ベクトル空間
における一次変換
によって,
の
次元の部分空間
の任意のベクトルが
のベクトルに変換されるとき,つまり
に属するベクトルは変換
によってその中だけで変わり,
から外に出ることがないとき,‘ 変換
は部分空間
を
不変にする
’ という. この場合,
の基底
は,相互の間だけで変換されるから,これと独立な
なる
個のベクトルを取って来て全空間
の基底を構成すれば, 変換
は
となり,変換行列は下図のような形になる.
が二つの部分空間
に分解され,変換
が ‘各の部分空間
と
を不変にする’ ときには,
;
は各個別別に相互の間だけで変換される.よって先の第二の式の
に対する加算は
から
までとなり,その行列
は上図において
としたものになる.この場合空間
は変換
に対して
完全に分解する
,あるいは
解離
するという.
このように完全分解の場合には,
,
はそれぞれ部分空間
,
における変換の行列になり,その意味が明らかであるが、そうでない場合には,行列
は何を表すのか?これを意味づけるためには商空間(または剰余空間,あるいは因子空間)の概念を使う.
ベクトル空間
のベクトル
と
とが,‘部分空間
における成分だけを異にするとき,’ すなわち
を
,
に属する成分にわけて,
,
と書いたとき,
であれば,
と
とは ‘部分空間
を
法
として等しいといい,’
と記す.
この場合,
は
に属するから,
と
とが
で等しいとは,
と
との差が
に属すること,あるいは
に属するベクトルの差は問題にしないことである.ベクトル
の集合は一つのベクトル空間を作る.これを
による
の
商空間
といい,
あるいは
と記す.