に置かれたろうそくの
From a candle on the ground
薄暗い光をじっと見つめる
I’m wondering why I’m visited by all that I was
忘れさせてくれない あの日々がよぎるの
Night is here and now I close my eyes
夜が訪れて 私は目を閉じる
Vision fogged by life, emotion was gone
運命が未来を奪い、感情は消え失せた
The words you would say, they showed me kindness
あなたが昔くれた言葉は 思いやりを教えてくれたわ
I couldn’t see the meaning behind it, and attacked
言葉の裏に隠された意味がわからずに 当たってしまった
The reason that I can be me now
今の私がいるのは
Is all because of you
なにもかもあなたのせいよ
全部あなたのおかげよ
Everyone is searching and overwhelmed
誰もが探し求め 苦しめられている
We’re always wishing to be ourselves
ありのままでいられる日が来ることを いつも願っている
But destiny plays tricks on us
それでも運命は二人を弄んで
And time goes by
時は流れて行く
Sun set, sun rise, days will all repeat
日が昇り、日が沈み、ただ日々は繰り返す
Winds pass by only to rain again
風は雨を運んで ただ吹き抜ける
This brand new day, I want to go to you
そんなまっさらな世界で、あなたに会いに行きたいの
And here comes the sun again
そしてまた日が昇る
The stories of my life
私の物語の舞台は
In the rainy part of town
雨降る町の片隅で
I couldn’t foresee times
先のことなんて何もわからなかった
I can be myself for once
今だって自分のことで精一杯なの
When everything is right
ベッドの中でだけは
In a bed, no longer bound
何にも縛られずにいられる
In silence, I find
静けさの中で 気づかされる
I’m visited by so many sights
私を見透かす 数えきれない視線に
Night is here and now I close my eyes
夜が訪れて 私は目を閉じる
Dream ride, aboard this train and find
夢の中で この外国行き列車に乗って
Right outside this window sight
窓の景色の向こうへ 光を見つけに行くの
One glance, forever world expands
一筋のきらめきよ 世界中へ広がって
The skyline, freeform, advance
大空を 自由を 革命を照らして
My new story starts again
新しい物語が また幕を開ける
When I wake up
今度は 夢から覚めてから
Around the Twilight歌詞解釈補足
劇場版OPのカップリング曲の歌詞和訳の解釈の過程を補足していきます。こちらも場合により内容が変更されることがあります、ご了承ください。
この曲全体の解釈は「プリンセスとして生きることになったアンジェの心中」です。
※便宜上以下プリンセス(元アンジェくん)/アンジェ(元シャーロット王女)と表記します。
以下に続く翻訳、解釈、単語の意味の取捨選択はすべて個人の感想です。
The end of a day, whispered by the twilight
今日もおしまいだと、黄昏が囁いた
Walking all alone, I breathe in deep
一人ぼっちで歩きながら、深く息を吸う
The city view used to arrive with hostile eyes
この街の景色は 敵意の目に満ちていたのに
I’m wondering why it’s now calm and beautiful
どうして今では穏やかで 美しく見えるのだろう
→Walking all alone~ のallはalone(ひとり)をちょっと誇張するニュアンス。この歌の中ではよく登場していて、日本で言う「すごい」を多用するような庶民感があります。the city view~の”used to”は「かつては~だった」という懐かしさや回顧を表す表現
Even tear and joy, I’ve left in the past
涙や喜びすら、過去に置いてきてしまった
My thank-yous and all apologies
ありがとうも沢山のごめんねも
And I wanted to say what I was feeling at the time
