SCP-XXXX-JP - 無敗のギャンブラー

アイテム番号:SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス:Euclid

特別収容プロトコル: 現在SCP-XXXX-JP-A、-Bは異なったエリア[編集済][編集済]の標準的人型収容室に加え、対現実改変設備を備えた専用収容室に収容されています。財団職員は二つの個体を接触させないことに留意し、監視を続けてください。

SCP-XXXX-JP-A、-Bが接触し異常現象が発現した場合、民間人にカバーストーリー「エスポワール」を流布し、SCP-XXXX-JP-A、-Bに対し直ちにクラスA記憶処理を行ってください。

説明: SCP-XXXX-JPは無作為に選出されたヒト2名(以下SCP-XXXX-JP-A、-Bと呼称)が接触することによって起こる現実改変現象です。当該SCPはSCP-XXXX-JP-A、-Bから構成され、二つの個体が接触するといかなる場合、いかなる時間、いかなる環境であっても周辺の一般人を強制的に巻き込み大規模なギャンブルゲームが漸次的に発生します。その数は最大で███人に及んでいます。

また、強制的に巻き込まれた参加者はギャンブルゲームに参加することに違和感を持たずそれが当然であるかのような振る舞いを見せます。

発生するギャンブルゲームには、競技イベント、カジノ形式のゲーム、あるいは極端な状況下でのサバイバルゲームなどが含まれます。しかしながらそのルールは変化し、一貫性は見受けられません。

この現象の異常性はゲームの結末にあり、常にSCP-XXXX-JP-A、-Bが勝者となることです。これに敗れた全参加者はゲームのルールに則り、異常な方法で絶命します。SCP-XXXX-JPの効果が解除される条件は未だ不明ですが、SCP-XXXX-JP-A、-Bの接触を物理的に中断することによって現象を終了させることができます。

SCP-XXXX-JP-Aは10代後半から20代前半の成人男性です。白髪の頭髪を除き、標準的な日本人男性と同様の外見をしています。通常のヒトと同じ会話能力を持ち、財団職員との意思疎通が可能です。ギャンブルや賭博ゲームへの愛好性を示しますが、サイト[編集済]に収容されてからは確認されていません。

SCP-XXXX-JP-Bは20代前半の成人男性です。頬の傷と耳の切断痕、その他身体の傷を除き、標準的な日本人男性と同様の外見をしています。通常のヒトと同じ会話能力を持ち、財団職員との意思疎通が可能です。身体の傷について過去のギャンブルによって負ったものと話しますが、SCP-XXXX-JP-Bのギャンブルへの興味を逸らすためにその話題を避けることが求められています。

補遺:収容違反記録-SCP-XXXX-JP-A  

事件記録:以下は19██/██/██に発生した

SCP-XXXX-JP-Aの収容違反記録です。

SCP-XXXX-JP-Aのサイト[編集済]への輸送中、大規模な収容違反が発生しました。SCP-XXXX-JP-Aが、SCP-XXXX-JP-Bへの接触を図った結果、周辺民間人、研究員、財団職員、輸送担当職員を巻き込んだ現実改変現象が発生し、民間人も含めた███人が死亡しました。収容違反についてSCP-XXXX-JPの現実改変によって引き起こされたのか、SCP-XXXX-JP-Aの意志によって引き起こされたかは不明です。

事件後、SCP-XXXX-JP-A、-B両個体にはクラスA記憶処理が行われました。

インタビュー記録XXXX‐JP

インタビュアー: [編集済み]

対象: XXXX‐JP‐A

日付:19██年██月██日 収容後█日目

インタビュアー:おはようございます。XXXX‐JP‐A。今日はあなたの話を聞かせていただけますか?

XXXX‐JP‐A:どうも。...ええ、もちろん。

インタビュアー:まずは... XXXX‐JP‐Bとの関係についてお伺いしても?

XXXX‐JP‐A:...それ、███さんのこと?いいね、オレと同じなんだ。......別に。友人ですよ。

インタビュアー:...では、XXXX‐JP‐Bとはどこで?

XXXX‐JP‐A:自販機の前です。雀荘の帰りに...、オレが話しかけたんだ。あの人が大負けしたのを見ていて...。...他愛もないギャンブルですよ。コイントスであんたが勝ったら飲み物でも奢るって言ったんです。

インタビュアー:そうですか。その時はあなたとXXXX‐JP‐Bだけでその...コイントスを?

XXXX‐JP‐A:ええ。あの人とオレだけだった。あの人が裏と言ったから、オレは表に賭けた。勝敗は......、覚えてないけど。

インタビュアー:分かりました。......では...、あなたがXXXX‐JP‐Bと接触した際に起こる異常現象についてどのようにお考えを?

XXXX‐JP‐A:異常現象....。異常現象ね。最初はオレも気に留めてなかったが......、あれは、まるでオレ達の為だけに用意されているような...。...あんなものをしても、まるで...心が満ちない。満足できない。あの人とのギャンブルを...ずっと邪魔されている気分で、オレは...。

[5秒ほど沈黙。XXXX‐JP‐Aが煙草の煙を吐き出す]

XXXX‐JP‐A:....あの人と出会った時、偶然だと思えなかった。しなきゃいけないと思った。それがオレの定めだと.....。

XXXX‐JP‐A:.....実を言えば最近、オレにもよく分かってきたんです。

<記録終了>