言いたかったあの時のわたしの気持ちも
Now I can say everything to you
今なら全部あなたに言える
I dream of telling you
あなたに伝えられる、夢を見るの
→My thank-yous~はthank(thinkの過去形) you で「あなたを想う」とthank youの「ありがとう」で意味がかかっています。。。。文法的にも内容的にもとても素直な歌詞で切なくなります
The stories of my life
私の物語の舞台は
In the rainy part of town
雨降る町の片隅で
I couldn’t foresee times
先のことなんてなにもわからなかった
I can be myself for once
今だって自分のことだけで精一杯なの
→アニメで語られなかった、プリンセスがかつて生きていた世界を自ら語る重要な歌詞。storiesと複数形なので人生の少なからぬ部分を過ごした場所であることを示唆しているようです。冒頭ではthe cityと言っているのに対しここはtownという語の相違がみられますが、指す場所が異なるか、元居た世界を取るに足らないダウンタウンとして表しているのかそういった意図がみられます。
後半の歌詞にも出てきますが、この歌ではrainyが少し特別な意味を持っているように思われます。辞書で引くとただ「雨、雨の降る」という意味合いしかないですが、個人的には「風雨にさらされる貧乏人」を描写していると考えています。
I stare at this dim light
床に置かれたろうそくの
From a candle on the ground
薄暗い光をじっと見つめる
I’m wondering why I’m visited by all that I was
忘れさせてくれない あの日々がよぎるの
Night is here and now I close my eyes
夜が訪れて 私は目を閉じる
→I’m wondering~は直訳すると「どうしてかつての私を構成したものは私を訪れるのか不思議に思う」、be visited byが人に対して使われるのはあまりない気がします。かつての私というのはおそらくアンジェだった時の暮らし、それが今の自分を訪ねてくる、というのをまとめたところで上記の訳になりました。「どうして」というのが過去を想起してしまうことが不本意であることを示唆していると考えたので「忘れさせてくれない」としました。
Vision fogged by life, emotion was gone
運命が未来を奪い、感情は消え失せた
The words you would say, they showed me kindness
あなたが昔くれた言葉は 思いやりを教えてくれたわ
I couldn’t see the meaning behind it, and attacked
言葉の裏に隠された意味がわからずに 当たってしまった
The reason that I can be me now
今の私がいるのは
Is all because of you
なにもかもあなたのせいよ
全部あなたのおかげよ
→Vision fogged~のvisionは「視界、未来」などの意味、foggedは「霧がかる」なので直訳すれば「未来は人生によって霧がかった」。Lifeというのは「プリンセスとしての人生」を指していると思います。不確定のはずだった未来は入れ替わったことでただひたすら王女を演じる人生によって失われた、ということでしょう。続く「感情は~」という文もアニメ本編でちせにずっと笑顔であることを指摘され「嘘くさいですか?」と気にしている描写などから、心のままに感情を表すというのが出来なくなっていることを表しているのではないでしょうか。
The words~は個人的にすごく好きな一文。「思いやりを教えてくれた」ということはそれまでのプリンセスは思いやりを知らなかったということ。アンジェとして城を抜け出した矢先にうけた仕打ち、それしか与えられずに育った身の上がこの文にこめられています。
The reason~以下は2行で一文、双方を内包しているようにしか見えなかったので二つとも載せました。アニメ11話飛行船のシーンが浮かびます
Everyone is searching and overwhelmed
誰もが探し求め 苦しめられている
We’re always wishing to be ourselves
ありのままでいられる日が来ることを いつも願っている
But destiny plays tricks on us
それでも運命は二人を弄んで
And time goes by
時は流れて行く
→文通りの訳、ここまでの内容的にアンジェとの再開は果たせてない時系列だと思いますがWe「私たち」の主語を使うのがプリンセスらしいなと思います
Sun set, sun rise, days will all repeat
日が昇り、日が沈み、ただ日々は繰り返す
Winds pass by only to rain again
風は雨を運んで ただ吹き抜ける
This brand new day, I want to go to you
そんなまっさらな世界で、あなたに会いに行きたいの
→曲調が少し変わる場面、” brand new day”で「真新しい/まっさらな一日」、「まっさらな=なんのしがらみのない」と解釈が出来ます。日が暮れても思惑が渦巻く舞踏会や会食は無く、風雨はみすぼらしい体を冷やすものではない、そんなあらゆる差がすべて取り払われた世界でアンジェとしてシャーロットに会いに行きたい。そんなプリンセスを演じる少女の切なる願いが吐露される場面です。
And here comes the sun again
そしてまた日が昇る
The stories of my life
私の物語の舞台は
In the rainy part of town
雨降る町の片隅で
I couldn’t foresee times
先のことなんて何もわからなかった
I can be myself for once
今だって自分のことで精一杯なの
When everything is right
ベッドの中でだけは
In a bed, no longer bound
何にも縛られずにいられる
In silence, I find
静けさの中で 気づかされる
I’m visited by so many sights
私を見透かす 数えきれない視線に
Night is here and now I close my eyes
夜が訪れて 私は目を閉じる
→王女としての薄氷の日々、「The Page of My Story」と対になる曲なのだと改めて感じさせます
I’m visited~は直訳で「とてもたくさんの視線が私を訪れる」、やはりあまり人に使う動詞ではない(観光地など無生物主語に使う言葉)のでプリンセスが自分自身を思いやる余裕がなく、物のようにして日々を乗り越えている表れなのかなとも邪推します。アニメでも「わたしはからっぽだから」と自己を否定するような発言をしているので。。
Dream ride, aboard this train and find
夢の中で この外国行き列車に乗って
Right outside this window sight
窓の景色の向こうへ 光を見つけに行くの
One glance, forever world expands
一筋のきらめきよ 世界中へ広がって
The skyline, freeform, advance
大空を 自由を 革命を照らして
→aboardで「外国の~」という意味、おそらく共和国行きを指しています。ププ曲で馴染みの光表現が登場、アンジェとなったプリンセスにとっての光を探しに行きたい気持ちが素直に歌われています
My new story starts again
新しい物語が また幕を開ける
When I wake up
今度は 夢から覚めてから
→夢の中でしか自分の意志で動くことがかなわなかったプリンセスが翼を得られた、「プリンセス・プリンシパルを象徴するような曲」という言葉がとても似合います
補足解説は以上になります
カップリング曲まで本編のような濃密さで来るとは予想していなかったので訳しながら高ぶりっぱなしでした、歌まで隙が無いプリンセス・プリンシパルの実力と公式で和訳がなかなかお出しされない慎ましさ……劇場版でプリンセスがどのように羽ばたくのか、いちクラウンハンドラーとして上映を心待ちにしたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
20200505
Around the Twilight
今日もおしまいだと、黄昏が囁いた
一人ぼっちで歩きながら、深く息を吸う
この街の景色は 敵意の目に満ちていたのに
どうして今では穏やかで 美しく見えるのだろう
涙や喜びすら、過去に置いてきてしまった
ありがとうも沢山のごめんねも
言いたかったあの時のわたしの気持ちも
今なら全部あなたに言える
あなたに伝えられる、夢を見るの
私の物語の舞台は
雨降る町の片隅で
先のことなんてなにもわからなかった
今だって自分のことだけで精一杯なの
床に置かれたろうそくの
薄暗い光をじっと見つめる
忘れさせてくれない あの日々がよぎるの
夜が訪れて 私は目を閉じる
運命が未来を奪い、感情は消え失せた
あなたが昔くれた言葉は 思いやりを教えてくれたわ
言葉の裏に隠された意味がわからずに 当たってしまった
今の私がいるのは
なにもかもあなたのせいよ
全部あなたのおかげよ
誰もが探し求め 苦しめられている
ありのままでいられる日が来ることを いつも願っている
それでも運命は二人を弄んで
時は流れて行く
日が昇り、日が沈み、ただ日々は繰り返す
風は雨を運んで ただ吹き抜ける
そんなまっさらな世界で、あなたに会いに行きたいの
そしてまた日が昇る
私の物語の舞台は
雨降る町の片隅で
先のことなんて何もわからなかった
今だって自分のことで精一杯なの
ベッドの中でだけは
何にも縛られずにいられる
静けさの中で 気づかされる
私を見透かす 数えきれない視線に
夜が訪れて 私は目を閉じる
夢の中で この外国行き列車に乗って
窓の景色の向こうへ 光を見つけに行くの
一筋のきらめきよ 世界中へ広がって
大空を 自由を 革命を照らして
新しい物語が また幕を開ける
今度は 夢から覚めてから